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異世界転移〜最弱職業「隠密」はチートだった  作者: ツキ
異世界と最弱職業
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第六話

第六話です。お楽しみ下さい。

俺はまた夢を見ていた。でも、今回の夢は前とは違う夢だ。金の美しい髪を空に舞わせ、剣を構える女騎士がいる。俺はその女騎士が敵の注目を集めている隙に、スキルを使い敵を背後から一撃で葬り去った。

女騎士は美しいその顔を少し歪め、薄く微笑み、悲しそうな、それでいて、嬉しそうな顔をした。女騎士が何かを話けてくるが、何を言ってるかは分からない…。そして次第に薄れゆく景色の中で、俺は女騎士に手を伸ばし……そして目覚めた。


「夢か……前に見た夢と似てたな……」


俺はさっきの夢に出てきた女騎士の顔を思い出そうとした。


(あれ?まただ……思い出せない)


前に見た夢と同様に、今回の夢も記憶が掠れ思い出せなくなっていた。


(この夢は、異世界に来たことに関係しているのだろうか?)

突如、なんの脈絡も無く、不意に見るこの夢は、いつも内容が思い出せない。この夢は、これからの未来に関わるのかもな。そんな事を考えていると、扉をノックする音が聞こえた。


「夜様、サリアです。朝になったので、起こしに参りました。」


どうやらサリアが起こしに来てくれたみたいなので、俺は

「ありがとうサリア。直ぐに着替えるよ。」

と言った。


サリアは、「かしこまりました。」と言い、部屋の前で待つと言った。


サリアを待たせる訳にもいかないので、俺はクローゼットの中に入っていた、黒い服とズボンを着て、少し肌寒かったので、ロングコートを羽織った。


これらの服は、全てサリアが事前に用意してくれていたそうだ。


着替え終わり部屋を出ると、俺はサリアに「おはよう」と言った。サリアも「おはようございます」と返してきたので、昨日と比べて少しだけ距離が縮まった様な気がした。



サリアに連れられ食堂に向かっていると、陽菜と会った。


すると、陽菜は笑顔で近づいてきて、

「おはよう夜君」とまるで、花が咲いた様な眩しい笑顔で挨拶をしてきた。


(やっぱり……可愛いよな)

何て事を思いながら、「おはよう」と返すと陽菜は満足そうに頷いた。


陽菜に一緒に食堂に行かないか?と提案されたので、俺はそれを二つ返事で了承し、陽菜とサリアと三人で食堂へと向かった。



食堂に着くと、結構沢山のクラスメイトが既に席に座っていた。


辺りを見回していると、武がこちらに気づいたようで、「おーい!!こっちだ夜、こっちこっち!!」と叫んできたので、「分かった、後そんなに大声出さなくても聞こえるぞ?」と言うと、武は「そうか?まぁ良いじゃないか。ハッハッハ」と豪快に笑ってそう言った。


俺と陽菜は互いの顔を見合わせて苦笑した。


武の座っている席には、光星や梓も既に来ていたようで、こちらをニヤニヤとしながら見てきた。


「夜、綾瀬と一緒に来たんだね」「それも二人きりで」揶揄う様に二人がそう言って来るので、俺は「違うぞ?サリアも一緒だったし」と言った。


すると何故か光星に「は〜……全く夜ってば…」と言われ、梓からも、「この鈍感」と言われてしまった。


急にそんな事を言われて良く理解出来なかった俺が、陽菜に助けを求めて視線を送ると、ただ一言「鈍感……」とだけ言って席に座ってしまった。


(鈍感ってなんでだよ……)


その後も、光星達と楽しく喋っていたら王が食堂に入ってきた。


王は光星や陽菜達の事を見つけると、笑顔で挨拶をしたが、俺を見つけると冷たい笑みを顔に貼り付けて歩いていった。


すると、豪華な装飾が施された椅子に座った王が俺達に向けて言った。


「勇者達よ、今日はよく眠れたか?ベットに何か不満があれば直ぐに変えさせよう。では朝食としようか…」


王が朝食に手を付けたのを見てから、俺達は朝食を口に運んでいった。


朝食のメニューは白パンと野菜のスープ、何かの卵の目玉焼きみたいなものとベーコンだった。


俺は白パンを少しちぎって口に運んだ。


(これはっ…!!不味いのかと思っていたが、パンがふわふわで、それでいて少し噛みごたえがあり、噛むとしっかりと甘みを感じる……。そして咀嚼した後に飲み込み、鼻で息を吸うと小麦の香りが鼻を抜けていった。)


ではスープはどうかと思い飲んでみるとこれもまたとても美味しかった。


味付けは少し薄目だが、野菜本来の甘みが出ていてとても美味しく、ほんのりと感じる塩が味を引き締めていた。


その後に目玉焼きやベーコンを食べたが、やはりこれも美味しかった。


目玉焼きは中が半熟で、半分に割ると濃厚な黄身がトロリとこぼれ落ち、日光を浴びて黄金に輝いていた。ベーコンも両面がよく焼かれていて、カリカリとした食感で噛めば噛むほど肉汁が溢れてきた。


(ベーコンに黄身を絡ませてと)

絶対に美味しいはずと思いながら、黄金に輝く卵黄を、カリカリのベーコンに絡ませて口の中に含んだ。


「美味いっ!!」


ベーコンの塩味を、卵黄が優しく包んでいて、トロっとした卵黄はコクを感じる深い味わいだった。


その後も無言で朝食を食べ続けていると、30分と経たずに食べきってしまった。


「あ〜マジで美味しかった〜」

と言うと、梓は呆れたような顔をしながらクスリと笑った。


食べ終わり、食後の紅茶を飲んでいると王が


「この後には、諸君らに訓練を受けて貰う。それぞれ武器庫から好きな武器を持って、訓練場に向かってくれ」と言った。


なので俺は、サリアに「武器庫に連れて行ってくれ」と頼み、武器庫に連れてきて貰った。


武器庫の中には剣や槍、ハルバードに鞭と様々な武器が並べられていた。


どれにしようかとウキウキしながら武器を見ていると、サリアが言った。


「王のご命令で夜様だけは、ここからではなくあちらの武器庫になります」


そう言ったサリアに連れていかれた武器庫にはガラクタの様な武器しか入っていなかった。


どうやらここでも、俺はちゃんとした扱いは受けられないみたいだ。肩を少し落としながら、俺は武器庫に入っていった。




お楽しみ頂けましたか?これからも頑張っていくつもりなので、応援や感想等よろしくお願いします。

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