シラシカバの木材の調達
数時間が立って、やっと私たちはシラシカバの木材があるドゥメル辺境伯のところに来たのだった。
雪が降っており、膝くらいまで雪が積もっている。北海道以来だなこんな積雪。だがしかし、南のほうはあったかかったのにここは雪が降っているほど寒いとは……。気候が違うのだろうか。
「とりあえず、斧とか買って木をなぎ倒してとろうぜ」
「そーだね! よーし、とりかかろー!」
ということで、私たちは人数分の斧を購入しようとすると。
「お嬢さんがた、森で木を採るつもりなのかい?」
「そうっすけど……」
「なら、今はやめておいたほうがいいわ。この森には恐ろしい魔物がいるの」
「恐ろしい魔物?」
「この村でも問題になってるの。森に入ると二度と帰ってこれない。森に強い魔物が住み着いちゃって、入るには入れないの」
「そうなんすか」
この材料集めでもやっぱそういうバトルはあるか。キングモスだけではなかったのだな。
「なら、私たちが倒しますよ!」
「あんたら、戦えるのかい?」
「そりゃ戦えますって! じゃー、森いこ森!」
ということで、私たちはその魔物もついでに討伐する流れとなった。
別に討伐しなくてもよさそうだが、木を採っているときに邪魔されたら困るしな。すると、ピーチが雑貨屋いってポーションを買いたいと言い出した。
「ポーションなら私が即席で作れるさ。なに、準備はそこまでいらないだろう。こちらにはゼーレ君がいる」
「ですが……。その、前のこともあるのでっ……」
「この世界はゲームだよ。目を失うとかそういうことはないさ。気軽にやるべきだよ」
「……そうですね」
不安視しているピーチ。
私たちは森の中に入っていく。森にも雪が積もっているが、今日はそこまで降らなかったのか、だれか入っていったであろう足跡が残されてあった。
その足跡は奥に続いている。
「ガフッ……」
「おや、だれか息遣いが荒いねェ」
「誰か疲れてるんですか?」
「私は全然だけど」
「お前ら……」
私は後ろを振り向いて、そのまま鉄球でぶん殴る。
後ろには馬鹿でかい熊がいたのだった。
「馬鹿じゃねえの!? 魔物いただろうがよ!」
「おや、気づかなかった。いつの間に背後をとられていたのかな」
「でも一発で倒しましたね!」
「これがおばさんがいってた恐ろしい魔物かな」
「いや、こんな弱いのが恐ろしい魔物じゃねえだろ」
それに、まだ奥に何かがいるという直感が働いている。それも、ものすごい強いやつ。さっきの熊は普通に襲い掛かってこようとした魔物。
「なんだか冷や汗が出てきたよ。ものすごく強そうな敵の気配がするねェ」
「いや、うーん。そうかな。その強さの気配ならゼーレのほうがよっぽど大きい気がするけど」
「あの熊を一撃というくらいですから、ゼーレさんのほうが強いんじゃないかって思っちゃいますね」
「私より強いかは戦ってみないとわからねえよ。そろそろお前らも戦闘準備だけはしておけ。私はかばって戦うほど器用じゃねえからな」
「おっけー!」
さぁ、恐ろしい魔物とご対面だ。