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不良少女はゲームでも喧嘩がお好き  作者: 鳩胸 ぽっぽ
要塞都市ヴェルディア
210/241

退院した日

 犯人が連行されていき、次の日になった。

 次の日は退院する日。私の体に特に異常はなく、ほかのアレルゲンの検査もしたが、蕎麦以外のアレルギーはないとのことだった。

 蕎麦がだめということはそば殻枕もだめらしいので、旅行行く際には気をつけろと言われた。


「お疲れ様です、花音」

「お疲れ!」

「昨日は大変だったみたいですね。お疲れ様です!」


 と、月能、衣織、桃の三人が出迎えてくれた。

 今日は休日なので、二人とも普通に私服だった。私は本当に疲れたといって、三人に合流する。


「殺人犯を返り討ちにするなんてさすがですね!」

「だいたい侑李の考察があってたんだよ。警戒してたらそりゃ負けねえって」

「ですが警察は逮捕術とかそういうの学んできてますよ? 警察だってやわじゃないです」

「まぁ……相手が油断してたってのはあるだろ。寝込みを襲ってきてるわけだし」


 完全に寝ていたと思っていたはずだ。

 なのに起きて反撃してきたからこそ、対処が遅れた。その対処が遅れたことが負けた原因なのだと思う。

 

「ったく、今年に入ってからほんとにろくないことがねえ……。こんなかに疫病神がいんのか?」

「それはあなたでは?」

「いや……。桃、お前が転校してきてからひどくなった気がする。お前、何か仕組んでたりしないか?」

「私ですか!? してないですよ!?」

「じゃあ……。なんであの時の喧嘩の映像があったんだよ」

「あの時……。ああ、あのパーティの時の。いまさら言うんですか?」

「思い出したんだよアレ。あの喧嘩のことを知ってんのは私以外だとその当事者の不良か、お前らか、泣きついてきた桃しかいねえ。なのにそれがわかったかのように映像が残ってんのはやっぱおかしいよな?」


 となると、あれは誰かが仕組んだものとなる。

 仕組んだのはだれか。泣きついてきた桃の可能性がすごく高い。私は桃を睨むと、ため息をついて、白状するといっていた。

 別に今更怒るわけじゃないが、そういう不信感はなくしておきたい。


「えっとですね……。その、頼まれたんです」

「頼まれた?」

「東山という男性から……。その、喧嘩の映像を撮ってきてくれ、と。何に使うかわかんなかったんですけど……。それで、私は花音さんに……」

「喧嘩を仕掛けたということか?」

「いえ、もともとあの不良集団には絡まれて……。襲われそうになって……。それで、どうしようもなかったんですけど、転校する前に東山さんから今の高校に化け物みたいな強さの女の子がいる、その子は不良で喧嘩が得意だから成敗してもらうといい、といわれて……」

「東山が仕組んだのか」


 なるほど。裏で糸を引いていたのは東山か。

 まぁ、東山はあのパーティで喧嘩の映像を使うのに必要だったから仕組んだということだからそこまで疑わなくてもいいだろう。

 多分……。目ん玉失うのまでは予想外だったはずだしな。


「なるほどな……。じゃ、ここ最近の死にかけ事件はお前のせいじゃねえな……」

「ご、ごめんなさい。黙ってて……。なんていうか、利用した感じがして嫌だったので……」

「気にすんなよ。東山の魂胆はすべてわかってたし、はっきりさせておきたかっただけだ。それよりよ……」

「はい?」

「衣織、どこだ?」

「……あれぇ?」


 辺りを見渡すと衣織がいない。

 話し込んでいて気付かなかった。衣織の反応がないということ。私たちはあたりを見渡すが、衣織がいない。

 人混みの中にいるとしても……。


「どっかに気をとられてはぐれやがったあいつ!」

「とりあえず、連絡送りますね! 目印となる場所で待っておきましょう!」

「あの子……世話が焼けますね」


 衣織くんさぁ……。








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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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