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精霊騎士達と炎光の精霊剣士

 そこには光の神と空の神、知の神が揃っていた。

入って来たリシェアオーガと二人の騎士の姿を見て、彼等は不思議に思った様だ。もう一人いたような気がしたらしく、それを尋ねる。

「リシェ、もう一人、精霊騎士がいなかったか?光と炎の気配のする奴が…。」

空の神の言葉にリシェアオーガが答える。

「フレアムは精霊剣士です。騎士ではありませんが…?伯父上?」

「何だ、お前の騎士じゃあないんだ。

いや、あれほど強い力なら、リシェに魅かれても良い筈なんだが…。」

返って来た答えに自分が感じた事を告げる空の神へ、戦の神で後ろに控えていた騎士達は驚いていた。

レナフレアムの実力は人間の頃のアーネベルアより低かった筈。だが、それを今、空の神は強い力だと称した。という事は……。

「クリフラール様、無礼を承知で口を挟ませて頂いて、宜しいですか?」

「如何した?べルア?ああ、そっか、フレアムとべルアは知り合いだったよな。

で、何が聞きたい?」

アーネベルアの言葉に、承諾の言葉を返したクリフラールへ彼は続きを告げる。

「フレアム…いえ、レナフレアムの実力は、そんなに高いのですか?」

アーネベルアの質問に空の神と光の神は頷き、共に返答する。

「彼奴は、自分の実力を知らな過ぎる。

人間より高い癖に持てる力を使い熟せないから、人間の頃のべルアに負けてるんだ。」

「フレアムの力は今のべルアより少し低い位だが、混血の為か、その力を本能的に制御している節がある。

それを外すには…精霊騎士に成った方が良いのだが…未だ、主となる神を見出せていないのだ。」

二人の神の言葉にアーネベルアは納得したが、当の本人に仕える意思が無いのでは如何にも出来無い。

暫くの間、自分達と一緒にいる彼に新たな主が見つかる事を祈るしかなかった。





 これと同じ頃、別室ではレナフレアムと神龍達、そして、他の精霊騎士筆頭達が話をしていた。

他愛無い話からレナフレアムの旅の話、今までの神々の話など色々な話が行きかう中、焔の精霊騎士が今回の戦の話をし出した。

「流石は、リシェアオーガ様だよ。

フルレの異変に気が付いて彼女を前線から引かせて、奴等と対峙したんだけど…噂に聞く剣技を目の前で見れるとは思ってなかったよ。

いや~、レアやアレスト、ランシェが絶賛するだけの事はあるよな。」

「ああ、そうだよな。まるで、ジェスク様の剣技を見てるみたいだった。

一瞬にして敵を地に伏せるなんて、あの方も凄い腕の持ち主だよ。」

二人の焔の騎士の言葉に神龍達も加わる。

「当たり前だろ?僕達の王が弱い訳がないよ。

それにリシェア様の剣技は、舞を見ているかの様に美しいんだ♪」

恍惚とした顔で語る闇の神龍に、他の神龍達も頷く。

主を絶賛する彼等に精霊達も納得する。

「そうでしょうね…、リシェア様は、我々武器を使う者に取って敬愛する神である方ですから…今回の焔の騎士達と神龍達、そして、リシェア様に直接仕えられるレス達が羨ましいですよ。」

水の精霊騎士のウォーレが、そう言うと周りの精霊騎士から同意の言葉と頷きがあった。

レナフレアムはその様子に疑問に思い、不思議そうな顔をする。

彼の知っているリシェアオーガは、護る為の剣を振るっていた事が無かった。訓練中の実力を押し隠したものなら見覚えがあるが、話に聞く姿は想像出来無かった。

故にリシェアオーガが護る為に戦った今回の戦での彼の様子を聞いて、戸惑いを見せた。

「あの…リシェア様は、そんなにお強いのですか?

武器を扱う者を魅了する程の、お方なのですか?」

その言葉に一同は頷き、レナフレアムに憐みの表情を向ける。

「そっか、フレアムは、リシェア様の本気を見た事が無いんだね。

我が君は、あたし達と同じで、護っている者の敵には容赦ないからね~。」

「然も今回は、瞳の色が変わられた。紅の色は見た事が有るが、金色の瞳は初めてだ。

…正か、光の特徴を持っているんじゃあ無いよな。」

炎の神龍の言葉に風の神龍が加わり、リシェアオーガの瞳の色を指摘する。

言われてみれば、以前見たのは紅のだったと思い出したレナフレアムは、アーネベルアの事をも同時に思い出して口にした。

「今回の戦に、アーネベルア様も加わったのですか?」

投下された質問にフレアが答える。

「最初はね、べルアは傍観してたんだけど、事が事だけに黙って見てらんなかったみたい。

で、体に変調をきたしてたフルレの代わりにべルアが来たんだ♪んでね、戦が終わった後、戦いに身を置いても安らぐ地があるのなら、それを護りたいって言いだして…。」

「そうなんですか…べルア様は、以前と御変わりないのですね。

リシェア様の精霊騎士になられたのも、ジェスク様やクリフラール様では畏れ多いと思われたのでしょうね。」

フレアムがふと、漏らした言葉に闇の神龍が口を挟む。

「確かに、元人間のべルアにとって、七神である守護神の方々は畏れ多いだろうな~。

でも、それに加えて、我が王の戦う姿に魅了されたんじゃあないの?」

彼の言葉に焔の騎士達が頷き、言葉を綴る。

「あの方の戦い振りは、物凄く魅力的だった。

俺もフレィ様の騎士でなかったら、べルアと同じ事をしてたと思う。」

「あ…私も同じだわ♪」

次々と同意の意見が述べられ、他の精霊騎士も納得したような顔をしていた。只一人、レナフレアムだけが不思議そうな顔だった。

実感の湧かない意見を聞きながら、件の神の無邪気な笑顔を思い出している様であった。

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