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冬休みの予定は?

 二人もログインしたことだし、レベル上げ……と行きたいところだけれど、私たちは冒険者ランクをまずあげることにした。

 冒険者ギルドに行き、適当な依頼を受ける。


「ったく、草むしりなんてめんどくせえ……」

「いいじゃないですか。これで一個またランクアップに近づくんですし」

「喧嘩させろよ」

「今日みたいに遅刻するから駄目です」


 それを出されると言葉に困る。

 私はひたすらに教会の庭の草むしりをしていた。ぶちっ、ぶちっと草を引っこ抜く。ただ、話さずにいるのもそれはそれでつまらないので、私たちは話しながら草むしりをしていた。


「それで、二人は冬休みに何か予定でもあるんですか?」

「特にねえよ。うちの親、高校卒業まで戻ってこねえし」

「え、今日戻るとか言ってませんでした?」

「その予定だったんだけどよ、あっちが気に入ったからしばらくあっちで過ごすんだと。娘を置いてバカじゃねえのって思ったわ」

「ゼーレの親って変わってるもんねー」


 オイリがそう笑うが、否定できないのがつらいところだ。


「まぁ、生活費とかはあっちから振り込んでくれるっていうしよ、金には困らねえけど……あんのバカ親まじで帰ってきたら〆てやろうか」

「怖いですね。オイリは?」

「私もなんもないよ? 彼氏もいないしー、家でただのんびりゲームするだけかなー」

「予定聞いてなんかあんのかよ」

「いえ、予定がないなら私の別荘で年を越しませんかという提案を」

「別荘?」


 聞くと、北海道に別荘を持っているらしい。雪が降る地域で、年末はいつもそっちに行って年を越すのだという。

 私たちも暇なら旅費はワグマが持ち、行かないかという誘い。


「特になんもねえし私はいいぞ」

「私もいいよん! お泊りセット準備しなきゃね!」

「わかりました。では、そういう予定で。出発は24日のクリスマスです」

「わかった。ってかあと一週間後か」

「ソロクリスマスにならなくて安心だねぇ」


 冬休みの予定が埋まったな。

 そう話していると草むしりが終わる。草一つもない綺麗な庭が目の前に広がっている。


「っし、綺麗になったな」

「三人でやると早いですね。報告しましょう」


 私は教会の人に報告し、依頼達成扱いになったのだった。これであと8個くらい依頼をクリアすれば昇格となる。

 この調子でどんどん上げていってダンジョンとかにも挑みたいものだ。


「……あ、そうだ。みなさん、スキルそんなないですよね?」

「ん? ああ、そうだな。スキルはそこまでないな」


 スキルっつーか、私は三日月の加護しかもっていない。スキルなんて呼べるものはなく、私は己の拳で戦うしかない。

 

「私、今お金が3000グランくらいありますし、スキルを買いたいんですよ」

「ああ、そういや買えるな」

「魔法も増やしたいですから。なので今から買いに行きませんか?」

「おっけー!」

「わかった」


 たしかに戦力を増やすというのは大事なことだ。私も有用なスキルがあれば買いたいものだが……。私が望むのは物理攻撃の威力上昇、それだけ。

 下手なスキルは正直いらねえ。絡め手とか使うより、真正面から堂々と殴り合いになったほうがおもしれえし、それに、パワーでごり押せば割と何とかなるからな。


「じゃ、スキル販売店へ……」

「の前に冒険者ギルド寄って素材とか売らせてくれ」

「わかりました」


 私は素材を売らないと金がねえ。










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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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