5話 裏側
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「ここはどこだ・・・」
目の前に広がる闇。
ふと口から出た質問はただ虚しく響いていく。
俺は闇に浮いていた。
「・・・いや少し落ちている?」
無重力というよりは海の中が近い。
落ちているといったが方向感覚はない。
なんとなく動いているのだ。
「俺は一体・・・」
少しずつ思い出してくる。
俺は大天丸に乗っていいた。
すると突然、謎の衝撃が走った。
下と確認すると、人間がいたんだ。
仲間にここにいるよう言ってから下へ降りると質問された。
それから・・・
そうだ!
目の前のエルフを気に入ったんだ!
邪魔だから周りの人間の頭を吹き飛ばしたが嫌悪感はなかった。
あともう少しでエルフを捕まえるって時に・・・
‘あなたは裏切られました‘
目の前に文字が出る。
‘そして封印されそうになりました‘
「されそうに?されたんじゃないのか?」
何気なく質問してみた
‘はい。あなたが抵抗したために本来とは違う効果が発動されました。‘
「何が起こっている」
‘あなたの抵抗により本来の効果『世界からの切り離し』の発動が困難になり、代わりに裏世界への転移が発動されました‘
「何か違うのか?」
世界から切り離されようと、裏世界への転移だろうと違いがわからない。
俺は転移魔法は持ってないし、解呪の魔法も知らない。
‘あなたは世界に戻ることができます‘
「抵抗に成功したのか!」
‘いいえ。失敗しました‘
「それでは何故封印されていない!」
‘ディタッチ ワールドに抵抗は普通できません‘
‘発動されれば無抵抗でオーブの中へ切り離されます。それが最高の封印の効果です‘
‘しかしあなたでは世界の法則が破られる可能性があった‘
‘そういう場合代理効果が発動します‘
「その代理効果が裏世界への転移か」
‘効果はそれだけではありません‘
‘本来の封印の効果も発動しなければ『封印魔法』ではなく『転移魔法』になってしまいます‘
‘なのであなたの種族のしての力、そしてステータスが封印されました‘
「なにが残っている」
‘あなたが覚えた魔法、記憶、契約‘
‘そして種族が違っても以前に近い容姿‘
「職は?」
‘種族が変更となるため変更可能です‘
「封印が解けたら?」
‘あなたの以前の職『攻撃魔法士』と新たな職の融合となります‘
「ステータスはどれくらい残っている」
‘魔族から人族のステータス降下も含め、十分の一です‘
「そんなもんなのか」
‘全ステータス十分の一は由々しき事態だと考えられます‘
‘そしてまず裏世界で自我を保つことは本来困難なことです‘
「何故自我は残っている?」
‘あなたが元魔王アバドだからです‘
「そういえば俺の仲間はこっちに来ているのか?」
‘いいえ。NPCを除きあなたしか来ていません‘
‘この質問についてはこれ以上はお答えできません‘
「そうか・・・」
だめと言われたらやめておこう。
どうやってこの世界に転移した。とか聞いてもあきらかに答えてはくれなさそうだし。
「俺はあっちの世界に新しく誕生するのか?それともアバドとしてまた転移するのか?」
‘答えは後者となります‘
「裏世界には俺しか来たことはないのか?」
‘いいえ。裏世界に来たものは大勢います‘
‘しかし自我を保ったものは片手に収まる人数です‘
‘時間となりました。表世界への転移が可能です‘
‘最後にあなたは裏世界の主となることが可能です‘
‘裏世界の主は裏世界の知識の一部への接続が可能です‘
‘いずれ世界全てへの接続が可能となります‘
「せっかくだしそれになろう。ちょうどすべてを失ったところだし」
‘裏世界の主がアバド様となりました‘
‘オーナールームを作成します‘
目の前の暗闇に一つの部屋ができた。
壁を本棚で囲まれた正方形の部屋。
部屋の真ん中には高そうな机と良い椅子
‘接続可能な知識は今残っている魔法全て‘
‘そしてその他世界ついてなど一般的な情報に接続可能です‘
‘裏世界の拡張時に一人の裏世界人を発見。契約可能‘
‘表世界で召喚魔法を使用すれば憑依させることが可能‘
‘会いますか?‘
「会おうか」
すると目の前の椅子に一人の男が現れる。
「やあ。僕は案内人」
男は自分のことを案内人といった
「それはお前の名前が?」
「正しい名前は忘れてしまったよ。僕は自我が保てず裏世界に飲み込まれてしまったからね」
続けて彼は言う。
「そろそろ行かなくていいのかい?マイシャが心配しているよ。」
「マイシャは捕まていないのか?」
この男はどこからそれを知ったのだろうか。
俺はマイシャは捕まったか、最悪もうこの世にはいないと思っていた。
「君の封印のゴタゴタの時に逃げていたようだ」
この男どこまで知っている
「それなら帰ろうか」
マイシャがいるならすぐに行かなければ。長老から預かっているんだ。
「きちんと僕も召喚してくれよ?」
彼は心配そうに言う。
「保証はできないな」
俺はそう言ってから裏世界に転移を命じた
目の前が明るくなった。
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まだ明るさに慣れてなくぼんやりとしている。
体が重たい。
特に胸のあたりに重さを感じる。
あまり硬いものではない。生き物だろう。
食べられる寸前なのだろうか。顔の近くに何かある。
段々とはっきりしてくる。
人だ。
幼さの残る整った可愛い顔。
髪は青みがかったシルバー。
子供だろう。
・・・いや。マイシャだ。本当に逃げていたんだ。
目が赤い。泣いていたのだろう。
なぜ?
そうか俺が倒れているからか。
さっきのを見ていたのだろう。
段々と体にも力が入ってくる。
マイシャの頭を撫でてやる。
さらに大きな声で泣き出してしまった。
「・・・」
何か大きな声が聞こえる。
どこかで聞いたことのある男の声。
俺はまた気を失った。
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アイウダ村のサルシアは狩りの途中だった。
遠くに龍が飛び去っていくのと見ながら馬に乗り村の周辺の魔物を狩っていた。
サルシアは今日は少し遠くで狩りをしていた。
しばらくすると少し遠くで戦闘音が聞こえる。
魔法の音が止まない。相当強いのだろう。
この辺にそこまでの魔物はいないため何が戦っているのかはピンときた。
サルシアはその若さからかあの男がどういう風に戦うのかが気になったのでその戦闘音がする方へ向かうことにした。
残念ながら着く前に爆発音を最後に静かになった。
戦闘が終わったのだと分かって馬のスピードを落とした。
するともう一度大きな音がする。
先ほどとは比べることはできないほどの大きな音。
まるで世界が割るかのような音。
サルシアは馬から降りた、そしてゆっくりと歩いて向かうことにした。
その音はすぐに止んだ。
そして何か言い争いが聞こえたあと先ほどの黒龍が飛んでいった。
「何が起こっている」
場所は近いようだ。
なぜなら、黒龍は少し行った所から飛び去った。
黒龍が見えなくなった後、女の子の泣く声が聞こえる。
・・・マイシャちゃんの声だ。
サルシアは急いでマイシャちゃんの方へ向かった。
俺はマイシャちゃんが見えたため大声で呼ぶ。
マイシャちゃんはどこか見たことがある人間を覗き込むようにしていた。
もう泣いてはいなかった。
その男が動いた。
その男はマイシャちゃんの頭を撫でた。
するとマイシャちゃんは先程より大きな声で泣き始めてしまった。
思わず俺は
「何をしている!」
と叫んだ。
その男は俺の声を聞いてまた気を失った。
それからが大変だった。
俺はあの魔族のアバドとか言うのに似ているこの男を連れては行きたくなかった。
しかしマイシャが離れようとしなかったため、仕方がなく連れて行くことにした。
馬には無理をさせたと思う。
俺をはさんで後ろにアバドもどき、前にマイシャちゃん。
スピードは出せない。しかしもうじき夕暮れだ。
運がいいことに他にも狩りの帰りに会えた。
ここで会えなかったら夜まで間に合わなかっただろう。
ここでは素直に離れてくれた。
マイシャちゃんは村では離れようとしなかった。
マイシャちゃんの祖父のデリシン様(長老)はもう村を出た
村の者はマイシャちゃんの召喚魔法を怖がってあまり強く言えない。
結局疲れて寝るまで離れてはくれなかった。
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「あれ?おかえり!・・・だね!」
その男は部屋の中心の椅子に座りながら言う
「ずっと待ってたんだよ!呼び出されるの!」
机を叩いた。
「忘れられたかと思ったよ・・・」
男はと突然泣き真似をする。
とにかくうるさい。
やっぱり俺はそれが男としかわからない
一本の黒いモヤの顔の部分にピエロの仮面。
何故か男だとわかる。
・・・いや多分声で判断しているのだろう。その独特の明るい声。その飄々とした喋り。
喋るときにゆらゆらと揺れる一本の黒いもや。
時々枝分かれして出てくる手のようなもの。
‘おかえりなさいませ主オーナー‘
目の前に現れる文字。
お前に至っては自我があるのかさえわからない。
あの男と同じようなものなのか。それとも唯の文字なのか。
「帰ってきたくはなかったがね」
「で?なんで俺はこの世界に?」
‘現在アバド様の精神と体の接続を確認中‘
‘一時接続で確認された120の問題を解決しています‘
「そんなにあったのか」
変な違和感はなかったが・・・
‘一番の問題は転送時の覚醒の遅さです‘
‘戦闘時であれば生命の危機となります‘
「あれもそうなのか・・・」
封印されかけた後だったしあんなものかと思っていた
「で?いつごろ終わる?」
‘日が昇る頃には‘
「僕はのけものかい?」
仮面が泣き顔になり、また泣き真似をしている。
聞こうと思ったがやめておく。面倒なことになりそうだ。
「朝までか・・・眠気もないし本でも読むか」
とりあえずほっとこう。
「椅子を出してくれ」
唯一の椅子はあれが占領しているしな。
「あれ?もしかして・・・無視?」
動きが止まる。
「あぁ・・・面倒だからな」
返事をしてみた。
「そこは反応するところじゃないよね」
動きも止まって少し静かになった
「何かおすすめの本は?」
ここから選ぶのはすごく大変そうだからだ。
「僕は召喚魔法の本がいいと思うな!」
男が反応する
「お前には聞いてないんだが・・・」
‘戦力の増強には一番いいかと‘
まさかのフォロー
「おっおう・・・それならその本をくれ」
‘私には実体がないため実行不可‘
「僕がやるよ~。彼女には何処にあるかの知識しかないからね!」
彼女?もしかして女なのか?
「性別があったのか」
おもわず聞いてしまう。普通に失礼なことだ。
‘はい。私と案内人は元は表世界の住人です‘
‘私は表世界から裏世界に最初に来た生物です‘
‘ですが主オーナーとなることは失敗したため裏世界に来たものの選定役となりました‘
「ちなみに僕はたまたま近くに居ただけだよ!」
男が割り込んできた
「彼女は自分が何者か忘れてしまったようだけど、でも僕はもともとここの住人だったから生物かどうかも怪しいんだよ!」
軽く言ったが衝撃発言。もしかして木と話していたのか?
‘・・・裏世界でも生物にしか自我は宿りません‘
気持ちを察してくれたのか解説が入った
「お前はそろそろ本をもってこい・・・」
男は本棚の方へ移動していく。
椅子も用意してくれた。
少し話しすぎたか。
俺は男が持ってきた本に意識を移した。
朝はすぐにやって来た。
どうやら裏世界の本は表世界で取り出すこともできるらしい。
俺は表世界にやっと戻れた。
主人公のバランス難しいです