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似た者同士

 王都にある広場で私たちはベンチに座りながら、そこの屋台で買った串焼きの肉を食べながら話すことになった。

 この……不死帝 文殊という男性はあの不死帝家の一人息子だという。歳は私たちの一個上。そして、不死帝家の跡取り。

 さすがの私でも不死帝家という名前は聞いたことはある。


「本当に似た者同士ですね。私たち」

「そうだな。不良を仲間にしてる当たりそうだろ。あれだろ? ムードメーカーみたいなやつもいるだろお前らのほうに」

「まぁ」

「アイドルが仲間にいたり?」

「いるな」


 私たちの真逆の構成だという。

 女性アイドルグループの二人がそっちに入っており、また、ムードメーカーみたいなやつもいるのだとか。

 まるでパラレルワールドみたいな存在だなお前ら。


「すごい偶然ですね。これはもう奇跡じゃないですか?」

「かもな。ま、悪かったよ。うちのゲン、突っ走りやすいんだ。妙に自信満々だからよ」

「お互い様ですよ。こっちも血の気多いので」


 いい紹介をされてねえ。


「改めて……俺は不死帝家の跡取り、不死帝 文殊。プレイヤーネームはモンジュだ。よろしくな」

「私はゼーレ。蒼眼の死神っていう呼ばれ方してる。ハズイからそこまで呼ばないで」

「私はワグマです。ゲンさんも聞いたことがあると思いますが、阿久津家の跡取りですよ」

「……この空間金持ち多すぎやん」


 それは同意。

 私たちが話していると。


「あ、いたいたモンジュー! よーう。俺参上したぜ!」

「あんたらだけじゃないっての。で、モンジュ。そっちの奴ら誰? 新たにクランに加えるやつ?」

「いや、現実世界での知り合いだ」

「ふーん。ま、なんでもいいけど。いい? あんたら。ゲンを取らないでね」

「ゲン、お前モテモテだな」

「……まぁ」


 ちょっとうれしそうにしているあたりお前やっぱ男だな。


「自己紹介をしてやれ」

「しょうがないわね。私はClariceというアイドルグループの一人で、山田 あや。プレイヤーネームはアヤヤよ」

「私も同じグループで萩崎はぎさき 春音はるねですー。プレイヤーネームはウララです」

「ウララにアヤヤ。うん。覚えた」

「別に覚えなくていいわよ。で、あんたらは?」

「私はゼーレ。こっちワグマ」

「ふーん」


 この女。なんつーか、うちのミナヅキが嫌ってそうな性格してんな。ツンツンしすぎでしょ。これはあれだ。典型的なツンデレの性格だと思う。

 まぁ、性格はいいほうなんだろう。私たちをけなすようなことは言っていない。


 私たちが話していると、上空から声が聞こえてくる。


「おいオイリ! てめぇマジでふざけんな! なんで怪しげなもん買うんだよてめぇ!」

「これ落下ダメージで死なないか?」

「下に誰かいる! あ、あれゼーレたちだ!」

「のんきに言ってる場合じゃねえよ! 落下ダメージで死んだら元も子もねえ!」


 と、なぜか三人が上空から落ちてきた。

 ちょうどいい時に現れやがって。土ぼこりを上げて、地面に落ちた三人。なんとか体力全部削られなかったようだ。


「……でも結果的に王都に到着したじゃん!」

「運が良かっただけだろ……。無茶させやがって」

「まぁ、目的は達成はしたがな」


 三人はよっと立ち上がる。


「待たせたね。いやぁ、死ぬかと思った」

「……なんで上から?」

「……オイリが怪しい商人からワープ魔方陣の巻物ってのを買ってさ。王都に行けるって聞いて使ったんだよ。そしたら空中に放り出されてた」

「もう二度とごめんだな……。少なくともお前に判断を任せたのが悪かった」

「ごめんって。ね?」

「で、そっちは?」


 私は三人にこの五人のことを伝える。


「へぇ。金持ちのボンボンに、アイドル二人に、赤髪の……」

「お前ら、もしかしてSky Rimの……」

「ん、そうだけど」

「見慣れた顔がいんなと思ったらお前らClariceのやつらか。てめえらもゲームやってんだな」

「誘われまして。相変わらず菅原さんは口が悪いですね」

「ま、こいつはな」


 お互いなんか仲良く話している。


「本当に似た者同士で思わず笑っちまうな」

「そうですね」

「お互い、退屈はしなさそうだな」

「現在進行形でしてませんよ。退屈な毎日なんてありませんから」

「そうだな。ま、俺らは依頼の途中だからいくよ。フレンド登録だけさせてくれ。困ったらお互い協力しようぜ」

「いいですよ」


 といって、フレンド申請が全員に来たのだった。五人分。

 モンジュ、ゲンはまだわかるがウララ、アヤヤはなぜ。


「……バルスってだれ?」

「俺だよ!! 俺が自己紹介しようとしたら飛ばされるんだもん! 俺悲しかったよ!?」

「不憫だよなお前」

「うるせえ!」


 









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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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