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進路相談と

 私のドッペルゲンガーの対策。

 いや、なくも無いんだが、ちょっと難しいし、出来るかどうかわからないんだよな。

 停学が明けて学校でシャーペンを手でくるくる回しながら考えていた。


「停学明けて間もないというのになんかすごい考え事してますねししょー」

「お前デイズ……ちゃう、日向。お前違うクラスなのになぜいる?」

「停学明けの師匠にクッキー焼いて来たのでどうぞ! 何考えてるんですかっ? もしかしてドッペルゲンガーのことですか?」

「そうそう。厄介なことに私のドッペルゲンガーが出ちゃってな。対応に困ってる」

「師匠の……それはそれはお強いことでしょう」

「誰も反撃できてないらしいぜ」

「師匠やっぱお強い!」


 そのお強さが問題なんだよ。

 アレがいる限り私は満足にゲームがプレイできないしな。きっとなにか対策はあるんだろうが……。


「ドッペルゲンガーですかー。日向は出会ったことないですねー」

「ゲームやってんのかちゃんと」

「一応やってますよ?? でもお母さんが受験生は勉強って言って制限されましたけど!」

「そら私たちもう高3だからな」


 今年受験生なわけだよ。


「日向は行きたい大学とか決まってんのか?」

「うーん、調理系にいきたいんですねー」

「あー」

「師匠は行きたいところは?」

「特にないんだよな。やりたいことも何もねえし」


 目的がないまま大学に行くのは流石に嫌だ。

 やりたいことが見つかればいいんだけどな。私の場合は好きに選べない可能性だってあるわけだし。


「私は悪評も一緒についてくるからどちらにせよ選べねえんじゃねえの?」

「日頃の行いが悪いんですよ花音」

「うるせえ」


 月能も会話に参加してきた。


「月能は行きたいところあんのかよ」

「私は流石に家が家なのでいいところには行きますよ。海外も視野に入れてますが」

「海外だぁ?」

「はい。そうなってしまったら一時的に離れ離れですね。花音と、衣織とも」

「あー、そうだな」


 衣織はどこ行くんだろうな。

 

「やりたいこと、やったものが勝つ世の中ですから。今のうちに何がやりたいか、何をしたいかを見つけておいた方がいいですよ」

「つってもなぁ……」


 やりたいことなんて未だに見つかったことがない。

 基本的に私は自ら攻めに行くよりかは受け身の方に近い。何かやれと言われたらやる。喧嘩は黙ってでもするが。

 でもさすがに喧嘩を職業にするってわけにもいかねえしな。


「何がやりたいか、ねぇ」

「花音も父さんが支援してくれるでしょうし、悪評とかは考えないで本当にやりたいことを見つけるんですよ」

「……喧嘩?」

「それはダメです」


 だろうよ。


「……もう進路のことは後回しでいーや。てか、本筋からズレてんだろ。議題は私のドッペルゲンガー」

「そうでした!」

「花音、今までズレてることは認識していたのに今まで黙ってたのは何か策を思いついたんでしょう?」

「そりゃ……私が戦えるかもって策は一つあるけど……マジできついからやりたくないんだけど」

「花音に不可能はありませんよ」

「なにその私に対する期待度の高さ……。まぁ、説明だけはしておいてやる。難しいってのは頭に入れておけよ」


 つっても、私自身、やれるかどうかなんだよな。


「まぁ、見たら死ぬんだから見なかったら死なないんだろ? なら目隠しで戦えばいいってだけじゃねえか、と」

「なるほど。それならば戦えるかもしれませんが……」

「師匠目が見えないで戦えるの?」

「そこなんだよ。目隠しで喧嘩なんてのは数回しかねえ」

「むしろ数回あるほうがおかしいのでは?」


 いや、不良集団が自らの血で私に目潰しをして来たことあんだよ。

 お陰で目が見えなくなって気配を察知しながら戦ったことがある。一応戦えなくはないが、経験が浅い。


「私相手に目隠しというハンデつけて勝てるかわからん」

「あー」

「これはアレですね? 過去の自分を超えていけ! という」

「過去の自分の壁が高すぎるんだよな。それに、絶対私の前に現れるってわけでもないし誰か近くにいて教えてくれないと……」






「ゼーレ! 目の前にゼーレのドッペルゲンガーがいますよ!」


 マジで来るのかよ。










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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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