ちょっくら世界を救ってくる ③
私は殺そうとしてきたニャルラトホテプをぶん殴る。
もう不意はつかれない。やれるもんならやってみせろ。
「いだっ!」
ニャルラトホテプは吹っ飛ばされていく。
地面で受け身をとり、ぱんぱんと砂埃を払う動作をして、立ち上がる。
「何をするんですか? せっかくの私の親切心を」
「うるせえよ。こっから出る方法はただ一つだろ? お前を殺しゃいい」
「はは、実にありえないことを言いますね」
私はスキルを最大限まで使い、攻撃に転じる。
私は黄金武装などを使い、フルで攻撃力を上げた。ニャルラトホテプはあっけにとられつつ、私の拳をガードする。が。
「いって!」
「ガードできるもんならしてみやがれってんだ」
「これは……。予想外の攻撃力……」
私はニャルラトホテプの胸ぐらをつかみ、ぶん投げる。
私も高くとび上がり、地面にたたき落とす。ニャルラトホテプは苦しそうな顔をして、地面にたたきつけられたのだった。
だがしかし、さすがは神様といったところか。すぐに起き上がってきたのだった。
「仕方がありませんね……。わからない子には教えて差し上げましょう。私の真の力を……」
と、ニャルラトホテプの体が輝きだす。
私は隙だらけのその変身の瞬間に一発叩き込んだ。光がやみ、変身が途切れてしまったようだ。ニャルラトホテプは立ち上がり、私をぎろりと睨む。
「変身最中は攻撃してはならないと教わらなかったのですか?」
「知るかよんなもん。隙をさらしてるお前が悪い」
私は悪くはない。
だがしかし、変身はいずれするだろう。どういう手を使ってでも変身する隙を作り出すはずだ。たとえば、自分の眷属に襲わせたり。
私の予想はあっていたのか、空中からなにかが降ってくる。
「混沌の使者! 時間を稼ぐのです!」
「雑魚呼び出しか! それで変身するつもりか!」
私は雑魚をぶったたく。
雑魚を持ち上げ、思い切りニャルラトホテプめがけてぶん投げた。変身している最中のニャルラトホテプに当たり、モンスターは消えて、ニャルラトホテプの変身が止まる。
そう簡単にさせるわけがねえだろうが。相手の有利になることはすべて阻止する。それが喧嘩のコツだぜ。
「役立たずどもが……」
「役立たずなのはてめえだろ」
「仕方がありません」
私がニャルラトホテプをぶん殴ろうとした時だった。
鋭い衝撃波が放たれ、私は吹っ飛ばされる。そして、ニャルラトホテプはどんどん巨大化していき、地面が崩れたかと思うと、ニャルラトホテプは捕まるような形で地面に手をついていた。禍々しい見た目。
口が裂け、目が赤く光っている。巨大化した手と、顔はものすごく混沌とした顔だった。説明しずらいが、混沌としている。
『いきなり最終形態にはなりたくなかったのですがね』
「おいおい、マジのバケモンかよ……」
『這い寄る混沌……。我が名はニャルラトホテプ……』
最終決戦、だな。今の今までは前座だ。




