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異世界転移〜最弱職業「隠密」はチートだった  作者: ツキ
異世界と最弱職業
32/56

第三十二話

「隠密神発動……鴉の黒羽…!!」


気配を、全てを隠した俺は魔物の背後に周り鴉の黒羽を撃つ。


黒羽は魔物に深く突き刺さり、そして貫いていった。


「グルルルルゥ!!」


魔物は、体を貫かれても最後まで抵抗しようとして雄叫びを上げる。


ブシャャア


しかしそれは無策だ。


「グル……グルル……」


魔物の体から血が吹き出し、辺りに飛び散る。


その血は青かった。


「青い血って…吐き気がしてきた……」


血を見て気持ち悪いと思うことはあれど、命を奪うのにもはや抵抗は無い。


自分でも悲しいものだ、少し前までは命を奪うなんてことは、禁忌すべきことだったし、絶対に出来なかっただろう。


これも全てこの世界に来た結果だ。


「環境は人を変えると言うが、まさにその通りだな」


ドシャッ


魔物は吹き出す血すら無くなったみたいで、しずかに倒れた。


「あっ、死んだか」


自分でもゾッとする程に冷たい声が零れる。


「…それにしても、この層の魔物は殺すのに時間がかかるな」


俺は今99層にいる。


98層の魔物も攻撃が速く力強かったが、99層の魔物とは比べ物にならない。


これも100層がすぐそこだからだろう。


「ステータス」


俺はそう唱えた。


影峰 夜

職業 隠密神

種族 人族14%神族86%


HP 表示できません

MP 表示できません


STR 表示できません

VIT 表示できません

DEX 表示できません

AGI -

INT 表示できません

MND 表示できません

LUK 95


ユニークスキル


隠密神


鬼神


神眼


虚空


嵐魔法神


氷結魔法神



「いつ見てもチートだな!変わり過ぎだと思うけど……」


そう、これが今の俺のステータスだ。


適応中だったが、最近適応が終わって見られるようになったのだ。


スキルだが、『隠密神』はチートの中のチートで群を抜いている。


なんと状態異常無効、短剣神や気配察知はもちろんのこと立体機動や交渉術、算術が統合されたのだ。


「大量のチートスキルが統合されてもうチートって範疇を超えてるよな」


思わずそう言う。


「それに神眼は夜目、鑑定、遠視、透視等視界を妨げるものは全て効かず、少し変わったものだと時空視なんてものもあるしな」


どんな状況でも、完全に対応出来る眼を手に入れたのだ。


時空視はその名の通り時空見ることが出来る為、魔力や生命力、魂や霊と言ったものまでこの目で見ることができ、未来や過去も見ることが出来る。


「未来や過去を見ようとしたら代償がデカいが、いざという時には使えるっ!!」


他のスキルの虚空はアイテムボックスの完全上位互換で、虚空の空間を創れる。生物も入れられる。


嵐魔法神や氷結魔法神は嵐や氷結を好きなように操れるようだ。


「こんなスキルばかり持っていたら、ここのボスも簡単に倒せると思ったんだけどな……」


このダンジョンは難易度が狂っているみたいだ。


今の所は負け無しだが、というか負けたら死ぬが、それでもこのチートスキルですら一撃で倒すことが出来ないのだ。


今までの経験上、ボスはその一つ前の層の魔物の5〜10倍の強さだった。


「今回は最終層だ…もしかしたら20倍なんてあるかもしれない」


未知数な敵に挑む恐怖は凄まじく、何度俺の心を降りかけたことか……


「それでも、それでも陽菜や梓、サリアにギルベルト師匠、マリアさんに武に会いたいと思ったから頑張ってこれたんだ」


その人達のことを思うだけで、胸が暖かくなる。


俺の心の支えだ。


「そしてアイツに復讐するまでは…!!」


弾むような気持ちが一転する。


心を蝕む様なドロドロとした復讐心、殺意、そんなものが胸の中に広がり、俺を侵食する。


「如月 光星……お前だけはこの手で」


俺が出した言葉は、復讐心や殺意に溢れた言葉だった。


しかし自分でも気づかないくらいに小さく、悲しみが混じっていた。


「いや、今はボスだ」


俺は頭を振り、リセットする。


「ボスを倒せば、好きなようにできる…今はボスだ」


光星への察知をボスへと向けて俺は階段を降りていった。





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