みんなで探そう
古代兵器捜索のため、私とアルテミスは本を読みこんでいた。
少しでも情報が欲しいというので、私とアルテミスは情報になりえそうなものを抜粋していく。ピーチはワグマさんたちを案内してきますといい、図書館から出て行ったのだった。
「アルテミスは絵本かそれ」
「そうさ。こういう絵本にもヒントはあるかもしれないと思ってね。チープな絵柄だが、内容はとても面白い」
「内容ねぇ……。でも絵本じゃ何も得られないだろ。子供のために安直で暗い話題なんかほとんどでなさそうだぜ」
「そうでもないさ。ほら、日本では擬人化という文化があるように、古代兵器が人にたとえられ、活躍を描いた……というのもなくはない」
「あー」
古代兵器を人にたとえて物語を進ませるか。
それは考えていなかった。
「だが、収穫は今のところないよ。絵本の内容を見て考察していれど、歴史に沿うような物語は今のところはない。ゼーレ君は?」
「私も。古代兵器に関する記述はあれど、どこに隠したとかは書かれてないな」
「いっそ暗号があれば解くだけでいいのだけれどねぇ」
私たちが本を読みふけっていると、背後からワグマの声が聞こえてくる。
ワグマはなにをしてるんですかと聞いてきた。私は古代兵器のことを説明してみると、ワグマも興味津々なのか、私も手伝いますと積んである本から一部を持ってくる。
オイリは微妙な顔をしているが、オイリ以外は古代兵器が気になるのか、手伝うといって本を開いたのだった。
「古代兵器ってどんなんなんだ?」
「わかっている情報ははるか昔の戦争時代に使われたものだということ、戦争相手の隣国の王が古代兵器とは戦いたくなかったということだね」
「ふぅん……」
「ですがこの街も不思議ですよね?」
「なにがぁ?」
「そうね……。こんな要塞、昔の人がよく建てたと思うわ。バカでかい壁……。上に行くにつれて……」
「風などがあるし、強度がないと無理だろうねェ。それに、今ならばまだしも昔の技術で高所まで建設できているというのは疑問があるね」
「もしかして古代兵器を使って建てられた?」
「かもしれませんね」
私たちは本を読み進めていると。
「あー、俺、本じゃなくてちょっと聞き込みで情報増やしてくるっすよ。本だけじゃないと思うんで」
「わ、私もー……。本読みたくなーい……」
「わかりました。そうですね、では、わらべ歌などを調べてきてください」
「民謡でもいいよ」
「なぜっすか?」
「そういうわらべ歌は人々の口から伝わるからな。そういった歌で過去のことを引き継いでいくというのも文化としてあるんだよ」
「へぇー」
わらべ歌などもわかれば情報が少しは増えるかもしれない。
モンキッキとオイリは人々に聞き込みに向かった。モンキッキはともかく、オイリは本を読みたくないからって言って抜け出したわけだが。
「封印されてるなら場所とかはこういうのには載ってないかもしれませんねー」
「それか、ここを治める町長の屋敷とかにある、とかかもな」
「ですが、町長が古代兵器を調べる人間をよしとするでしょうか」
「するんじゃないですかぁ?」
「そうでもないわ。もし町長が古代兵器を知っているのならば……少なくとも見つけてほしくはないはずよね」
「となると、町長をあたってみるというのもアリ、なのかな」
「では町長は誰かに任せるよ。私はまだ情報収集をしていよう」
町長か。
「私が行くか。ミナヅキとハーレーとワグマ、一緒にいこうぜ」
「四人でですか?」
「一人でもいいけどな。顔がいいやつ連れてきゃ惚れて話すかもしれねえだろ」
「げすい……」
放してもらうというのは大事だからな。
「んじゃ、いくか」
町長のところへ。