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 くそ、ついてねえ。

 私は目を急いで隠す。幸い、私の影は見なかったので死ぬことはなかったが、心の準備がまだできていない。

 

「来ますよ、ゼーレ!」

「おう」


 私は集中して気配を察知する。

 クソ、こういうのはゲームだとまるでわかりづらいな。現実だとその人特有の存在感というのがあり、それでなんとなくわかるのだが。

 

 私はとりあえず拳を思いきり気配のするほうにふるうが空振り。


「クソ、わっかんねぇ……。ゲームで気配を感じるなんてまず無理だろ」

「ですがそれしか対処法が……。ゼーレ、右です!」


 と、ワグマがそう叫ぶので私は左に身を寄せると、なにやら隣に拳のような感じのものが勢いよく出てきた気がする。

 あっぶね、あと少し遅かったら食らっていた。私の攻撃力は本当に高いので食らっただけでもまずい。というか、シャドウ化自体一つのステータスを極端に上げるというのだから、攻撃が上がっていたら一発食らっただけでも即死というのは十分ある。


「……あれ?」


 と、ワグマがなにか素っ頓狂な声を出していた。


「空が晴れていく……?」

「は?」


《プレイヤーが闇の神を封印することに成功しました》

《ドッペルゲンガーが消滅します》

《世界に再び灯火が灯りました》


 というアナウンスが響き渡った。

 ドッペルゲンガーが消滅? 闇の神を封印?


「助かったのか?」


 私は目隠しをとりながら目の前を見てみる。私の影がなにやら苦しみながら、どんどん消えて行っていた。

 そして、その影は私の影の中に入っていく。


「どうやら、誰かがこの闇に終止符を打ったみたいですね」

「助かった……。さすがに私を相手取るのは私でもしたくないからな」


 どこの誰かは知らないが、ありがとう。

 とりあえず、私はワグマと一緒に王都の拠点に舞い戻ることにした。



 拠点の中に入ると、フロルアージュとアルテミスがソファに座って談笑している。


「よぅ」

「おや、帰ったかい。ドッペルゲンガーが消滅したようだね」

「そのようですわねぇ~」

「ああ。誰かが闇の神を封印してくれたらしいな。今マジでほっとしている」

「そうだろうね。あのまま君のドッペルゲンガーがいたら君はもちろん、ほかプレイヤーも満足してプレイできないだろうからねェ。それより、運営から通知が来ているようだ」


 と、メッセージを見ると、運営から何かメッセージが来ている。


「メンテナンス&アップデートのお知らせ?」

「機能追加、スキル追加、不具合の整備などのことを行うみたいですね。明日一日はログインできないと」

「明日は暇になるだろう。それより、追加される機能の一部を見たかい?」

「機能の一部?」

「どうやら、ランキングを作るようだ」


 と、たしかにランキングの追加という文字が。

 説明を見ると、プレイヤー自身の強さをランキングで表し、上位30名を表示する機能、上位に行けば行くほど、難しいクエストなどを受けることができるというもの。

 そして、それは強さだけじゃなく、生産職のプレイヤーも生産力ランキングというもので表示されるのだとか。


「こういう格付けして楽しいものかね」

「ふふ。こういうの大事ですよ。誰が強くて誰が弱いとかはっきりするじゃないですか」

「少なくともゼーレ君だけは上位30位以内は確実だろうねぇ。戦闘方面では優等生じゃないか」

「ほめてんの?」

「ほめてるさ」

「ふふ。私は絶対入れませんね~」

「私はサポート特化だし入れないでしょうね」

「むしろ、ゼーレ君だけじゃないだろうか。入りそうなのは」


 いや、ハーレーとかいるだろう。


「アプデ後、順位が分かる。私の見立てだと……ゼーレ君は1位だと思うがね。この世にゼーレ君以上の戦闘の天才がいるとは到底思えないのさ」

「いや、世界は広いからな……」

「ふふ。世界は広いといえど、ゼーレさんのような人はそうそういるものじゃありませんわ~」


 そうかね。








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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
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