第一話
今回初めて小説を書いてみました。主人公影峰 夜は何をし、何を成すのか、お楽しみ頂けたら幸いです。
俺は夢を見ていた……見たことも無いような美しい世界で、仲間達と共に旅をする夢だ。その内の一人の銀髪の少女がこちらを見て、ふっと微笑んだ。
「君は誰だ?……ここは?」
そう尋ねると、少女は少し悲しそうに微笑み、そして……
「夜っ早く起きなさい!!学校遅れるわよ〜!!」
突如聞こえたその声で俺は飛び起きた。
「はっ!!ここは……俺の部屋だ……あの夢は何だったんだ?確か女の子がいて……」
俺はついさっきまで見ていた夢を思い出そうとした。
「あれ?どんな夢だったっけ?思い出せない……」
さっきまで鮮明に覚えていたあの夢は、靄がかかったみたいに掠れ、思い出せなくなっていた。
「お兄ちゃん?起きないの?」
「あぁすぐ起きるよ!!」
妹が起きるのが遅い俺を起こしに来たようだ。
まぁ深く考える必要はないよな……そう思っても、思い出せない夢のことが、頭から離れなかった。
「おはよう母さん…結衣も」
俺は、テーブルに朝食を並べていた母と、イスに座っていた妹に話しかけた。
「あら、やっと起きてきたの?」
そう言って少し困った顔をしながら笑った女性は、俺の母親の影峰 香だ。
「もぉ〜遅いよお兄ちゃん!!」
そう言って頬を膨らませているのが、妹の影峰 結衣だ。
「ごめん、何か変な夢見てて起きれなかった…」
そう言うと、結衣は首を少し傾けてこう聞いてきた。
「変な夢?それってどんなの?」
「どんな夢か思い出せないんだ。大切なことだった気がするんだけど……」
俺が困ったようにそう言うと結衣は、『そうなの?思い出せたらいいね!!』と言って笑った。俺は『そうだな』と言って朝食を食べた。
「ヤバっ学校遅れる!そろそろ行かないと」
「行ってらっしゃい。気をつけるのよ〜」
「うん。行ってきます」
そう言うと母さんはびっくりしたように目を見開いて『珍しいわね〜夜が行ってきますを言うなんて』と笑いながら言った。
俺も普段は小っ恥ずかしくてあまり言わないが、今日は何だか言っといた方がいいような気がした。そのすぐ後で俺の予感が当たるとはこの時は思いもしなかった。
学校に着くと、二人の男が近づいてきた。
「おはよう夜、今日は来るの少し遅かったね」
「おっす夜!!相変わらず眠そうだな!!ハッハッハ!!」
二人は俺の友達で、一人目は中学からの友達の如月 光星だ。ちなみに王子様系イケメンだ。くそっ……。二人目は高校一年からの友達の金剛 武だ。こっちもイケメンで、ワイルド系だ……。
「おはよう光星、それに相変わらず眠そうって何だよ武」
「いや〜何か眠そうに見えてよぉ、すまん」
「別にいいけど、そんなに眠そうか?」
俺が二人にそう聞くと、『まぁ』と言い顔を逸らした。解せぬ。
その後二人と話していると、二人の美少女が話しかけてきた。
「おはよう夜君っ!!」
「おはよう夜、また馬鹿な話でもしてるの?」
そう話しかけてきたのは、幼馴染の綾瀬 陽菜と高校一年からの友達の東雲 梓だ。陽菜は可愛い系、梓はクール系としてクラスでも結構人気がある。
「おはよう陽菜、いつも元気だな」
「えへへーそうかなぁ?」
陽菜が嬉しそうに笑った。
「あぁ。で、おはよう梓、ちょっと気になる単語が聞こえたんだが?」
「冗談よ夜」
そう言って梓はくすりと笑った。
「まぁそうだろうけどさ〜」
(こいつ楽しんでるな……絶対クール系じゃないと思う……)
そんな会話を少しして、俺が席に座ろうとした時床に突然魔法陣が浮かんだ。
いや突然何言ってんだよってなる気持ちも分かるけど、本当に浮かんでるんだよ!!
「何だよこれ!!」「何これドッキリ?」「フッこれは異世界転移か……我は遂に選ばれたというわけか……」「キャー!!何これ!!」「何かの撮影か?」
ヤバいな……全員が混乱してる…(一人厨二病がいるけど)
「光星っ武っ陽菜っ梓!!」
俺は直ぐに皆の名前を呼んだ。
「僕は大丈夫だよ夜」
「俺もだ」
「私も大丈夫だよ夜君」
「私もよ。それよりコレは何かしら?」
その声を聞いて俺はこう思った。
(コイツら冷静すぎだろ……まぁいい今はとにかく…!!)
「コレが何かは分からないが、今は皆で固まっておこう」
俺がそう言うと陽菜達は
「そうだね」「わかった」「それでいいと思うよ」「そうするのが妥当ね」と言ってこっちに来た。
そして皆で固まってると、急に目の前が真っ白に光り輝き、次の瞬間俺達は意識を失った。
お楽しみ頂けましたか?これからも頑張っていくつもりなので、応援や感想等よろしくお願いします。




