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ルナ

「おめでとうございます! ランクがAに昇格になりました!」


 冒険者ギルドに翌日達成報告に行った。

 やっとAになったのでワグマに連絡を入れてカイゼルに乗り向かおうと表に出ると、カイゼルの手綱を握っているプレイヤーの姿。

 カイゼルはそのプレイヤーを蹴飛ばしていた。


「くそ、何すんだコイツ……! 大人しく俺のものに……!」

「よぅ。私のに何してんだテメェ」

「あぁ? んだてめえ!」


 と剣を手にしている男。


「足枷つけてやがる! ぷっ、そんなんで戦えるのかよ!」

「…………」

「まぁいいや。テメェを殺してその馬をもらってくぜ?」

「いや、テイムしてるから呼び戻せるが。バカじゃねえの」

「…………ちっ」


 テイムしていると告げると、唾を吐き捨てて去っていった。

 カイゼルを盗もうとしたんだな。バカなやつ。


「カイゼル、私は乗せてくれるよな」

「ぶるるん」

「おし、じゃ、いこうか」


 カイゼルは私を乗せて空を飛ぶ。

 空を飛んでいると、隣に何か白い鱗を持つ龍がやってきた。

 その龍は私を見てくる。


「グギャオオオオ!」


 龍は吠えた。

 私はその龍を思い出した。たしか三日月龍……。私に三日月龍の加護をくれた龍だ。

 

「三日月龍……」

「ギャオ」


《三日月龍が仲間になりたいようです》

《テイムしますか?》


 ん?


「え、仲間になりたいの?」

「ギャウ!」

「じゃあ……まぁ、する。するけど……」

「ギャオーーー!」


 物凄く嬉しそうに吠えたのだった。

 三日月龍はカイゼルの下につくと、背中にカイゼルごと乗せる。カイゼルも龍には抵抗できないのか、じっとしていた。

 龍は私たちを乗せて空を飛ぶ。


「やべえ、いきなり龍が仲間になりやがった」


 これワグマ驚くよな。

 と思いながらも私は龍の背に跨り飛んでいく。そして、目的の天貫山の上につくと、ワグマが出迎えてくれたのだが。


「……あの、ゼーレ」

「なんだ?」

「龍の背中になぜ?」

「さっき仲間になった」

「…………」


 言葉を失っていた。

 三日月龍は嬉しそうにギャウギャウ言っており、私の顔をベロンとでかい舌で舐める。

 いや、なんなんだろうな。


「ありがとよ。この先はお前目立つからまた呼ぶから。あーと、三日月龍……じゃなくて」


 名付けしてねえな。


「ルナ」

「ギャウ!」


 と、三日月龍は飛んでいったのだった。

 

「なぜテイム出来たんですか?」

「知らねえ……。なんか条件満たしたんじゃねえの」

「かもしれませんね……。まぁ、いいでしょう。そのままダンジョンに行きましょうか。みなさん待ってますから」

「何人行くんだよ」

「私とゼーレ、ハーレーにミナヅキ、オイリですね。その五人です。あまり人数が多くても窮屈だと思うので」

「そうだな」


 私はカイゼルに跨った。


「乗せてもらいたいんですけどね」

「無理」

「私もテイムしましょうか……」


 ワグマは少し残念そうにしていた。










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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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