表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/18

邪気再び

 その夜、このままマレリーア王国に滞在する事となった神々とその精霊騎士達は、未だ警戒を解かずに辺りを探っていた。

戦の相手の国に邪気が残っていないか調べる部隊と彼等を警護する部隊が、件の国へ赴いて様子を窺っている。この国に残っている者達は未だ周りの警戒をしている。

そんな中、ふとリシェアオーガが何かを凝視する仕草を見せる。

予想に反して、素早く元に戻った厳しい眼差しの青眼で探っている様子で、神龍達と彼に仕える精霊騎士達に緊張が走った。

「如何やら、まだ隠れている輩がいる様だ。

神龍達とレス、ランナは、他の精霊騎士達に警戒を呼び掛けてくれ。ケフェル、奴等の動向を探れるか?」

指示を受け、リシェアオーガに仕える精霊騎士と神龍が動く。そして、彼に仕える風の精霊が風鏡を作り出した。

「リシェア様、この者達ですね。

……物凄く邪気を纏ってますが…ジェスク様とクリフラール様に知らせますか?」

「ああ、そうだな。ケフェル、そなたに頼めるか?

序でに私が奴らを討つ為に出ると、伝えてくれるか。

皚龍、アンタレス、ランナ、我が許へ帰れ。他の者は、精霊騎士達と共に此処を護れ。」

呼び掛けに応じ、リシェアオーガの傍を離れていた騎士達が集まって跪いた。

「「「お呼びですか?我が神。」」」

揃った彼等へリシェアオーガは言葉を掛ける。

「馬鹿が動き出した。皚龍、ケフェルナイトやエアレアから聞いて確認していると思うが、その場所へ我等を運んでくれ。

それと、アーネベルアとアルベルトは此処で待機だ。

二人ともまだ正式な私の騎士では無いから、此処で、この国を護ってくれ。」

告げられた言葉にアーネベルアもアルベルトも納得したが、焔の騎士の視野に炎光の精霊剣士が入った事でリシェアオーガへある提案をする。

「リシェア様、ここにいるレナフレアムを私の代わりに連れて行って貰えませんか?

炎光の精霊なら、邪気に強いので御力になると思いますが…。」

紅の騎士から告げられた言葉にリシェアオーガは少し考え、

「べルアがああ言っているが、フレアムの意向を知りたい。

炎光の精霊剣士フレィラナ・ジェスリム・カルフェクレィナ・レナフレアム、我の精霊騎士であるアーネベルアの代わりに、我等と共に邪気を迎え撃つ気はあるか?」

正式な名と共に真剣な眼差しで言われた精霊は、思わず頷いていた。

目の前にいるリシェアオーガからの言葉。

あの無邪気な神子では無く、神として、神龍王としての言葉。

他の精霊達が慕っている神の姿を目にした彼は、以前の自分を迎え入れてくれたこの国を、この神と共に護る事が出来ると思うと無意識に行動していたのだ。

レナフレアムの承諾を得たリシェアオーガは、騎士達に命令を下す。

「奴等を迎え撃つ為に出撃する。皚龍、我等をあの場所へ!!」

彼の言葉を受けて風の龍と精霊騎士達、精霊剣士の姿は掻き消え、後に残された新米の精霊騎士は、小さな呟きを口にする。

「これで…フレアムもリシェア様の実力を知るだろうね。

後は、彼の意思次第か…。」

共に、同じ神に仕えたい願いを秘めたそれは、もう一人の紅の騎士の耳に届いた。

「御爺様の望み通りになると良いですね。」

微笑と共に返された言葉にアーネベルアは微笑みながら頷き、この国を護りながら彼等の帰還を待つ事にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ