人の街へ
最初から、人がい主人公に憧れて書いてみました。
神を殺し、神狼フェンリルは天界から追放された。そして、約1500年が過ぎて子孫には神狼としての力は、完全に失われたかと思われていた。あの、美しい神狼が産まれるまでは………
フローズは、先祖帰りで産まれた時から、神狼で強い力を持っていた。
その実力は、魔王も信頼していた。そんな時だった、邪神が人間を襲い人間と魔族は協力関係になった。そして、戦争が起こる。
後に、邪神共闘討伐作戦と呼ばれる戦争だ。
フェンリルは、最前線にかり出され………裏切られた。
魔王軍は、邪神の攻撃にバラバラとなる。フェンリル達は、他の魔族や人間を逃がすために自ら肉壁となりフローズ以外は全滅した。
魔王は、選択を迫られていた。フェンリル一族を、助けるか見捨てるかのだ。そして、会議にはフェンリル一族は居なかった。
「………私は、フェンリル一族を見捨てようと思う。今は、少しでも味方を生かす為に犠牲になってもらおう。異議はは、あるだろうか?」
異議は、全くなかった。魔王の娘、ミシェーラルは言った。
「私も、それが最善だと思うのぉー!」
幼い子供の、残酷な言葉が後押しになりフェンリル一族は全滅。生き残りは、先祖帰りのフローズのみ。フローズは、何故だと戦場で泣き叫び仲間をともらった。フローズは、次の日に魔王に辞職届けを出した。勿論だが、魔王は手放したく無いので断った。
フローズは、無視をして魔界から去る準備を進めた。
魔界の門を、あっさり通り過ぎて人化する。青みがかった、白銀の髪に氷のように清んだ美しい青い瞳。肌は、日焼けの無い白く健康的な色の肌をしている。年齢は、見た感じ15歳前後で賢そうだ。
「さて、これからどうしよう?天界は、ご先祖様のせいで出入り禁止だし、魔界にはもう居たくはないんだよね。」
「それなら、下界に行ってみればどうだ?」
フローズは、マルコシアスの声に驚いて振り向く。ちなみに、マルコシアスはグリフォンの翼に尾が蛇で、全体的には狼の姿をしている。
だが本当は、悪魔で嘘が嫌いで戦術や兵法に優れた魔王軍の幹部だ。
マルコシアスは、人化すると寂しそうにフローズを見る。
「ふむっ、なるほどね………。」
「フローズ、俺達がやっぱり憎いか?」
フローズは、苦笑してから黙り込む。マルコシアスは、フローズの事を気に入っていた。とても聡明で、魔王からの信頼もあつく穏やかな性格だが、敵には一切の容赦をしない冷たさも身に付けていた。
マルコシアスだけではなく、他の幹部もフローズを止めたかった。しかし、自分達が裏切ったのは事実………。誰も、止める勇気や覚悟がある者はいなかった。フローズは、笑顔でマルコシアスを見る、
「今まで、お世話になりました!さようなら!」
もう、振り向く事をしないフローズ。それを見て、マルコシアスは崩れるように座り込み、歯を食い縛り涙を流した。
魔王は、遠くから娘と2人で黙って、フローズが去るのを見ている事しか出来なかった。幹部達も、静かにフローズを見送った。
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☆レライア王国、南部にあるティーブの街のとあるお店
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フローズは、白いシャツと茶色のズボンに着替える。
「おやっ、フローズ君おはよう。」
「おはようございます、ジャコンさん。」
ジャコンは、1階の飲食店兼喫茶店のマスターだ。あと、3ヶ月でマスターは僕が引き継ぎする事になる。
「そうだ、急だけど今日から君がマスターね。」
「へ?あの、それはまた急ですね。」
フローズは、椅子に座り朝食を食べながら言う。
話によれば、ジャコンさんは持病の為に仕事が出来ないらしい。
「ふむっ、そうですか……。うーん、頑張りますね。」
「うん、よろしく。」
フローズは、開店の準備をするのであった。
次回から、お店スタートです!