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フコククラン

 二人を家まで送り届け、私も最後に家の前で降ろしてもらった。

 家の中に入り、私はそのまま部屋に向かう。そして、そのままログインしたのだった。


 街の門の前で私は目が覚める。

 グリズリーを討伐したおかげで結構レベルがあがった。あのグリズリーは結構高レベルだったようで、一気に8レベル上がり、今現在レベル18。


「さて、素材を売って今度は武器でも買うか」


 私は武器がない。

 拳一つで戦うというのは出来るが、メリケンサックのようなものがあってもいいはず。私はそのまま武器屋へ向かおうとすると、きゃっという声が聞こえる。

 誰かにぶつかったようだ。


「わり」

「い、いえ。私も前を見てませんでしたから……」


 私は謝り道を退く。

 すると、その女の子は私の顔をまじまじと見てくる。


「んだよ」

「あ、あのー」


 と、なにか言いたげに声を出しているが、なかなか言い出しそうにない。


「……よしっ、あの、武器をお探しではないでひょうかっ! 噛んだっ!」

「ん? よくわかったな」

「武闘家の装備を着て、武器を何も持っていないようでしたのでもしかしたらと思い……。あの、武器を私が作ってもよいでひょうかっ!」

「ん、まぁ、いいけど」

「やったぁ! じゃあ私のクランの拠点にお越しください!」


 といって、私の手を引き、クランの場所に案内されたのだった。

 工房エリアにあるクランで、名前はフコククランというらしい。武器や防具を作る生産職のギルド。割と大手らしく、人数も結構いるようだ。

 その中で、一番の下っ端のハツネという女性。武器を作りたいらしい。お客さん第一号として私ということだ。


「お、ハツネついに客を捕まえてきたな?」

「はいっ!」


 と、声をかけてきた女が私のほうをちらっと見ると顔を青ざめさせた。


「え、お前マジでこの人連れてきたの? 怖くなかったの?」

「いい人でしたけど……」

「バカ、この人伝説の蒼眼の死神って呼ばれる不良じゃねえか!」


 知られてる。こいつとはどこかであったか?


「知ってんのかよ私を」

「昔、私の友人が喧嘩を挑んで心折られて不良をやめたっていうことを聞いて調べたんだよ。あんた……伝説の不良だろ? なんでゲームなんかに……」

「もう不良じゃねえし。友達に誘われたんだよ。武器作るんなら作ってほしいんだが」

「あ、はい! えっと、武闘家なら……爪、グローブが装備出来ますが……」

「グローブでいい。一番いいのを頼む」

「は、はい!」


 と、ハツネという女は武器作成を始めた。

 その隣では嘘というようにさっきの女が私を見ている。


「ってかテメェ誰だよ」

「あ、私はメグリ……じゃなくて、マジで? 話す奴全員脅していたって聞いたんだが……」

「脅してねえよ。あっちが勝手にビビってるだけだ」

「でも、あのビビりのハツネがあんたにビビってないことが異常なんだぜ!? あんた、マジで不良やめたのか?」

「やめたっつーか、やれねえからやめた」


 私は出来上がるまでメグリと話していようかと思い、椅子に深く腰掛ける。

 すると、階段の上から男が下りてくる。


「お、ハツネ。初客か?」

「ハツネ! お前初めて客をもったんだな!」

「うむ、この調子で励みたまえ!」


 と、ぞろぞろと人が下りてくる。

 このギルドの人たちだろう。たくさんの人がハツネという女を見ていた。


「なに? こいつここまで愛されてんの?」

「まぁ、ビビりで客が取れなくてよ。でも、ひたすら毎日頑張って武器とか作る練習してんの。その様子を見て、こいつら心が感化さてるみたいでさ」

「そういうわけだ。ありがとな。ハツネのお客さん」

「……ん」

「ああ、自己紹介してないな。俺はフコククランのリーダー、フコク。で、そっちのメグリはサブリーダーだ」

「ん、よろしく」


 私たちはハツネの仕事を見ていた時だった。

 上から誰かが下りてくる。


「フコクさん! 大変です! 先ほど剣を買ったやつが金を払わずに……その、一人やられました!」

「ちっ、そういうやつもいるか。しゃあねえ。戦えんのは俺だけだし……」

「私がいってやる」


 私は上に向かい、剣を構えている客がいる。

 ギルドのやつらもたくさん出てきて、そいつを囲んだ。逃げられなくするためだろう。大手は人がいるからこういうことができる。

 ま、そんなの私には必要ないけどな。


「テメェ、だせえマネしてんじゃねえよ」


 私は男にとびかかり、髪をつかんで顔面をぶんなぐった。


「なにしやがる!」


 男はいきなりの攻撃に戸惑ったのか、剣をやみくもに振るう。


「やみくもに振るうだけじゃ当たらねえよボケ! 死ね!」


 私は首あたりに回し蹴りをまず食らわせた。そしてそのまま胸ぐらをつかむ。


「金を払うか死ぬか選べよ。金払うぐらいなら死んだほうがお得だと思うぜ?」

「払う! 払うから!」

「じゃあ、出せよ。おい、いくらなんだ?」

「えっと、8000グラン……」

「はい! 8000グランっす!」


 と、金を渡してきた。

 たしかにある。私は男を解放すると、男は逃げていった。


「ほらよ」

「……強いんだな」

「そりゃリーダー。こいつ伝説の不良っすもん」

「ほう?」


 なんで伝説の不良を広めるんだお前!








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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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