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ジロジロ見んな

 私が拳を振りかぶると同時に、ユズリハも刀で斬撃を加えた。

 クンフースワンはそのまま、バタンと倒れ消えていく。そして、私たちは一気に1000ポイントを取得したのだった。


「うしっ、一気に1000ポイントゲットォ!」


 クンフースワンのコンビは大ボス級ということで一気に1000ポイントを超えた。

 ただ大ボスというからにはものすごい強いかと思っていたがそうでもないようだ。


「改めて……サンキューな」

「かまわん。それより……あのクンフースワンを一人で一体持っていけるとは……貴殿は何者だ?」

「あ? あー、まぁ、気にすんな」

「そうです。とりあえず、ありがとうございます。助けていただき」

「いや、助ける側にもメリットは大いにあるから問題はない。大ボスを倒したことで関わった私も1000ポイントをもらえたのだから」


 刀をしまうユズリハ。すると、奥の方から女性の声が聞こえてきた。


「何してんだよこんなとこで。探すなんていう非合理的なことさせんじゃねえよ」

「すまない。人助けをしていた」

「人助けだぁ? そいつは合理的だなぁ……」


 と、現れたのは髪をオールバックにしている女性だった。目つきがとてもするどく、その目で見られたら射抜かれそうなくらい怖い。

 

「あ? なにガン飛ばしてんだコラ」

「…………」

「抑えなさい。ゼーレ」

「あぁ、悪ィ悪ィ。ついクセでよ。ガン飛ばされて喧嘩ふっかけられんだいっつも」

「…………」

「いつも返り討ちにしてやってるがな。それよりテメェ……。どこかで会ったか? 知ってるような気がするぜ」

「知らん。もういいだろ。ありがとよ。助けてくれて。私たちは……」


 そういうと、オイリはユズリハに深々と頭を下げた。助けてくれてありがとうと言って。

 照れ臭そうに少し顔を背けるユズリハと、何が何だかわかってない女。


「なぁ、こいつってアレじゃねぇか? 関東で実力ナンバーツーの喧嘩女番長の……」

「あー、火鐘(かがね)か」

「そう。火鐘 蛍。蒼眼の死神であるお前がいなきゃ関東を牛耳っていたであろう女だ」

「なんだ、テメェ俺のこと知ってんのか」

「驚いた。いつもは蒼眼の死神しか知られていないが……Xを知ってるとは」

「エックスぅ?」

「俺のプレイヤーネームだ。それにしても、喧嘩女番長なんてあだ名、有名じゃねえのに知ってんのは、テメェ、さては同じ界隈だな?」

「まぁ、な。今は違うが」

「だろうな。テメェ、アイドルの本田 唯臣だろ? 知ってんぜェ。妹が大ファンだからな」

「そりゃどうも」


 Xはハーレーを知っている。まぁ、テレビに出てるし顔は知られている方だからな。

 以前にネットでハーレーについて調べてみたら"クールだけど情熱的"と書かれていて意味わからなかったな。


「ハーレー、有名人だねぇ」

「そりゃ今話題のアイドルだからな俺ら。テレビにたくさん出てるし、これでもスケジュールはキツキツだぜ? 俺はもうそろそろ収録のためにスタジオ行かなくちゃいけねえし」

「うへー」

「今をときめく人気アイドルなんてそんなもんだ。じゃ、俺は行くからあとはお前ら仲良くしろよ」


 そう言ってハーレーは行ってしまったのだった。


「それにしても……お前さんの顔どっかで見たことあんだよなぁ……」


 と、Xは私の顔をジロジロと舐め尽くすように見てきたのだった。

 私はムカついて、思わず手を出す。Xは拳を避けれず、顔面に拳がぶち当たる。


「テメェ、人の顔をジロジロと不躾に見てんじゃねぇよ」

「やりやがったなテメェ!」


 Xも逆上し、殴りかかってきた。

 私は拳を受け止める。


「こんなもんかよ」

「なっ……」

「やめるんです、ゼーレ」

「Xも落ち着け」


 と、二人同時にワグマとユズリハから頭をぶっ叩かれたのだった。

 元々はあいつが悪いのになぜ私が叩かれなくちゃ……。








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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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