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墓地にて

 私は王都にある拠点に一度戻ってきた。

 カイゼルを拠点の前で繋いでおき、私はとりあえず冒険者ギルドに向かう。

 ランクアップするためにはあといくつクエストを消化する必要があるんだろうか。


「ゼーレ様……。はい。あと2つでAランク昇格となります」

「2つか」


 私は2つ、クエストをクリアする必要があるそうだ。

 私は適当にクエストを見繕おうと掲示板の前に立っていると、私の隣にボサボサ髪の男が立つ。

 私は何かぼやいている男を気にせず依頼を手に取ろうとすると、その男も同じ依頼に目をつけたのか、私と男の手が重なる。


「君もこのクエストしたいのぉ〜? 困るなぁ〜。これが一番簡単そうなのに」

「簡単そうだからやるんだろ」

「はあ〜あ……。ねぇ、譲ってくれないかなぁ? 僕、楽なのを持ってかないと怒られるんだよねぇ」

「いや、あんたの事情は知らねえし」

「そこをなんとか! 頼むよぉ」

「……ちっ」


 私は男に依頼をやった。

 しょうがねえ。別のにするか。私は近くにあった夜中のアンデッド探検!と書かれた依頼を手に取る。

 内容は王都西郊外にある墓地に出現しているゾンビを倒して欲しいということだった。


「しょうがねぇな」


 私はとりあえず夜まで適当なクエストをこなしておこう。

 




 夜になった。

 私は墓地の方にいくとランタンを手にした老人の男性が待っていた。


「おお、依頼を受けてくれた冒険者じゃな!」

「うっす」

「困っておったのじゃよ。物凄く強いアンデッドのモンスターが湧いてのぅ。あそこの墓の前に立っておるじゃろ?」


 と、墓の前に剣を手にして鎧を着ている骸骨が立っていた。

 あの鎧はそんじょそこらに売ってるようなものではなく、何だか特別なものに見える。


「よし、じゃ、倒してきます」

「頼んだぞい!」


 私はその鎧を着た骸骨に向かっていく。

 黄金武装で足を武装して鉄球をぶつけようとすると、こちらに気づいた骸骨が剣で鉄球を受け止める。


『この俺様に対して何をする!』

「討伐しにきたんだよ。お前を」

『ほう? ならばこの首……と、貴様から不思議な力を感じる。何処か安らぐような力……』

「あ?」


 あー。もしかして黄泉の力、か?


『貴様と戦うのは避けた方がよさそうだ。わかった。貴様の要求を飲む。だから戦うのだけはやめてくれ』

「あー、じゃあこっから出てってくれよ。墓守の人も困ってるからさ」

『むぅ……。それもできん相談なのだ。私はこの地に縛られている。出ていくのは……』

「あー、そうか」


 地縛霊というやつか。


「ならば、この墓地を一緒に守らんかの」

「墓守の爺さん」

「ほっほっほっ。最近、墓荒らしも多くての。お前がここにでるまで荒らされておった。その墓荒らしから一緒に守るのはどうじゃ?」

『それならば承知した。感謝する』

「ほっほっほっ。話してみるもんじゃの。魔物はこういうやつもおるのじゃな」

『……ああ。魔物は必ずしも人間に敵意を向けるわけではない』


 骸骨は剣を置く。


『改めて、アーマードボーンだ。よろしく頼む、墓守殿』

「ほっほっほ。よろしくのぅ。お前さんもありがとう。冒険者ギルドには達成したと言っておくからのぅ」

「わかったっす。あざっした」


 と、意外と早く終わってしまった。

 私は帰ろうとすると、昼間見た男がなにか大男を連れて墓の後ろの森から出てきたのだった。


「もぉ〜、疲れたぁ〜! 簡単そうなの選んだのになぁ〜!」

「簡単に終わるクエストはないっての」

「火竜を呼べばよかったんじゃ?」

「そう簡単に呼んでたら俺が成長できねえ」


 と、会話していた。

 火竜……。どっかで。


「火竜……?」

「お?」

「あ、ども」

「昼間の! いやぁ、悪かったね〜。今からでもクエストあげよっか?」

「いらん。それよりさっき火竜とか言ってなかったか?」

「ん? ああ。仲間にしてんだ俺」

「あー、あいつら言ってたな。お前Sky Rimのリーダーだろ」


 そういうと、なぜそれをと驚いた顔をしていた。


「えーと、菅原と本田いるだろ? あれ私のメンバー」

「……君が彼らの。ということは、蒼眼の死神か」

「正解。へぇ。リーダーね。たしかに顔は整ってるな」


 顔がいい。

 アイドルをやるだけあるな。いや、ミナヅキたちもそうなんだけど。


「それで、俺に何のようだよ」

「いや、ただ声をかけただけ。悪かったな」

「そうか。まぁ、あいつらによろしくな。あいつら、俺と一緒にゲームしたくねえみたいだからふざけんなって言っておいてくれ」

「覚えてたら言っておく」


 これがアイツらのリーダーねぇ。







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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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