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番犬

 灯台の5階。

 やっと階層の雰囲気が変わった……というか、ここがラストエリアみたいだ。

 光を放つ電球のようなもの、そして、奥には宝。


「変ね。灯台守がいないわ」

「そこらへんに隠れてんだろ。出す方法は明確じゃねえか」


 私は宝に近づき、一つを手に取った。

 その瞬間、背後から刀のような気配を感じる。私は黄金武装で鉄球まで黄金で武装し、回し蹴りをしてみると、何かに当たった感覚があった。


「グギャギャア!」


 吹っ飛んでいったのは犬。

 ただ、普通の犬ではなく、三つ首で、ツギハギのような感じで縫い目があった。

 これは知ってるぞ。


「ケルベロスか」

「灯台守はケルベロスだったのね……。たしかに門番……いや、番犬ね」

「ガルルゥ……」

「オラッ! 鉄球ハンマー!」


 私は足を振り下ろす。

 噛みつこうとしてきたケルベロスの頭に鉄球がぶち当たった。ケルベロスは床に叩きつけられる。


「犬公が私に逆らってんじゃねえよ」

「ガルッ!?」


 と、私が常世之闇を発動しようとした時、ケルベロスは怯えたような目になった。

 そして、舌をだして、へっへっへっと近寄ってくる。


「なんだぁ?」

「わんっ!」

「あ?」

「何だか知らないけれど懐いたみたいよ。きっと常世之闇……常世の力を感じたのね」

「常世……」

「常世はアンデッドが好む力なのかもしれないわ。ククク……。力を使ったことで常世の力に気付いたのよ」

「わふっ」


 と、私を目の前にお座りするケルベロス。


「……お手」

「わん」

「おかわり」

「わふ」


 と、お手もおかわりもする賢い犬。

 これが三つ首でなくゾンビでもなく普通の犬だったら可愛いんだけどな。


「ケルベロス、これもらって行っていいか?」

「ガル……」

「宝を守るように主人から言われたのか? まぁ気にすんなよ。私がもらって行ってやる」

「……ガル」


 と、そっぽ向いてしまった。

 要するに、何も見てない、気づかなかったということにするのだろう。

 私はありがたく宝に手をつけた。


「いくらで売れるかなー?」

「私も……」

「ガルッ!」

「ダメよね。わかってたわ」


 私だけ許されてるようだ。

 まぁ後で山分けしてやるよ。私がもらった分はどうしてもいいんだろうからな。

 私は宝を多くしまう。流石に全部は取れなかったが欲張りすぎということだろう。


「よし、帰んぞ」

「わかったわ。じゃあね、ケルちゃん」

「ケルちゃん?」

「ケルベロスの名前よ。ケルベロスだからケルちゃん」

「安直な……」


 まぁ、オイリよりはマシなネーミングセンスだが。

 私たちは灯台からでると。そこは、如何ともし難い闇の世界になっていたのだった。


「……は?」

「なによ、今夜じゃないわよこれ……」

「何が起きてんだ?」


 と、フレンドメッセージと運営からのメッセージが届いていた。

 運営のメッセを開いてみる。


「とあるプレイヤーが闇の神を目覚めさせてしまいました、世界が闇に包まれるようになります」

「闇に包まれると何かあるのかしら……」

「えーと、アルテミスからだ」


 そういうと、嫌な顔をするラプラス。


「あてになるのかしら」

「あいつは検証などはするから考察は信用できるだろ」

「……そうね」

「アルテミスから……。運営のメッセージを見たかい? 見た前提で話をさせてもらうが、この闇はおおよそ魔物の力をパワーアップさせて、暴走させるものだろう。大人しく、人を見ても襲いかかってこないゴーゴーシープも襲ってきたことからこの仮定を立てた……だそうだ」

「魔物の強化と暴走?」

「魔物が一時間の間さらに強くなるってこったな。誰だよこんなことしたやつは」


 魔物が強くなっちゃめんどくせえだけじゃねえか。










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変態、ゲームに立つ!
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