クライノートメンバー四連戦 三戦目
三戦目の相手はミナヅキ、ハーレーペア。
コンビネーションなどはお互いのことを知ってるということもありあるほうだろう。注意すべきなのはハーレーではなくミナヅキだ。
遠距離攻撃でちくちくされたらたまらないしな。
「さて、三戦目ともなると私の疲労もたまってくるわけだが……」
私は二人を見据える。
強くなっている気がする。なんとなくオーラが違う気がした。私はとりあえず開戦の合図を待つことにした。
そして、開戦の時がやってくる。
「まずはこっちだ!」
私はとりあえずミナヅキを狙った。
ミナヅキは冷静に矢を放ってくる。私は矢を受け止め、投げ捨てる。そして、まずは一撃を加えようとしたところで、ハーレーの槍が横から飛んでくる。
私はさすがに受け止められず、ブレーキをかけて止まった。
「いいねぇ、ナイスコンビネーション」
「……ゼーレも本気で来なよ。本気のほうがまだ安心できる」
「……本気をお望みか。いいだろう。本気出してやる」
少しばかり集中するか。
私は精神を統一し、二人を見据えたのだった。
☆ ★ ☆ ★
ゼーレをあおったはいいが、本気のゼーレは俺たちも実力は知らない。
普段、どこかセーブして戦っているような節があった。だからこそ、本気というのはわからないが、ちらりとワグマの表情を見ると少し焦ったような顔をしている。
俺は再びゼーレに視線を戻すと、ゼーレは。
「ふひっ、ふはははっ」
と、笑って。
一瞬だった。すぐに俺のほうに距離を詰めてきて、殴り掛かってくる。俺は間一髪で避けたが、そのものすごい素早い攻撃に驚きしりもちをつく。
「待てよ、俺ら本気のゼーレ相手取れんのか!?」
「予想外だった……。でも、やるしかない」
「ちっく……」
立ち上がろうとしたとき、俺の目の前に足が飛んできていた。
俺はガードする態勢をとり、蹴り飛ばされる。壁に激突し、ダメージがものすごく入った。即死でないにせよ、攻撃力が高いゼーレと、そのずば抜けた戦闘センスは本気でヤバイ。
これ、勝てねえな。と、心の中で悟っていた。パワーが違いすぎる。
「なに本気にさせてるんですか! 本気じゃなくても苦戦しますのに!」
「わりぃ……。俺ら、ここまでとは思ってなかった」
「あれは勝てませんよ……」
ワグマも勝てないと踏んでいるようだった。
すると、再び俺のほうに今度は拳が飛んできていた。俺は間一髪で躱す。俺は槍をつかみ、攻撃をしようとすると、槍を手でつかまれ、槍が動かせない。
なんちゅう力……。力のステータスが相当高いのか……!
「クソ、まじで後悔した!」
「そのまま抑えてて、ハーレー!」
「うぐぉ……無茶言いやがって……!」
ミナヅキは矢を放つ。
だがしかし、矢は閃光のような速さで放たれたにも関わらず、片手で矢を見ずに受け止めていた。化け物かよ……! なんでそんな芸当ができるんだ。
ゼーレの本気半端ねえ……!
「マジのバケモンじゃん……」
「マジのゼーレ見てると本当に強くなったのかわかんねー……。これマジで人間かよ」
もう、無理だろこれ。
俺はあきらめずに槍を握るが、すぐに懐に潜り込んできたゼーレにアッパーでキルされてしまったのだった。
瞬殺。何もできなかった。
「さすがに悔しいかも……!」