ホワチャア
オイリにことを話すと。
「よっし、じゃ、私はワグマを守ってればいーんだね?」
「そういうこと。んじゃ、いこうか」
「おっけー」
大ボス討伐をする。
私たちはとりあえず、大ボスの一体が出るという場所にやってきたのだった。コウガララ平原奥地という場所に、石が積み重なっている石ノ塔エリアというものがある。
石ノ塔エリアに大ボス級の魔物が出現するという話だ。
私たちは石ノ塔の付近で待っていると、突然私たちに影が差す。
私は影のほうを見ると、積み重なった石ノ塔の上に、二足歩行の鳥が立っていた。二足歩行の鳥はなにか武術のような構えをしている。
顔は白鳥なんだけど体がごつい。
「解析」
ワグマが解析を始めた。
「大ボス級の魔物で、名前はクンフースワンという名前です。武術の達人らしいのでお気をつけてください!」
「オッケー。武術か……。私の分野だな」
「キエエエエッ!」
と、そのクンフースワンがカンフーのような動きで私に攻撃を仕掛けてきたのだった。
拳を受け止め、私は殴ろうとすると身をかわされ、蹴りを一発食らわせられた。私は吹っ飛ばされ、石ノ塔の積み重なった石に背中を打ち付ける。
「割と武術を極めてるな……くそ。今の変則的な動きは予想外だ」
カンフーなら一度見たことはあるが、あんな変則的な動きはしていない。
カンフーといえど、カンフーじゃねえって感じかな。おもしれえ。私は起き上がり、攻撃を再び仕掛けに向かうのだった。
そっちも変則的なら私も変則的だ。
私は少し走る際の足のステップのリズムをずらす。
「きえっ!?」
「お前……やっぱリズムを見てるんだな」
「え、わかるんですか?」
「え、わかるの?」
「わかるのかよ……」
「とりあえず一撃!」
私は拳を思いきり握りしめ、一撃を加えた。クンフースワンは吹っ飛んでいくが、すぐに起き上がる。
すると、クンフースワンは自分の体の中から何かを取り出した。それは棒と棒が鉄製の鎖でつながれた武器……。カンフー映画でよく見るヌンチャクだ。
クンフースワンはヌンチャクを振り回す。手がもう歴戦の戦士のような感じで、ヌンチャクの扱いがうまい。
「なるほど……。ヌンチャクを取り出してから本気ってわけか……」
「キエッ」
ヌンチャクを振り回し、私にとびかかってくるクンフースワン。
ヌンチャクの攻撃が向かってくる。片方を弾き飛ばしたが、左手に持ったヌンチャクが私の肩に当たり、ダメージを受けた。
ヌンチャクの連撃は止まない。私は何回かははじいて無効化しているが、それでも攻撃の手数が多く、全部は捌けていなかった。
「体力がじり貧だ……」
「こっちもきついんですけどぉ!」
と、弱音を吐くオイリのほうを見ると、もう一体のクンフースワンがいきなり表れて攻撃していた。
クンフースワンは二体いた、のか。こりゃまた厄介だ。だがしかし、一体だけでも割ときつい。どうにかして反撃の隙を見つけなければ死んでしまうな。