ワグマたちは
四人はついてきたはいいが。
「テイムできない、だと……?」
「え、うそ」
テイムできないらしい。
ピーチは私は簡単にできたのにと言いつつ、ペガサスを連れてこようとするが、拒否反応を起こしていた。
「うん……。俺にペガサスは似合わないっす……」
「ちっ……」
「何が条件があるんだろうねェ。とあるスキルが必要かもしれない」
テイムが出来なかったらしく、少し落ち込んでいたが。
「私出来たぁ」
「…………なんとなく思ったんだが、もしかして、女であるということが重要なのだろうか」
「私、女だろ? アルテミス、女。キャツラ、女。ピーチ、女……」
「このエロウマ……」
いやいや。流石にそれはない。
となると、男しか乗せない馬もどこかにいるはずなんだが。いや、流石にそれはないよな?
でもたしかに男嫌いの動物とかはいそうではあるが。
「まぁいい。俺らは一旦ログアウトする。これから収録あるからな」
「俺っちたちはまだまだ情報を集めておくっす!」
「そうか。わかった。あ、そうだ。最後に教えてくれ。ワグマたちはどこにいる?」
「なんやらあの崖の方で見たっすよ」
と、言い残し行ってしまった。
崖……。あそこか。この山にはさらに上があるらしく、まだ山が伸びている。
あそこは一番宇宙に近い場所とも呼ばれているらしい。
「行ってみるか。何か見つけたのかもしれん」
空を飛び、あの崖の方まで向かう。
すると、そこには洞窟があった。洞窟の前で、ワグマ、デイズ、ラプラス、オイリが何やら話し込んでいる。
まだこちらに気づいてないようだ。すると、オイリが上を向いた。その瞬間、こちらを見ている。
「うおーーー! ゼーレぇえええ!」
「?? オイリ、ゼーレがきたんですか? 一体どこに……」
「う、上です!」
「……ちっ、アルテミスもいるわ」
ようやく気づいたようだ。
私は地面に降りる。
「やぁやぁ、ペガサスに乗って華麗に登場だよ」
「すごい。こんなのいるんですね……」
「いかにもファンタジーって感じ! ねえねえ、乗らせて!」
「私のならいいですよ」
「乗るー!」
「ピーチク、何度も背中に乗り降りしてごめんね」
オイリはペガサスに跨った。
「うおー! かっくいー!!!」
「……私も。ゼーレ」
「いやぁ、この馬な、私以外乗せねえんだわ」
「私も同じくだよ。馬にもプライドがあるんだろうねェ」
「そうですか……」
と、残念そうにしていた。
まぁ、テイムすればいいだろうに。
「それで、何してたんだよ」
「いえ。この洞窟……ダンジョンみたいなんですよね」
「ダンジョン?」
「はい。ですが、私たちの冒険者ランクじゃ基準を満たしておらず……。Aランク以上が一人いないと無理だそうで。ゼーレってたしかAでしたよね?」
「いや、Bだぞ」
「そうでしたか? なら入れませんね……」
「最近冒険者ギルドの依頼こなしてねえからな。上がるわけねえ」
いろいろついていったりしてるからだろうけどな。
「なら私、一回山を降りて冒険者ランクをAにしてこようか?」
「頼めますか?」
「まかせろ」
ということで、私は一度下山。




