ちょっくら世界を救ってくる ④
這い寄る混沌、ニャルラトホテプ。
さて、どうやって倒したもんか。あの巨大な姿。多分、そんじょそこらの攻撃じゃびくともしないだろう。
攻略方法を探して倒さないといけないか。
「ま、やることは一つか」
『秩序の流れを止めろ!』
と、巨大な手を振り下ろしてくる。
巨大ということは範囲もバカみたいに広く、私は躱すのに精いっぱいだった。当たったら大ダメージは免れないだろう。
私はとりあえず攻撃に転じる。
「はーっはぁ! とりあえず目ん玉潰しとけ!」
私は目ん玉をぶん殴る。
痛そうなそぶりを見せるが、まだ余裕そうだった。すると、今度は口のほうからカメレオンのような舌が伸びてきて、私をつかむ。
「あ、やべ」
私はトゲトゲ武装で全身にとげをはやすと、痛かったのか、舌を放し、手でたたき落としてくる。私はダメージを受けたが、すぐにポーションを飲んで回復する。
さて、この混沌をどうやって止めようか。
この混沌はどうやったら止まるのか。
「アルテミスのように……少しはバトる相手の観察でもしてみっか」
観察すれば何かわかるかもしれない。
私は攻撃をひたすらよけつつ、観察に徹することにした。
『うるさい秩序の蝿よ……!』
と、口を大きく広げるニャルラトホテプ。
口の中には何やらピンク色の気体が充満し始めていた。私は何か嫌な予感がする。私は急いでニャルラトホテプの懐に潜り込むと、ニャルラトホテプの口からピンク色のブレスが放たれた。
ブレスは地面を焼き焦がす。あれ食らったらひとたまりもないな。躱しておいて正解だった。
『芸術とは爆発なり』
と、その瞬間、ニャルラトホテプの体が光りだす。
私はまた再び走り出す。今度はなるべく遠くに。そして、次の瞬間ニャルラトホテプの体が大爆発を起こした。
ほかの浮いている地面が壊れ、瓦礫が降り注ぐ。爆発を終えたニャルラトホテプは瓦礫をつかみ、思いっきりぶん投げてきた。
「攻撃する暇がねえな……。次から次へとやってきやがる」
私は再びニャルラトホテプに近寄り、腹のあたりをぶん殴ってみた。ぶよんと柔らかく、跳ね返されてしまう。
おなかに打撃攻撃は無効、か。なるほど。
「っし、んじゃ、そろそろ私も本気出して戦おう。なんとなくは攻撃はわかった。これは勝てる」
攻撃に転じなければ体力で負ける。
集中すれば勝てる相手ではありそうで何よりだ。ニャルラトホテプ、ラスボスだと言い張る割にはそこまで強くはない。
「さぁ、やろうぜニャルラトホテプ」
『うぬが秩序、誠に遺憾なり!』
ニャルラトホテプはその大きな頭で頭突きをかましてきたのだった。
あと1話か2話で終わるかな……。終わらないかな……。




