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4話 裏切り

主人公の強さの設定が壊れていたので(成長幅)

テコ入れしました

目の前のエルフは呆然としていた。

当たり前だろう、仲間の首から上が吹き飛んだんだ。

どうやら、何が起こったかわかっていないようである。

すぐにエルフは気を失った。当然の反応だ。


「エルフ捕獲完了。」


「流石主。『アプスの回復士』ルフェニを捕まえてしまうとは」


俺のつぶやきに大天丸が返した。

だがおかしい何故皆が降りてきている?

しかも魔法の気配さえ感じる。



「でも主よ。あなたは復活が遅すぎた。」


プラーミャの声。

なぜこんな事を言う?

信じたくないが一つの可能性が生まれる。


「主。あと100年早く復活してくれていたなら配下全員で・・・」


グロムの声。

配下全員?

もしかして居場所がわかっているのか?



「お前ら何を・・・」

そういって振り向こうとしたとき。



「「「世界からの切り離しディタッチワールド》」」」



その瞬間襲ってきた強烈な封印魔法。

ゲーム時代にはなかったものだが、今現在受けている俺ならわかる。

これは封印魔法でも最大級のものだろう。

封印魔法のはずなのに『死の気配』さえ感じる。




俺佐々木信は社畜だった。

始発で出て、終電で帰る。

そんな生活。


そんな生活の中で仕事以外を占めていたのが『Life's first adventure』だった

休みの日は一日中やった。この世界の中に飛び込んでしまいたいほど・・・

そんな生活を続けていて突然起こった『転移』

俺は信じられなかった。とうとう気が狂ったかと思った。

それでも嬉しかった。


初めての村。

長老と話をしていてだんだんと実感が沸いてきていた。


(そういえば村も長老も名前を聞いていなかったな)


ゲーム時代のNPCにあって、その成長を知って俺は自由になったんだと思った。

「俺は!」

この世界に来るために多くの物を失った・・・

同じ軍の仲間。

・・・いや違う。一緒に『Life's first adventure』でバカやったゲーム仲間。

でも手に入れた!この世界に来てやっと手に入れることができた!


「俺はやっと自由を手に入れたんだ!」

俺は封印魔法に全力で抵抗する。

やっと手に入れた自由。それを失うわけにはいかない。


何故近接戦闘職の彼らが封印魔法を使えるのかわからない。

でもこちらは魔法職だ!封印魔法は専門外とはいえ近接戦闘職よりは魔法が得意!


      ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 


「流石は主!・・・すごい抵抗だ!」

大天丸は焦る。

このままでは完全に封印するのは無理かもしれない

だが世界からの切り離しディタッチワールド》は最高の封印魔法

主とはいえ無事では済まない。




大天丸はこのなかでもっとも主のアバドをしたっていた。

他二人は強き者に従うだけ。

だから『あの方』に従っているのだろう。

大天丸は違った。

あの戦争から1000年のうちに大天丸は家庭を築いていた。

最初300年くらいは皆アバド様を探していた。

だが段々とその数は減っていった。

新しい生活へと進んだのだ。


そして200年ほど前『あの方』は誕生した

その勢いはすごく、全ての種族を従えることになった。


無論大天丸がお世話になっていた龍の里でもそう。

里から一番の者を出すよう言われた。

すぐに大天丸に決まった

なぜなら、もともと余所者だ。しかもあの大戦の生き残り。

しかし大天丸は行こうとしなかった。

「私が従うのはアバド様のみ」と譲らなかった。


話し合いは三日三晩続いた。

だが大天丸は『あの方』の下へ行くこととなった。

愛する妻は『あの方』の部下にさらわれ、幼い我が子が行方不明になったからだ。

我が子は幼く、龍の時はワイバーンほどしかなく、人の時は小学生低学年ほどしかない。

才能は充分あった。だが我が子にはあの聖魔戦争のような経験はさせたくなかった。

そしてその経験の少なさから成長が他よりも遅く、他の龍族の子からイジメられていることも知っていた。

それでも戦わせるのは嫌だった。


村の者が言うにはあの方の部下が来るのに気付き村から逃げ出したらしい。

もうダメだろうと思った。だからこそ妻を失うことはできなかった。

だから『あの方』の下へ行った。魔王『ワルド』の下に。




主はすごかった最高の封印魔法を信じられないほど長く受けていた。

自分ではその十分の一も持たないだろう。

しかし主の存在は段々と薄くなっていった。

大天丸はそのとき少しおかしいなと思った。


世界からの切り離し《ディタッチワールド》は一度使用したところを見たことがある

魔王級の主にいきなりでは逃すかも知れないと言われたからだ。

かけられた相手はオーブになり世界から切り離され封印された。


主は違った。

段々、段々と存在が薄くなっていた。


そしてそのまま『消えてしまった』のだ


消えたあとにはオーブは残されていた。

しかしそこに大切な『何か』がなかったような気がした。




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