第二話
二回目の投稿となります。誤字脱字等もあると思いますが、暖かく見守って頂けたら幸いです。
まどろむ意識の中で、人の話し声が聞こえてきて、俺は目覚めた。
目覚めたばかりだからなのか、頭が少し痛く、体も少し重いように感じられた。
「うぅ…頭が痛い……ここはどこだ?」
そう言って周辺を見ると、大勢の鎧を着た兵士やローブに身を包んだ魔法使いのような人達が俺達を囲んでいた。
(まるでアニメの世界みたいだな……まさかここは……)
そんなことを考えていると、クラスメイト達が目を覚まし始めた。
「ここはどこだ?」 「俺達さっきまで教室にいたよな?」「あぁ」「何か鎧着てる人いるけど……」「ドッキリでしょ」
どうやら全員無事みたいだ……。それにしてもこれがドッキリとか能天気過ぎないか?
「夜…ここはどこだろう?僕達いつの間にここに運ばれたのかな?」
「本当に謎だよな!!さっきの光なんだったんだ!?」
「夜君…ここどこかな?」
「……どうやら日本じゃないみたいね」
起きた光星達が俺に聞いてきた。
「俺もよく分からねぇ…ただ、あの光が何か関係してるだろうな。光に包まれた途端に気を失ったみたいだし」
俺がそう答えると、4人は『確かに…』と言って俯いた。
そうしてこの場所について考えていると、鎧を着た兵士が俺達に話しかけてきた。
「勇者様方、目が覚めたらいきなり見知らぬ場所にいて戸惑っているでしょう。奥で王がお待ちです。説明はそこでさせて頂きたく……」
そう言うと兵士は俺達を、王の元に連れていくために、前を歩き、俺達を案内した。
「夜君、あの人達私達のこと勇者って言ってたよね…?」
「あぁ、それに王が待っているとも言っていたな……」
そう言うと、光星が聞いてきた。
「夜…まさかここって…」
「あぁ、間違いないだろうな…」
(勇者や王…周りの兵士やローブを来ている者達……ここは…)
「ここは異世界だろう。気を失う前に見た魔法陣、あの兵士が言っていた言葉…日本とは、いや…地球とは考えられない」
俺がそう言うと、光星と梓は『やっぱりそうだよね』と言った。
すると武と陽菜が信じられないという顔で、こう言ってきた。
「おい夜!!異世界とか何言ってんだよ!!ありえねぇだろ!!」
「そうだよ夜君!!きっとドッキリに違いないよ……」
武はありえないといった顔で、陽菜は信じたくないと言う顔で……
「俺もにわかには信じがたいが、どう見てもここは日本じゃない。俺達を一瞬で気絶させこんな短時間で遠くに運ぶなんて不可能だ…」
俺は武と陽菜の顔を見て言った。
「それに…周りの兵士や勇者や王という発言、それこそ物語の中の世界みたいだ。そしてそれが有り得るのは……」
「異世界転移ってこと…か」
武と陽菜、光星と梓は納得したくないという顔で呟いた。
しばらく歩くと、豪華な部屋に着いた。とても広くて学校の体育館よりもデカいと思う。赤いカーペットが敷かれ、金の装飾がそこら中にされているせいで、美しいと言うよりも、その人の品性を疑うような部屋だ。
(悪趣味な部屋だな…)
俺がそう思いながら、部屋を見ていると
「無駄な装飾だらけだね、この部屋」
「金ピカばっかだな!!」
「か、変わった部屋だね」
「本当、悪趣味な部屋ね」
どうやら悪趣味と思ったのは俺だけではないようだ。
しばらくすると、玉座に座った如何にも王って感じの男性がこちらに話しかけてきた。
「よく来てくれた勇者達よ…我が名アンベシル・フォン・ロワである。はまずは召喚に応じてくれて感謝する。」
王は、言葉だけの感謝を述べ、こちらを値踏みするように、ジロジロと見てきた。
「勇者って俺達のとこか?」「応じたってどういうことだよ!!」「そうよそうよ!!」「勝手に連れてきたんだろーが!!」
クラスメート達が王に向かいそう言うと、周りにいた兵士達が一斉に剣を抜き、こちらを睨んだ。
「よい、仕方もないだろう。」
王がそう言うと兵士達は剣を鞘に戻した。
「いきなりだが、勇者達よ…魔王と呼ばれる者が現れて、我々は命は危険にさらされている。勇者達よ、どうか魔王を打ち倒すために力を貸してはくれんか」
王は俺達に向かってそう言った。
「ふざけるな、俺達を家に返せ」
一人の生徒がそう言うと、王は言った。
「すまないが元の世界に戻すことは出来ない。伝承では魔王を倒すと元の世界に帰れるらしいが」
王は淡々とそう言った。
「え…帰れないの?」「私をおうちに返してよ〜」「魔王を倒せば帰れるのか?」「なら、魔王を倒すために協力するべきじゃないか?」「でも俺達なんの力もないぞ?」
泣き出す者もいれば、魔王を倒そうと言うものもいた。
(ヤバいな……恐らく魔王を倒しても元の世界には帰れないだろう。それに、魔王が襲ってきている割には王も周りの貴族っぽい人達も高価そうな物を身につけている。この王は怪しいな……)
そうして一人、王への不信感を抱いていると王が何かを言い出した。
「落ち着きたまえ、勇者達はその全員がチートとやらを持っていると言う。魔王とも充分に戦えるはずだ。ステータスを確認してくれ。『ステータス』と言えば開くはずだ。」
そう言われ、俺はさっそくステータスを開いた。
お楽しみ頂けましたか?これからも頑張っていくつもりなので、応援や感想等よろしくお願いします。