修学旅行・函館編 ③
函館での昼食はハンバーガーだった。
除霊が終わり、田中たちを待っていると、田中たちはハンバーガーを人数分買ってきたようだ。このハンバーガーはラッピーピエロというご当地ハンバーガーらしく、ものすごくボリューミーなハンバーガーのようだ。
私はスペシャルカリカリベーコンエッグバーガーというものらしい。
手にとってわかるずっしり感。私はかぶりついてみる。トマトが肉厚でジューシー。それに、カリカリに焼かれたベーコンと特製のソースがものすごくうまい。
食べ応えあるなー。
「これうま!」
「俺食ってみたかったんだよ。前にテレビでやっててさ。この函館にしかないハンバーガーチェーンなんだってよ」
「そうなんだな。全国でやればいいのに。あったら通ってるかもしれねえ」
「ほかにもカレーとかラーメンとかあったなー」
「どれもおいしそうだったよね」
「そういうメニューもあるんですね」
ハンバーガー一本!ってわけじゃねえんだな。
だがしかし、マジで美味いなこのハンバーガー。私はあっという間に平らげてしまった。結構ソースの残りとかがありべたつく。
私はお絞りで手をふいた。
「っと?」
私が食べ終わったと同時に、なにやら外がうるさい。
というより、雨が降ってきたようだ。結構な土砂降りのようで、窓の外を見ると、ものすごい雨音が響き渡っている。
外出てなくて正解といったところか。
「今日これ行けねえな」
「せっかく除霊も終えたし行きたかったんですけどね」
「ま、仕方ねえだろ。午後は旅館で遊んでようぜ。先生も一人はどっかにいるだろうしな」
基本的に班行動だが、先生が一人ずつついて回っている。そこまで放任するわけではなく、何か問題ごとを起こさないようにということ。
初日に問題ごとを起こしたのだが、それはまあいいとして。
「うるさいくらいの雨音だな」
私たちはとりあえず部屋に戻ろう。
旅館は今日と明日は私たちの貸し切りということだ。割り当てられた部屋に入ると、これまた和という感じがする。
浴衣に着替え、男子の部屋に遊びに行くことにしたのだった。
男子の部屋も内装は同じだが、田中たちが散らかしているのか、衣服が散乱していた。
「……きたね」
「……わりぃ」
もうちょいきれいに使おうな。
私はとりあえず椅子に座る。土井がカバンからトランプを取り出していた。なんとまぁ古風なという感じだが、それ以外にやることはなさそうなので、トランプでもやるか。
「なぁ、トランプするならなにか賭けようぜ」
「賭け?」
「負けたやつが勝った奴にジュース奢るとかな」
「お、いいね。俺乗った」
「俺もやるかな」
「みんなやる感じ? じゃ、やろ!」
と、トランプ勝負で飲み物をかけることになったのだった。




