後飯粒太郎
子供向け童話です
「ごちそうさまでした」
「ユウ君、お茶碗にご飯粒がついているわよ」
「もうお腹いっぱいだよ」
「ご飯粒を残すとご飯粒太郎がでるわよ」
「ご飯粒太郎ってなぁ~に?」
「ご飯粒を残すとね、残ったご飯粒を食べに来るお化けよ」
「お化け見たい!」
「怖いお化けだよ、ユウ君泣いちゃうよ」
「お化け見たいからご飯粒残す」
「ダメよ、食べなさい!」
「お化け見たい!」
「勝手にしなさい!ママは片付けますからね」
「お化けこないかな」
(そのご飯粒ちょーだい)
「誰?」
(ぼくはここだよ)
「どこにいるの?」
(まだ見えないんだね)
「もしかしてご飯粒太郎?」
(そうだよ!ところで君が残したご飯粒ちょーだい?)
「いいよ!あげる!」
(ありがとう!モグモグ ゴックン おいしかった! )
「すごい!ご飯粒がなくなった!」
(明日もきていいかな?)
「いいよ!明日もあげるよ!」
(じゃあまた明日!)
「ママごちそうさまでした!」
「あらユウ君キレイに食べれたじゃない」
翌日
(ユウ君来たよ~)
「君がご飯粒太郎?」
(ユウ君が昨日ご飯粒くれたから見えるようになったよ!)
「小さいね」
(ユウ君がご飯粒くれると大きくなれるんだ)
「大きくなったら一緒に遊んでくれる?」
(うん!だからユウ君ご飯粒いっぱいちょーだい!)
「いいよ!また明日おいでよ!」
(また明日)
数日後
「ずいぶん大きくなったね!」
(ユウ君と同じだね!)
「これで遊べるね?明日遊ぼうよ?」
(明日は無理だよ!)
「じゃあ明後日は?」
(無理だよ!)
「じゃあその次の日は?」
(無理だよ!)
「いつ遊べるの?」
(もう遊べないよ?)
「どうして?」
(だってユウ君いなくなるんだもん!)
(ボクがユウ君になるんだよ)
(ボク一人じゃあ遊べないよ)
「えっ?ボクいなくなるの?」
(そうだよユウ君がご飯粒いっぱいくれたから)
(ボクがユウ君になってご飯粒もキレイに食べてあげる)
「嫌だよ!ボクいなくなりたくないよ!」
(もう遅いよ)
「わ~ん嫌だよ!嫌だよ!」
(バイバイ!ユウ君!)
翌日
(ママごちそうさまでした)
「ユウ君今日もキレイに食べてえらいね!」