18話 依頼
インフレ回
現時点個人最強はルシフです。
主人公は魔力の絶対値が足りないため強い魔法が打てません。
(まだ当分魔王は出てこないので設定は0です。)
今は『峨々たる山脈』の会議室にいる。
百人は入りそうは会議室に十人ほどしかいない。
Aランク数人とギルマスしか参加を許されていないだろう。Aランクでも上位数人。
デコイとラクティの参加資格はありそうだが、あの二人はギルドの参加希望者の腕試しという役目がある。
あの二人がギルドの入会審査をしているそうだ。案外大物だよ。
(きっとデコイに一任されているんだろうけどな。ラクティ働かないし。)
このギルドには三人のSランクがいるらしい。一人は俺の師匠。そしてギルマス。あと一人は知らない。
師匠がこのギルドに所属していたのは驚いた。あの人がどこかに所属するなんて。
ギルマスもすごい人だ。
ゲーム時代でも一対一で勝てる人はなかなかいないだろう。
俺でもおそらく難しい部類のやつ。あのころはNPCの仲間に任せていた。負けることは無いからな。
ゲーム仲間にはそれほどの強さの近接武道職はいなかった。
自分の見た目に合わせたどこでなるのかもわからない変な職業のやつが多かった。
そのせいで一人いた召喚士は忙しそうだったな。
スライム族で『アスチルベ』という名前だったけな。花言葉からとったらしい。
いいおっさんが花言葉かよ、と思ったっけ。リアルではあったことはないけどさ。
あの戦いのあとに初めて打ち上げとして軍の全員で集まる約束をしていた。
・・・なつかしいな。
ギルマスは格闘家で自己強化中心。技も直接攻撃のみだそうだ。
それだけ聞けばそこそことしか思わないかもしれない。
属性が鉱物でなければ。地属性の変化種。
気を変換することで体の構造を変化させているらしい。
簡単に言えばロボット。動きが人間より良いロボット。
火属性なら問題ないだろと思った人もいるかも知れない。
この世界には魔力を吸収する石もあるんですよ。
気の変換は対象外。でも金属を溶かすほど高温の火を使える武道職なんてほんのひと握り。
つまり恐ろしく硬いのに弱点がない。
負けはしないだろうが勝てない。俺は攻撃魔法士だし近接攻撃に当たるようなヘマはしないけど。
そんな人。
見た目は豪傑。
体格は変化していなくても岩のよう。そしてハゲ。
最強のハゲ。名前はコンゴウ。
武道職で一体化が出来る人自体簡単なことじゃないけどね。
実際コンゴウさんとは戦ったことは無いから技が直接攻撃だけとは限らないけど。
一体化しながら気の放出は無理だと信じたい。
「それではガラン、今回の依頼の説明をしてくれ」
静まり返った会議室にコンゴウの声が響く。
「はい、それでは今回の依頼の説明をさせていただきます。今回は『ダレイの討伐』です。」
なんだって?
ダレイの討伐?
「今朝ラサニアをさらっていきました。魔王の門を使って。」
まさか・・・俺が生きているのがバレたのか?・・・
魔王の門を言うのは一番強い魔族軍のトップが使える専用魔法。
数少ない移動魔法。
「どうやらダレイは魔王軍と繋がっていたようです。目的は・・・不明です」
目的は元魔王俺だろう。それはガランさんも気づいている。
こんなところで元魔王だと言われてしまったら依頼という場合でなくなってしまうから隠したのだろう。
「ですがアバドさんを指名して草の大陸のサザーアン国に来いと言い残しました」
・・・
「おそらく行けば何か攻撃にあうでしょう」
・・・そうか奴らは・・・
「ガラン、その時に一人などの条件はつけていたか?」
「いいえ、つけていません」
ギルマスがガランさんに何か質問をしていたが何も頭に入ってこなかった。
相手はきっと俺がこの国で地盤を築いているのを知っているだろう。
今攻めても国が動く。俺の正体をバラしても話を聞いてくれる。
しかもこの国なら守ることを意識しなくてもいい。
もともと別の大陸に近い国のため防御も優れている。
ルシフが説明してくれたがサザーアン国というのは農業大国なんだそうだ。
人族が中心だが国防力は低い。あまり大きな国ではない。
そして農地のため開けている。
そこで消すつもりなのだろう。
(ルシフお前を召喚する。準備しておけ)
‘いいのですか?‘
(二度言わせるな)
‘種族はこちらで決めさせていただきます‘
「ガランさん、この依頼一人で行かせてもらう」
「ですがどれだけの強さかわからないんですよ。せめてコンゴウさんだけでも」
「魔王には借りがある。あいつのせいで俺は魔王の力と仲間を失った」
場が凍りつく。
それはそうだ、アバドという名で元魔王と言えば一人しかいない。
「・・・わかりました。しかし一人では」
「一人じゃないさ。一番信頼している仲間を連れて行く」
「マイシャさんですか?」
「違う、マイシャは戦えない。連れて行くのは世界でもっとも恐れられた魔女だよ」
「まさか。名も無き魔女ですか!?」
「そうだよ。彼女の召喚は絶対にしたくなかった。
彼女はサブの権限を持っているから知識への接続が可能なんだよ。
しかも俺より長いから『直接接続』が可能なんだよ。だから彼女がいると戦いではなくなる。
一方的な虐殺だよ。俺は『世界の王』だが彼女は『世界の意思』なんだ」
「・・・」
「だけどな俺は怒っているんだよ。二度も俺から奪おうとした魔王に」
「ラサニアさんはとんでもない人を愛してしまいましたね」
「ラサニアにだけは勝てないよ。俺を愛するあまりに世界を超えたあいつには」
「何も言えませんね。それでは任せましたよ」
「ルシフ扉でそのまま裏に行くぞ」
‘了解しました‘
そう言ってアバドは扉の奥の闇に消えた。
「ガランあいつは何者だ。元魔王のアバドじゃないのか」
「コンゴウでもそれには気づいていましたか」
「あれはこの世界で一番敵に回してはいけない者ですよ」
「しかしまだ人間の域のようだが」
「彼は今現在封印されているのですよ。ステータスの全てを」
「あの力はなんだ。まさか封印の時に逃れた残りカスとでも言いたいのか」
「正確にはわかりませんが、おそらく人間体を作った時に一緒にできたオマケなのかもしれません」
「それなら魔族で体を作ればよかったんじゃないか?」
「そのはずです。・・・もしかしたら世界の意思も主の完全な目覚めを恐れているのかもしれません」
「お前らもちろん会議室内の話は全て話すなよ」
「いっても誰も信じませんよ。アバドが元魔王って所までならまだしも、さらにあるかもわからない裏世界の王だなんて」
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「で?なんでここにいる?」
「アバドおかえり!本棚の本読ませてもらってるね!」
「読んで楽しいのか?」
ページが進めば内容が難しくなっていくようにまとめられているから読みづらいわけでは無いが・・・
「うん!絶滅種の図鑑があったの。
絶滅種は情報が少なすぎて今までは種類が少なかったんだけどこれがあればもっといいのが出せるよ!
オマケで魔王種の召喚も完成しそう。
それに魔物のつくり方(初級編)なんて本もあったよ」
「えっ、どこにあった?その本部屋の中にはあったはずなんだけど見つからなくて」
「天井の裏」
どうしてそんな場所に。きっとコクエンのせいだろうな。
「そんなことよりなんでここにいる?」
「異世界召喚の魔法陣を作ってる時にうまくいかなさ過ぎて暇つぶしで設定を『アバドの世界』にしたら繋がったよ」
‘これが先ほどの重大事です。マイシャ様は奥様と違いアバド様のルートを使用していません。‘
「まさに天才だな。もしかしたらあの長老のすごい人かもな」
「え?どこから声がするの?」
マイシャが不思議そうな顔をしている。
「魔法陣の設定ってなんだ?」
「魔法陣はね、不思議な絵のように見えるけど文字なんだよ。魔法文字」
「魔法文字?」
知らない言葉だ。
‘・・・魔法は私が生きていた時にはすでに存在していました。ですが魔法文字なんて聞いたことはありませんし、裏世界の知識の中でもまだ接続不可です‘
「私も詳しくは分からないの。魔法陣を書いていて規則性があるのを発見したの。
その組み合わせ次第でいろいろと情報が隠れているんだよ。その魔法陣が動くか、動かないかもそれでわかるの」
「ハクエンお前にはわかるか?」
「我にも少し理解できるようにはなった。毎日姫君の作成風景を見ていたのでな。
我にも仲間の呼び出しができるようになったぞ」
「マイシャ頼みがある。お前が今召喚できる最強のモンスターの魔法陣が欲しい」
「なんで?危険だよ」
「ラサニアが攫われた。
救出は簡単だが相手がやばい。魔王軍だ。本人は出てこないだろうが獣人を使って攻めて来るだろう。
奴らは数が多い。だからルシフを召喚しようと思う」
「ルシフさんってこの天の声?」
「そいつだ」
「でも私ルシフの召喚陣なんて書けないよ?」
「魔物でいい。この世界の住人は召喚時に体を乗っ取ることが出来る」
「う~ん・・・でも失敗したら危険すぎるよ。一つだけ心当たりはあるけどあれはなあ」
「どんなのだ?」
「原始種『星喰い』。魔力でできたスライムだよ。今は深海で眠ってる。
自身が魔力体のため魔法無効、そしてスライム特有の物理無効。もしも今起きたら全ての種は滅びてしまうと思う。このスライムのせいで一度この星は滅びかけたみたい」
‘原始種は生前聞いたことがあります。原子種とはその種の先祖。それはどれも恐ろしいと。
今魔物はその原始種から細分化してできていると。人族で言うところの『神』や『創生者』です
人族にも創生魔法というものがありますが、マイシャ様レベルまで到達できれば・・・原始回帰種とでも言っておきましょうか、原始種と同等の力になります。今の創世魔法はそれほどまでに失ったものが多い‘
「ルシフ行けるか」
‘問題ありません。スライムであれば擬態により人型にもなれますし、アバド様のサポートも今までは通りできそうです‘
‘私の第一目標はアバド様のサポートなので‘
「そうか、ありがとうな」
「そういえば他にもイタズラしてないよな」
少し心配になった。既存の魔法陣をほとんど書けるようになってから結構立つ。
「ちょっとだけ・・・」
「姫君あれらをちょっととは流石に・・・」
珍しくハクエンが自分から喋る
「どういうことだ。ハクエン説明してくれ」
「最近のですと、アプスを囲む壁を全てゴーレムにしてしまったり。近くの森にガラン殿お気に入りのコーヒー豆を放したり。頼まれてガランさんの店もゴーレムにしていました。
・・・あと私は直接見ていませんがアプスの真下に『大陸移動亀』を召喚しているようでガランさんにかなり怒られていましたな」
「国を囲む壁全てゴーレムなのか?!」
ゴーレムはかなり珍しい部類の魔物。どうやらかなり昔に作られた兵器らしい。
基本的に単体での行動が多く、門番や宝番といった守護の任務をしている。
今は失われてしまったが長い間製造されており、個性の無い旧型と言われるものが8割を占める。
他に新型と言われているゴーレムが存在し、それは個性豊かで職がありサイズも小動物ほどのものから巨人サイズまでたくさんある。
旧型のうち3割ほど大戦兵器種と言われるとても危険な種類もある。
戦闘型でない、非戦闘型のお手伝いゴーレムは今でも製造方法がある。
戦闘型が製造不可なのは、戦闘回路と呼ばえる戦闘の全てを司る部分の製造方法が失われてしまったから。
「お城もゴーレムにし見たんだけど、お城の素材だと兵器種が出来たから数体で止めておいた」
「大戦兵器種は作ってないよな」
「うっうん!それはでなかったよ」
「姫君嘘はいけません。守護四塔は巨人型大戦兵器種で慌てて『亀』同様眠ってもらったではありませんか」
「うっ・・・言わないでよぉ」
「下手な魔族都市より落とすのが難しそうだな」
近づいたら亀が起きて甲羅の上。
町を囲む城壁全てゴーレムで登ることは不可、角の四つの塔は大戦兵器種のため大規模攻撃。
しかも城にも兵器種がいる。
「さらに・・・」
「もういいハクエン・・・話が進まん」
「いいのですか?」
「まずはラサニアをここに転移させる。彼女の安全が第一だ。それから表に戻ってルシフの召喚を始める」
「殲滅の準備だ!」
主人公は気づいていませんがマイシャもかなり強いです。
いたずらで村を要塞に出来るレベルですね。
敵はNPCとは言えゲーム時代の主戦力のためこれでもどっこいかなと考えています
最初の三人をスライムに入ったルシフがいい勝負といったところですかね




