爬虫類
数分が経過したあと、Xたちは戻ってきたのだった。
Xたちはマグマの様子を見て、どういうことだと頭を?にしている。
「よぅ」
「……んだこれ。マグマがなんで固まってんだよ」
「まぁいろいろあって」
偶然にも条件を満たして種族が変わったのが偉い。
「……アバター変えたのか?」
「いや、変えてねえけど」
「ものすごく鱗がびっしり生えてるっす」
「嘘」
私は自分の腕を見てみる。
竜の鱗のように、びっしりと黒い鱗が生えていた。私は自分の顔を確認するために鏡を取り出すと、目は蛇のような目になっており、肌色の鱗が顔にも生えている。
まるでそれは人間ではなく、爬虫類のような見た目に……。
「まじでこうなってんの!? なんで!?」
「それは私たちが聞きたいのだが」
「ふむ、考えうるとしたら種族が変わった……。竜に進化したのであろう」
「へぇ……。進化するとこうなるのかよ」
「以前、竜について調べていたらこのような文が書かれてあった。特定の条件を満たせば竜人は龍になる、と。信憑性がなく、そういった報告も見てこなかったので迷信だと思っていた」
「迷信じゃねえことが証明されちまったわけだ」
そういったものがあったのか。
そうじゃねえ。これワグマに説明しないとだめだよな。ワグマ、爬虫類大丈夫か? ドラゴンとかいかにもファンタジックなものは大丈夫だろうが……。蛇とかトカゲとか嫌いな女性ってたくさんいるからな。
「見た目すっげえ爬虫類じゃん……」
「そうだな。トカゲみたいだ」
「龍なんだけどね……」
たしかにドラゴンってトカゲがでかくなったバージョンを想像する人もいそうだけどよ。
「その話はあとにしろ。用事も済ませたし、またいつ噴火が起きるかわからんからな。それに、火山弾はまだ降り注いでいるからここでちんたらしてられないだろう」
「わかった。その前に、ゼーレ。ひとつやるよ」
と、投げて渡してきたのは黒い石だった。
「それは黒曜石。武器や防具に使える。結構たくさんあったからな。黒曜ゴーレムも倒してくれたから差し上げよう」
「ありがとさん。別に報酬とかなくてよかったんだぞ? 私がついていきたかったからついていったわけだし」
「働いたものには正当なる報酬を。司令官として報酬なしというのは認められん」
「まだ司令官貫いてんのかよ……。まぁ、じゃあありがたくもらっておく」
この黒曜石でワグマかオイリの武器とかでも作って上げれたらよいのだが。
「では、下山しよう。帰り道、火山弾には注意だ」
とりあえずロッポウ火山にもう用はない。
火山を下山し、王都に帰ろうとすると。なにやら馬車のようなものが私の前に停まる。すると、中からミナヅキとハーレーが下りてきたのだった。
「お前ら、帰ってきたの?」
「ああ。まぁ、港町も十分堪能できたからな。それより……。見ないうちにすげえ見た目変わったな」
「トカゲみたいだね」
「トカゲ……。龍なんだけどな。まぁいい。お前らだけか?」
「いや、中にモンキッキたちとラプラス、デイズもいる。みんな仲良く王都に帰っているところさ」
「おー、そうか。じゃあ私も乗せてけ。私も今から拠点に戻るところだ」
「わかった。ただ、あと一人しか無理なんだ。だから……」
「悪いなXたち。私はこれに乗って帰るからよ」
「うっす。あざっした!」
「今日はありがとうな」
「また、ともにプレイしよう」
そういって、私は馬車に乗り込んだのだった。デイズは。
「ししょー! すっごいかっくいー!」
「ええ!? なんすかそれ!? なんでそんな見た目になってんすか!?」
「リザードマンね……」
「龍なんだけど」
みんなトカゲっていう。