冬将軍
私たちは奥地へと進んでいく。
すると、そこにはデカい雪だるまがいた。雪だるまは戦国武将のような甲冑を見に纏っており、ギラリとこちらを睨むと、地面から氷の刀を引っこ抜いた。
「なんだこいつ」
「ふむ、姿形から考察するに……冬将軍だろう」
「今春なんですけどねー」
「時期違いだ!」
悠長にそんな会話していると、氷の刀を振り下ろしてきた。
私は鉄球をぶつけて氷を砕く。だがしかし、すぐに氷の刀は再生し、再び切り掛かってきたのだった。
氷の刃はなんつーか、相当厄介だな。復活速度も早いし隙をみて攻撃を叩っこむしかねえな。
とりあえず、黄金武装をかけてトゲトゲ武装もついでに。右足だけを竜に変化させておき、鬼神スキルも発動して私はそのまま攻撃に移る。そもそも防御なんて言葉は私にはないしな。
私めがけて放たれる攻撃。
それはアルテミスたちが対処してくれている。
「ふむ、援護だけは任せておくれよ。爆弾なら調合分も含めてたくさん持ってきているからね」
「私も! 攻撃受けるよ!」
と、オイリが馬鹿でかい盾を構えて攻撃を受けていた。
「えーと、私は何を?」
「ゼーレに攻撃を与えないように! メイン火力だからね!」
「わ、わかりました! では、えーと、武器はこれでいきますね!」
と、取り出したのは歩兵銃。
あるの?この世界に。
「これは魔導銃っていいまして、魔力で放つんですね。とりあえず、私は狙撃に徹します」
ピーチは座って銃を構える。
頼もしい。私は防御なんて考えず冬将軍のところに突っ込んでいく。
股下辺りまでついた。私は思いっきり地面を蹴り、そのまま顔面に鉄球をプレゼントしてやったのだった。
冬将軍の顔面が割れ、中に入っていた石のようなものも割れて、そのまま地面に倒れたのだった。
「い、一撃?」
「ね? すごいでしょ?」
「い、今の敵ものすごく体力ありそうでしたけど」
「だからメイン火力なのさ。まぁ、本人の戦闘センスもずば抜けて高いからサポートがいるかはわからないけれどね。まぁ、これで脅威も去ったことだし、ゆっくりと、シラシカバを採取しようか」
私たちは斧を取り出す。
斧を振り、木からドロップする木材を回収していくのだった。
たしか数は50。まぁ、入りきるだろう。
「シラシカバの実もたまに落ちてくるようだねェ。おや、すまない。斧が壊れてしまったようだ。私はこういうときの運がまるでなくてねェ。一個も手に入らなかった」
嘘だろ。
すると、今度はオイリが斧が壊れたと言った。
「数は29! まぁまぁいいほーだよね?」
「あ、私も壊れちゃいました! 11個しか取れませんでした〜」
あと10か。余裕だな。
私はたしか9個だからあと1個。私は斧を振るうと斧が壊れてしまう。そして、シラシカバの実がドロップ。
「ゼーレ、何個ー?」
「……9」
「えーと、私が11、オイリさんが29だから……1個だけ絶妙に足りませんね」
「はーっはっは! 面白いねえ! また斧を調達してこなくては!」
「クソ、なんでこういう時に1足りなくなるんだよ……」
シラシカバの実が落ちすぎだろ。
私たちは急いで村に戻り、斧を購入して、たったひとつのためにシラシカバを切り続けたのだった。
なぜか、4時間かかった。
時間かかりすぎ?
自分もとあるゲームですぐドロップするものが出なくて4時間かかったしありえるありえる