vs黒曜ゴーレム
ぐつぐつと煮えたぎるマグマ。落ちたらひとたまりもなさそうだ。
ロッポウ火山にやってきた。火山というだけあり、火山灰が降り注いでおり、溶岩が山頂から垂れ流しになっている。
「ここの溶岩は冷めないといわれている。この大地の温度がそもそも岩をも溶かす温度だそうだ」
「私たちよく立てるよな」
「ここはゲームだから仕方ないっす。それより、この先に洞窟があって、そこに仁王立ちのように立ってるんすよ」
「ゴーレムだから主人の命令をひたすら聞いているだけだろう。我々が恐れるほどではない」
「ただ気を付けるべきなのは……」
私は火山の山頂を見る。
「大規模な噴火が来たら私たちは逃げられないぞ」
「そこは祈るしかあるまい! では、行くぞ!」
「おう!」
と、私たちは洞窟を見つけたのだった。洞窟の前にはたしかに黒い格好のでかいゴーレムが仁王立ちで立っている。それは洞窟を守るかのように。
棒立ちで、ただただひたすら立っていた。あれがゴーレム、か。ずいぶんと黒ずんだゴーレムだな。
「あれか」
「あれである」
ちょっと想像していたよりでけえな。
だがしかし、臆している自分はいない。でかいやつだって、大きいやつだってそんな大して変わりはせんだろう。
私はバトルモードに移行し、黄金武装とトゲトゲ武装、竜変化と鬼神スキルを全部発動して、とりあえず初手で大きな一撃を加えることにした。
「先手必勝! 食らいやがれってんだボケがァ!」
ゴーレムの顔をぶん殴る。
ゴーレムは一度地面に倒れた。だがしかし、むくっと起き上がり、私の腕をつかもうとしてきた。私はもう一発食らわせようとすると、ゴーレムは作戦を変えたのか、私を突き飛ばし、マグマの中に落としてきたのだった。
「うわ、すっげえダメージ食らうなマグマ……。なかなかタフな野郎だぞこいつ。だがしかし、結構なダメージは与えてる」
私は急いでマグマから出た。
吹き飛ばされた分と、マグマに入っていた分でもうほとんど瀕死だった。鬼神スキルが発動していてこの程度で済んだのは幸運でよいのかは知らないが。
「はぁ!」
と、ユズリハが居合切り。
ゴーレムには大したダメージなっていない。ユズリハは技術で戦う感じがするから防御が高いゴーレムを相手取るのは苦手だろうな。
そして、今度はでかいハンマーをXが振り下ろす。
「どうだぁ! さすがにハンマーの衝撃はいてえだろ!」
ゴーレムは膝をつく。が、すぐにそのこぶしを握り締め、Xを殴り飛ばす。
「くそ、まだ動けんのかよ!」
「もう一撃やるしかないだろう! はぁあああああ!」
「みんなやる気だなおい。私もやるけどよ」
私は鉄球を思いきりぶつけた。
その瞬間、ゴーレムは吹き飛ばされ、火山にたたきつけられる。そして、そのまま地面に倒れ伏して消えて行ったのだった。
やっぱ私の攻撃力は化け物だな……。
「よし、邪魔はいなくなったぜ! あとは奥にあるものを……」
と、突然地鳴りがする。
そしてその瞬間、轟音が響いたのだった。
「あ、火山が……」
「総員、退避! 火山が噴火した!」
と、溶岩が上のほうからどんどんと流れてきていたのだった。