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距離×時間=ゼーレ

 コロシアムに移動し、私たちは決闘機能を使用した。

 

「準備はいいかよ。負けて文句は聞かねえぞ」

「文句なんていう非効率的なことはしないさ。ただ、言ったように私は初心者だ。戦いにおいてそんなのは関係ないと思うが、これは戦闘であって、殺し合いではない。そこを重々承知で頼むよ」

「わかってる」


 とりあえず、スキルは一切使わないでおこう。

 バトルスタートの鐘がなる。

 私はとりあえずぶん殴ろうと距離を詰めると、目の前に野球ボールが迫ってきていた。私は思わずのけぞって回避。

 すると。


「わっぷ!」


 爆発した。


「言わないでおいたが、時限式のも作れるのさ。まぁ、爆発する時間は自分で数えるしかないけれど、私は正確でね。時間をみなくても今の時刻をあてられるという特技もあるくらいさ」

「なるほど、そりゃ厄介……」


 こいつの戦いは計算だな。

 私がここに動くとして、投げる時間を見極めてる。超高速に思考回路を動かし、ひたすらに計算している。

 それを一瞬で行っているっていうのが相当厄介だ。天才というものだなこれは。


「ラプラス君のいう未来予知、そんなのはまやかし。ではあるが、科学的には予知できる」

「そうだな。お前、頭の回転ものすごく速いしな」

「ふふ、お褒めにあずかり光栄だよ」


 といいながらも、爆弾を投げてくる。

 私は弾き飛ばそうとするが、着弾式であるとすると、殴ったら爆発する。もちろんこの距離は爆発範囲内だ。


 大きく避ける、それしか正答はない。


「ちっくしょ、厄介だなお前……」

「喋ってる暇はないよ。爆弾はすでに君の前に」

「わっとっと」


 私は大きくよけようとした時だった。

 私の少し前で爆発が起きる。


「なかなか強いじゃねえの……。手加減いらねえんじゃねえか?」

「君がそう思うならそうかもしれないが、いかんせん、私の戦闘能力はまだ未知数でね。あくまで計算して投げているものだから、もちろん狂うこともある。人の脳内は計算ではじき出されるものではないからね」

「そりゃそうだ」


 しょうがない。

 アルテミスは時限式と着弾式、使い分けて投げている。はっきりいって見た目が同じな以上、どちらのタイプかという判別はつかない。

 触れられないというのは前提で動くしかなくて、時限式だとしても私の行動を計算して、遅めになげるか早めに投げるかの計算されて、爆発を食らってしまう。


「バリアがあればな……」


 そんなものはないが。

 どうやって突破するか。私がクライノートのメインウエポンといわれている以上、負けは信用を失う結果となる。

 私の弱点は計算された飛び道具ということ。いや、銃や弓のようなものならなんとかなるが、爆弾はどうにもならない。


「……まぁ、単純明快な答えを出すとするならば」


 私は思い切り前に走り出す。

 目の前には爆弾が飛んできた。私は手で弾き飛ばす。軌道が横にそれ、爆発。そして、また目の前に爆弾が飛んできた。私は躱し、アルテミスの胸ぐらをつかむ。


「……なぜわかったんだい?」

「勘」

「なるほど」


 考えないで、勘に頼るほかねえ。


「さ、殴りたまえよ。私のこのぺらぺらな防御力は、君の攻撃を一度か二度食らえば死ぬはずさ」

「計算が得意なお前がそう言うんならそうなんだろうな。ならば遠慮なく」

「最後に道連れをしようと思ったが……。それじゃ、無様だね」

「そうだな」


 私は思い切り、頬をぶん殴った。

 アルテミスはやはり死亡し、そのまま生き返ったのだった。


「強かった。正直、だれよりも厄介だ」

「ふむ、戦闘のスペシャリストである君にそういわれるのなら、私は強いのだな。自信が持てたよ」

「二度と相手したくねえ」

「ふふ。また、頼むよ」


 計算高いお前の相手なんて絶対嫌だもんね。








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変態、ゲームに立つ!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] すごいゼーレが戦いたくないと言ったぞ。 明日隕石降ってくるわ。
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