他にやることは
狼の群れも討伐し終えた。
体力が残り僅か。だがしかし、最後までたっていたのは私。喧嘩に勝った。伊達に最強は名乗ってないぜ。
そして、もういい時間となっていた。
オイリ、ワグマグループも薬草採取を終えているだろう。私も報告がてら冒険者ギルドに戻らないといけないな。
私は急ぐようにその場を後にした。
冒険者ギルドにつくと、オイリとワグマが報告し終えたといって私を待ってくれていた。
「連絡手段ないと不便ですねぇ。フレンド登録しておくべきでした」
「そうだな。今しようか」
フレンド機能。
フレンドの現在の場所がわかったり、フレンドのステータス、そしてオンライン状態、チャットなどができる機能。
これがあればフレンドとやり取りができるので、どこ集合とかそういうことを伝えられる。
私は二人とフレンド交換をすると。
「ゼーレ。あんた敵と何体やってきたんですか。レベル10て……」
「ん、まぁ、狼の群れと戦ってた」
「あのウォルフルだけですよね依頼は」
「出会ったからついでに戦ってきたんだよ。体力が残りわずかでな。とりあえず回復も兼ねて戻ってきた」
私はそのまま受付のほうに向かい、依頼達成報告をする。
冒険者ランクEからDに上がるにはあと14個の依頼を達成する必要があるらしい。まだまだランクアップの先は長い。
そして、冒険者ギルドで素材も売ることができるようなので、私はあの狼の素材を売却した。全部で5030グランという金額になった。
「よし、臨時収入もゲットした。防具でも買うか」
「そうですね。戦うにあたり防具は大事です。特に、タンク職のオイリさんは」
「私そんな金ないけど!?」
「まずか簡易的な鎧でいいんですよ。防御力を上げていかないと」
「わ、わかった」
私たちはまず防具を求めに防具屋に向かう。
防具屋は様々な防具がそろっており、鎧や、ゲームでよく見るビキニアーマーというのもある。武闘家の装備はなるべく軽い素材で動きやすいように作られているらしい。とりあえず適当な防具を買い、着用したのだった。
「こ、これいいんじゃない!」
「うん、申し分なさそうですね。ただ……ちょっとお値段しますね。今の私たちの手持ちでぎりぎりです」
「これがいい!」
「……ではオイリ。ゼーレから金を借りてきてください。ざっと3000グランほど」
という会話が聞こえる。
どうやら私の金を貸してほしいということだった。私は一番安い防具にしたので金は余ったが……。そんなに高いものを買うなよ。武器の代金にもしたかったのによ。
私はしょうがないので、オイリに3000グラン貸すことにした。
「かーして」
「返せよちゃんと」
「もちろん! 金に関しては友情が壊れるからね! 出来たら返す!」
「どうだか……」
「嘘なんてついたことないから返すもん」
「お前嘘下手だもんな」
「下手じゃないもん。得意じゃないだけだもん」
要するに下手というわけだろ。
オイリはそのまま防具を購入し、身にまとう。
「さて、そろそろ晩御飯の時間ですし、一時ログアウトしませんか?」
「そうだな。とりあえずここでログアウトしよう」
街全体はログアウトしても大丈夫みたいだからな。
従来は自分のギルドだったり、宿屋だったりじゃなきゃログアウトできなかったみたいだが。
私はそのままログアウト。晩御飯の時間なのだが、今親は家にいない。
深い事情があるわけじゃなく、ペアでハワイ旅行の旅があたり、父さんと一緒に行っただけだ。あと数日もしたら多分戻ってくる。
私は一階のキッチンの戸棚からカップ麺を取り出し、ポットのお湯を注ぐ。だがしかし、水を入れ忘れていたようで、半分までしかお湯につかっていない。
「ちっ」
私はポットに水を入れ沸かす。
私の晩御飯すっげえ質素。今頃月能は豪華な晩飯なんだろうなぁ。なんて思いながら私は三分待っていた。