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戦の終結

ふと、先程思い出した彼に仕える者達の姿を、アーネベルアは周りを見回して捜した。ここにいる筈の彼女…炎の神龍の姿は見られない。不思議に思ったアーネベルアの耳に、不意打ちで聞き覚えのある声が掛った。

「我が王、いえ、我が神、敵は全て無に帰しましたから、全軍撤退の御命令がジェスク様とクリフラール様から来ましたよ~。

あ・あれ?べルア???何で、ここにいるの?」

今までこの場にいなかった人物が発した明るい声に皆が我に返り、目の前の神の指示を待つ。この声の主へリシェアオーガは尋ねる。

「緋龍、父上と伯父上は、他に何か言っていたか?」

「リシェア様はこの場に残って、ジェスク様とクリフラール様と共に、このマレリーア王国の方々とお会いするようにとの事です。

…って、あたしの質問は~?」

他の神々からの、己への指示を確認したリシェアオーガが撤退の宣言すると、精霊騎士達はその姿を消した。残ったのはリシェアオーガとアーネベルア、先程の声の主で、緋龍・フレアだった。

彼女の質問にリシェアオーガで無く、赴いた本人が答える。

「フレア様、私は、故郷だった国が周りの愚かな行いで滅ぶのは嫌です。…それに…やはり、剣は捨て切れない様です。

リシェア様の様に護りの剣になりたい…。戦いに身を置いても安らぐ地があるのなら、それを護りたい…己の本能でしょうね。」

アーネベルアの言葉に炎の神龍であるフレアは頷いていた。

己と同じ気持ちを持つ、元人間の精霊。

彼が望むのは、守護神と共に戦う事だという事を敢えて告げなかった。

彼等は三人いる。

その誰に仕えるのかはアーネベルア自身が決める事であり、それに意見する心算(つもり)も無かった様だ。

ふと、顔を下げたアーネベルアとリシェアオーガ視線が合った。

微笑を添えて、言葉を綴る目の前の神。

「べルアも、私と同じなのだな。護りたい者の為、護りの剣になる。

私の安らぐ地は、ルシフと家族の許。べルアにも出来れば良いな。」

言われた彼の脳裏に思い浮かんだのは、友の顔と目の前の神の顔。彼等が揃って知の神がいる場所が、彼にとっての安らぎの場所と自覚した。そして再び、己の傍にいる神を見る。

護りの剣になるのには神々に仕えた方が良い。となると、自分の仕えたい神は誰と自問する。真っ先に光の神と空の神、炎の神を思い浮かべたが、尊敬と畏れ多いとしか思えなかった。

しかし、目の前の戦の神は…と考えると先程の戦闘が思い出され、その戦う姿を勇ましく、そして何故か、美しいと感じた。青い瞳も、紅い瞳も、そして…今の金色の瞳さえ彼を魅了し、この瞳と共に戦いたいと思える。

「リシェア様、御聞きしたい事がありますが、宜しいですか?」

何時もの砕けた口調とは違う彼の言葉にリシェアオーガは、何事かと言う様な顔をして頷いた。それを確認した炎の精霊剣士は先を続ける。

「私の剣が出来上がったら、その剣を受け取ってくれますか?」

一瞬にして驚きの顔になった少年は、目の前の精霊に尋ねる。

「べルア、それは…私の精霊騎士になるって事か?べルアは、それで良いのか??」

「はい、我が神…いけませんか?」

「いけない事は無いが…本当に、後悔しないのか?

あの様な…破壊の神の様な力を持つ、我で良いのか?父上や伯父上で無くて?」

先程の力に他の意味を見出しているかの神へ、微笑を添えて頷いた。守護神として呼ばれる他の神より、目の前の幼い神の方が彼にとって仕えたい大切な者。

彼の想いを汲み取って行動出来た自分が、彼を選ばなくて誰を選ぶのだろう…そう、彼は思った。彼の考えを悟って、傍にいた神龍が嬉しそうな声を上げる。

「やった~♪リシェア様の精霊騎士が増えた~。みんなに知らせなきゃ♪べルアが来れば、みんな喜ぶよ~。

あっと、そうなればべルア、あたしに敬称はいらないよ。」

「…判りました、フレア様…いえ、フレア。」

一番最初に彼女に言われて仕方無く、アーネベルアは敬称を取った。

この後、他の神龍とリシェアオーガに仕える精霊騎士達から、同じ言葉を言われる事になるとは思わなかったが……。

まあ、主が主だけに彼に仕える者達も、同類であった事は言うまでも無い。


この後、守護神と共に彼は、マレリーア王国を訪れる事となった。

そこで彼は、懐かしい再会を果たす事となる。

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