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危険プレイヤー

 イベントがやってきた。

 今日から特別な魔物がフィールドに湧くらしく、朝からログインしてる人もちらほらと。


「さて、私らもぼちぼち狩り始めるか」

「おう」


 モンスターが出るフィールドに赴く。

 と、昨日、通達に乗っていたニューイヤーモンスターが目の前を歩いていた。

 今年は酉年ということなので、鶏のような魔物がコケコケと歩いている。


「鶏肉にしてやるぜ」


 先手必勝。

 鶏の魔物はコケッ!と滑稽な声を出し吹っ飛んだ。私は追撃にいき、無事魔物を討伐できた。

 ニューイヤーポイントというのは青い缶バッジみたいなものらしく、それを拾うとポイントがゲット出来るとのこと。


 この瞬間だけは誰かに取られる可能性もあるから、要注意だな。

 私はポイントを拾いしまうと、ポイントが換算され、ポイントの合計が10あがった。

 雑魚敵を倒すと10、中ボス並みの強さのものは50、そして、大ボスというものがいるらしく、その大ボスを倒したら討伐に参加したプレイヤー全員に一律で1000ポイント貰えるのだとか。


 大ボスは是非とも倒しておきたい。


「雑魚敵ばっかじゃつまらねえし、はええとこ大ボス見つけてぶっ叩かねえと」


 私が大ボスに挑む決意を固めていると、どこからか声が聞こえる。

 男たちがこちらに走ってきている。誰かに追われているようだ。だがしかし、追われている方は焦った様子はなく、まるで煽るように追ってきている男を挑発している。


「こんの……!」

「油断してる方が悪いんだぜ! おら、そこどけ女!」

「…………」

「聞こえねえのか! ならこうだぜ!」


 と、剣を取り出して振り下ろす。

 私は一発ぶん殴る。


「誰にモノ言ってんだテメェ」


 私は倒れた男の髪を掴む。

 また顔面に一発きついのをぶち込んだ。


「速い……」

「テメェがあの男に何したか知らねえけど、悪いことしたんなら謝らねえとなぁ」

「ひっ……」

「やっと追いついた……。僕のポイントを返せよ! お前ら自分で集めろ!」

「は、はひ……」

「あれ、なんかやられてる?」

「ポイント取られたのか?」

「え? あ、はい……」

「なら返してもらわねえとな。おい。今すぐキルされたくなかったらとっとと返しな」

「はい……」


 と、ポイントが男の手に渡された。私は絡んできた男を解放してやると、一目散に逃げていく。

 私は男を蔑みながらも、盗まれた男の方を向いた。


「大丈夫かよ」

「あ、はい。ありがとうございます……。あ、あの、間違いでなければなんですが……。蒼眼の死神さん、です、か?」

「ん? あー、まあそうだけど。お前、なんでそれを知ってんだ? 見るからに不良じゃねえお前が……」

「あ、け、掲示板で話題となってまして……」

「掲示板ん?」


 と、男が掲示板を開き、見てみると危険プレイヤー晒しスレというスレタイを掲げられた中に私の名前があった。

 プレイヤーネーム、ゼーレ。まだ危険な行動を起こしてはいないが……。


「有名な不良、蒼眼の死神という二つ名を持っており、喧嘩が強く血の気が強い……。怒らせてはいけないプレイヤー……。ここで晒しているPKよりかは害悪プレイしてないが、要注意……。ふぅん……」

「ひっ……あ、お、怒らせまし、た?」

「いや? 怒ってねぇよ。まぁ、血の気が多いのは確かだな。だが、それで危険プレイヤーとして括られんのは不愉快だ。ちっ……。ま、しゃあねぇか。不良として君臨してた以上、悪評は免れねえしな」

「関わってみると危険ではないのは分かるんですけどね」

「あ、ワグマも書かれてる」

「え?」


 私はワグマの内容を読み上げる。


「ワグマ、かの有名な阿久津家のご令嬢だと思われる。怒らせたら金の力で消される……だとよ」

「よし、今すぐ私の家の力を行使し、書き込み主を特定しましょうか」

「消すつもりだなテメェ……」

「冗談ですよ」

「冗談に聞こえなかったのは俺だけか?」

「そんなことしませんって。でもよくわかってますね。IDを見るに私とゼーレは同一人物が書き込んでるみたいです。私たちのことを知っている人物でしょうか。私の場合は思われると曖昧な表現ですし、深く関わりがない人物だと思うんですけど……」

「私のことをよく知っているってことは、不良だったかも知れねえってことか?」

「……そんな条件の人いますかね」

「一人いるだろ。モンキッキが」

「「あーー……」」


 たしかに、モンキッキが条件と合致する。

 蒼眼の死神はそういう界隈にいる人なら今では誰もが知る名前となっている。が、そういう界隈じゃなきゃ知らないと思うから、まさしくそういう界隈にいる人で、ワグマのことをよく知らない人……。

 まぁ、モンキッキだろうな。


「後で〆るかあんにゃろう……」

「いや、俺が犯人って待ってくださいっすよ!?」

「おー、ちょうどいい時に来たな。大人しく……」

「俺じゃないっす! 大体書き込んでるの加入する前っすよね!? 見た限り……。いくら俺でも流石にやんないっすよ!?」

「ふぅん……」

「信じてもらえてない……」

「……ちっ。モンキッキじゃねえならほっとくか。わざわざそいつのとこいくのめんどくせえし」

「俺だとしばかれるんすね!?」


 当たり前だろ。


「ご、ごめんなさい。僕が話題を出したばかりに……」

「気にすんな。ま、今度からポイント取られねえよう気をつけろよ」

「は、はい」


 私は男の子と別れる。

 私は危険プレイヤー、なのか……。







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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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