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弱い男たち

 私はトラを殴り飛ばす。

 トラは、そのままぐったりと横になり息絶え消えていく。私は拳を天に掲げた。


「決着!」

「……本当にすごいですね。戦闘を任せきりで申し訳ありません」

「気にするな。こういうのは適材適所だ。ま、多少ダメージは食らっちまった。回復頼むぜ」

「はい」


 私は回復魔法をかけてもらう。


「それじゃ、いこ……」


 と、言った瞬間だった。

 ワグマの背後に剣を振りかぶった男が立っている。私はワグマを突き飛ばし、その剣をわが身で受ける。躱すのは間に合わなかった。

 肩に剣が当たり、体力が減る。


「いきなりなんだよ。結構なご挨拶じゃねえか」

「今倒した虎の素材、全部よこしやがれ!」

「へっ。自分は倒せねえから戦っていた私から奪うつもりかよ。まだ私はぴんぴんしてるぜ。今てめえをキルしてもカルマ値はたまらねえよな? そっちから仕掛けてきたんだもんな?」

「た、多分……」

「なら喧嘩上等じゃねえか」


 私は男の襟首をつかみそのままぶん投げる。男は強く地面に背中を打ち付ける。

 私は竜の手に再び変化させ、そのまま心臓部を貫いた。急所に当たったということで、ごっそりと体力が削られたようで。


「つ、つええ……」

「一撃で殺せなかったのが仇になったな。あいつを狙えば私が無防備だと思ったか?」

「ふっ……。お前も油断してるだろ」


 と、ワグマのほうを見ると、ワグマは知らない男の人に取り押さえられていた。


「ちっ、仲間か……」

「放せよ。放さねえとこいつを殺すぞ」


 人質か。

 私は指示通りに男を手放す。男は、ふらふらとした足取りで距離を取りポーションを使用していた。

 2対1。頭数じゃ私のほうが不利だ。だがしかし。


「おい、ワグマ。死ぬ覚悟はあるかよ」

「当たり前のことを聞くんですか? もちろんしてますよ。ゲームですから」

「ならよかった」


 私は男たちに向かっていく。


「じゃ、死んでくれ・・・・・

「はい」


 私は一人男をぶん殴る。


「てめえ! 仲間だろうが!」

「ああ、仲間だぜ。でも、人質は現実でやるもんだ。ゲームじゃ死んでも生き返んだろ? 無駄だぜその脅し」


 私は男の顔面を竜の手でつかむ。そして、そのまま地面にたたきつけた。

 男は衝撃で思わずワグマを手放す。


「なんだ。キルしねえのか。臆病な奴め。臆病風に吹かれたか?」

「ぐっ……」

「ほらほら、キルしないんですか?」


 ワグマも煽っている。


「その程度の奴かよ。てめえみてえなのはほんっとによええな! 人様のものを奪って手に入れるしか能のねえガキがたてつくんじゃねえよ」


 私はそういうと、男たちは死ねといって殴り掛かってくる。

 そこで激高するからよええんだよ。強いやつはいつだって頭だけはクールに……。いや、これは私には当てはまらないか。

 ま、でも、心を高ぶらせるにしても。


「憎悪じゃ私は殺せねえぜ」


 私は二人を一発力強くぶん殴った。

 二人は、そのまま地面に倒れ、消えていく。竜変化を解き、ワグマに大丈夫かと声をかける。


「大丈夫ですよ。足手まといで申し訳ありません」

「気にすんな。てめえはサポートが仕事だ。戦いは本業じゃねえし、足手まといになるのもしょうがねえ。まだ回復魔法はかけれるか? 最初の一撃で思ったより食らっちまってな」

「はい」


 ワグマは回復魔法を唱えた。

 体力がそこそこ回復したので、移動することにする。素材を売りたいから冒険者ギルドへ。とりあえず資金をためないと話にならないからな。


「私たちはレベル上げ+資金集めだ。いいな?」

「はい。資金集めなら得意ですよ」

「資産家の娘だからな」

「そうです。まぁ、昔からマーケティングや人心掌握術などは学んできてるので、少しばかり特殊な資金稼ぎもできます。お任せください」


 金も大事だからな。







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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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