表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/33

第1章-8

「「うわあぁぁあああ!?」」

俺らは思わず悲鳴を上げて逃げ出してしまった。

この世界では敵に背中を向ける行為は非常に危険だ。それもそのはず、クリティカルヒットが出やすくなるからでもあり、そもそも逃げれる確率が非常に低いからでもある。

「ユウ! 逃避石持ってるか?」

走りながらのせいで大声で聞いてしまい、怒ってるような言い方になってしまった。

「す、すいません!持ってないです」

そりゃそうだよな。っと、心の中で舌打ちをした。逆に持ってる方が珍しいという品で、その石を使うと敵が自ら去っていくという貴重なアイテムなのだ。

ついこの前までは持っていたのだが、使ってしまい現在0個。

要するに逃げる手段ゼロー。

「これって…………」

絶体絶命じゃねえか。

方法は一つのみ。

「ユウ!」

「は、はい!」

息を荒げながらユウは恐怖混じりの返事をした。

「戦うぞ!」

俺は急ぐ足を方向転換して、剣を強く右手で握る。

「ほ、ほ、本気で言ってるんですか!?」

「本気だよ。いつまでも逃げてたら回復が間に合わなくなっていつか死ぬ。だから戦うしかない」

ユウは不安な顔で俺を見つめる。大丈夫なのだろうかっとでも聞きたいのだろう。だから俺は。

「大丈夫。君の剣の技術があれば勝てる。だから、力を貸してくれないかな?」

ユウは一瞬、何か考えるように固まると、俺をキリッとした表情で見つめて頷いた。

「はいっ!」


通常、ボス系の大型モンスターを安全に倒すには、フルの1パーティまたは2パーティが必要のところを2人で倒すんだ。

これは非常に厳しい戦闘になるだろうな。

「俺は前衛でおとりになるから、攻撃力の高いユウはその間に攻撃してくれ!」

思わず命令口調になってしまったが、非常事態だから仕方ないだろう。


俺は言い訳を心の中でこぼすと、勢いよく雄叫びを上げて、敵に突っ込んだ。

「うおおぉぉおお!」

正直、勝てる見込みは50%。危険な状態になったらユウだけでも逃すしかない。

俺は巨大イノシシの後ろに回り、地味な攻撃を繰り返す。

お陰様でイノシシの怒りの矛先が俺に集中した。

イノシシは怒りのあまり俺しか見えてない。

「今だ!」

俺が合図を送ると、ユウが勢いよくイノシシを切り刻んだ。

体を3回の通常攻撃で叩く、イノシシが少し振り返ろうとした時にはユウのスキルがイノシシの足に直撃した。

痛快な効果音と共にイノシシの体がよろめく。

「ユウ一旦下がって!」

このまま攻撃をするとユウに集中攻撃をされると判断した俺はユウ下がらせ、スキルを発動する。

スキル発動条件モーションをすると右手の剣が青く光りだした。

「腹がガラ空きだッ!」

この攻撃でまたイノシシは俺に狙いを戻した。

ブルルルルルゥウウ。

大きな奇声を上げると俺に突進してきた。

次はイノシシの番だ。

正直言っていいか……。

めちゃくちゃ怖ぇええ。

だが、ここで避けられるほど俺の運動神経はよくない。

イノシシの攻撃が当たり俺のHPバーは一気に四分の一持ってかれた。

吹っ飛ばされもしないし、痛みも感じない。

だけど、このSRRのダメージを食らう感じは何か違和感がある。

これがVRMMOならどんな感じなのだろうか。吹っ飛ばされるのだろうか。

って、今はそんなこと考えてる場合じゃない。

VRMMOのことを考えると現状のことをすぐ忘れて、考えてしまう。俺の悪い癖だ。

「サクヤさん!HPが!」

「まだ大丈夫。だから、俺がいいって言うまでそこで待ってて」

あと2、3回攻撃を食らったら終わる。

俺はイノシシの足元に通常攻撃を繰り返した。

だが、なかなかHPが減らない。

自分のレベルの低さを恨むぜ。

次は相手の攻撃するターンだ。

イノシシの攻撃がまたも俺の体に激突する。

それと共に俺のHPもグーンと減る。

自分のレベルが低いことをこんなにも憎む日が来るとは思わなかった。

普通のゲームのRPGは、レベルが低かったら上げればいい。倒せない敵がいれば、たくさんの敵と戦いレベルを上げればいい。

そんな単純なことだったのにここでは上手くいかないし、今の俺はレベルが低い。

だけど、殺らないと殺られる。

俺一人だけが死ぬのはいいけど、ユウまで犠牲にするわけにはいかない。

イチかバチかで突っ込む。失敗したら死ぬだろう。

俺は決心をして、イノシシの足に連続で攻撃を繰り返した。

さすがのイノシシも1歩2歩と後ろに下がる。

「そこだ!」

俺はスキル【ロースライド】を発動させた。

ロースライドとか言っているが単に、体を低くして右から左へ両足元に剣で斬るだけだ。

この技の特徴は、大型モンスターには高い確率で体をよろけさせることができるもので、通常その間に仲間が攻撃をするのがセオリーだ。

だが、俺はまだユウに合図は出さない。

俺の狙いはこの先だ。

よろめいたイノシシはなんとか堪えようと後ろに下がったその時、後ろにある大きめの木々の根に足が引っかかった。

「ビンゴ!」

思わず俺は口に出してしまったが、恥じてる場合じゃない。

俺はすかさずイノシシの正面に剣を入れると思い通りにお腹丸出しで倒れた。

「ユウ今だ!MP気にせず全力で攻撃してくれ!」

「はいッ!」

ユウが後ろから飛び出ると連続でスキルを巨大イノシシの腹にぶつけた。

こうなってしまえばこっちのものだ。

大型モンスターは攻撃力も防御力もHPも高いが、起き上がるのに時間がとてもかかる。

俺はそれを狙っていたんだ。

その後は恐ろしいことに、ユウの5連続の剣技 (まさかのすべてクリティカルヒット)によって、イノシシが起き上がる前に倒してしまった。

俺の攻撃力ではイノシシが起き上がって、あっさりくたばっていただろう。

ユウには感謝しているが、レベルの差に少し、いや、ほーーんっの少し、俺は落ち込んでいた…………。


6/7

どうも白川みつきです。

更新が今週中に間に合って良かったーっと安心しております。

(ほんとは今週の月曜日に更新しようとしてたなんて口が裂けても言えない!笑)


それはさて置き、今回は戦闘がメインなっております。

ちょっと書きすぎて読み手の方に引かれないかなー、ウザがられないかなーっとびくびくしております。


それと感想なども待っております!

より良い作品にしたいと思っているのでぜひお願いします‼︎


ではでは。

次回の更新も来週中になります。

できるだけ、早く更新したいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ