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残留思念Ⅰ
私の何が悪と言うのだろう。
生まれくる命を潰しながら、何故正義だと誇れるのだろう。
私はただ思うように生きたかった。
私は悩みながらも生きていただけだった。
私を悪というならば、お前たちも等しく悪と定義されるべきである。
そう、私は、敗者にはならない。私は敗者ではない。
さあ、誘おう。未だ人の歴史に幻想を抱くお前達をこの世界へ。
さあ、その身を形成する血を流し給え。お前たちが流した血こそが新たなる歴史の礎となる。
──この瞳に焼き付けよ。未だ人の心に幻想を抱く全ての者よ。