???
武器を買うことはできたのだが……。
やはり、あの店主もただものじゃない。私たちは歩いているとすぐに暴漢たちに囲まれたのだった。手には剣や槍などを持っており、先ほどの武器をよこせと囲む。
きっとあの店主の回し者、だろうな。
「口での要求だけか? 手を出して来いよ」
「挑発すんなよ」
「じゃあお望み通りボコボコにしてやらァ!」
と、切りかかってくる。
私は攻撃をかわし、顔面をぶん殴る。男は一発で気絶していく。私たちが暴漢どもを返り討ちにしていた時だった。
空に突然、暗雲が立ち込める。その雲をみた男どもは顔を青ざめさせ、家の中へ入れ!と逃げて行ったのだった。
黒い雲で覆われた街は誰一人として外に出ず、私たちはぽかんと取り残される。
「なんだ?」
「この雲を怖がっていたように見えるね……。って、ハーレー。ちょっと浮いてない?」
「ん? いや、浮いてるってよりかは……」
私たちの体が宙に浮かぶ。そして、私たちはなぜか空に引き寄せられていた。すごい引力で私たちを引っ張り上げる雲。
雲の中心が渦巻き始め、まるでそれはどこか知らないところへ飛ばすような雲だ。私たちはそのまま雲の中へと引きずり込まれていく。
しばらくして、真っ暗だった視界が明けた。
闇夜のような空間で、地面が浮いている。また、重力が変なのか、壁にハーレーとミナヅキがひっついている。
まるでそれは異世界のように。変な世界だった。
「どこだここ」
「え、どこだろ……」
「俺らは雲に吸い込まれて……」
雲に吸い込まれてこんな変な世界に来たわけだ。
私はとりあえずミナヅキのいる地面に飛び込もうとしたが、ミナヅキはやめておいたほうがいいといっていた。
私は浮いている地面の下を見ると、ブラックホールのようなものがあった。
「ジャンプミスったら即死か。確かにやめとくか」
さて、じゃ、各々で調べるしかないか。
「各々でそれぞれ立っている地面を歩いて調べるしかないようだ」
「そうだね。壁にゼーレ、天井にハーレーがいるのはなんか変な気分」
「俺も……。とりあえず先へ進もうぜ。敵がいるかもしれねえから気をつけてな」
というので、私は立っている地面を歩いて調べることにした。
とりあえず調べたいのは、私たちがいるこの世界は一体なんなのか。まるで混沌と化しているような世界を知りたい。
世界を知って、どうにかして出るために出る方法を模索する必要があるかもしれない。
私がそう考えていると、どこからか獣のような咆哮が聞こえてきた。
「なんかいる」
「背後のほうから聞こえてきたね……。後ろに何かいるのかな」
「馬鹿言うなよ。後ろは崖だぞ。いるわけねえ」
「だよねー……。とりあえず、そのなにかの存在に気を付けつつ先へ進むしかないか」
この世界には私たち以外の何かがいる。
その事実が恐怖を与えるには十分だ。