第1章-5
「そ、そうですよね!人に聞いといて自分のこと言わないのは失礼でしたね!」
焦り混じりの声を上げ、ユウは頭を下げた。
「いやいや!大丈夫だよ!」
俺がユウの頭を上げてあげると、続けて追放者になった理由を語った。
「さっきも言ったけど俺はレッドプレイヤーだ」
レッドプレイヤー。PKをした者のこと言う。
パーティーを組んだり、プレイヤーの情報を見られたり、カーソルを合わせたりすると赤表示になるため、通常のプレイヤーは簡単にわかってしまう。
だが、10日経つだけで消えてしまうため、これに対して学校側に訴える者もいるようだ。
「…………」
ユウは黙って俺の顔を見る。
そんなにじっと見られると恥ずかしいが、耐えて続けることにした。
「だから、クラスから追放された」簡単だろ。我ながらわかりやすい説明だ。
「でも。普通、プレイヤーキルぐらいじゃ追放はないですよ」
あっけなく俺の説明に否定が入り、興奮気味にユウが言う。
「あまりいい目では見られないですけど、追放はやりすぎですよ!」
ユウはまるで自分のことのように顔を赤くして否定し、怒ってくれた。すると、我に返ったように顔色が戻り。顔をまたほんのり淡い赤色に染めて下を向いてしまった。
その姿に頭を撫でたくなる衝動に陥りそうだったが何とか自分を抑えた。
抑えろ抑えろ抑えろ。犯罪だぞ犯罪だぞ。抑えろ抑えろ……。
俺は荒ぶる心を落ち着かせ、一息ついて言った。
「…………それは他クラスの場合だよ。俺は同じクラスの仲間をキルしたんだ」
強い風の音がした。こんなに森が静かだったのかと思わせるぐらいに会話が消えた。それもそうだろ。こんな話を聞いたらな。
ユウは困った顔で、また地面の草を見つめた。
風の音、木が揺れる音、虫の声、鳥の声。その全てが一瞬消えたと思った時。
「なんでしたのかは聞きません。でも……でも」
でもパーティーは解消するとでも言うのか?
まぁ、そう言うのもおかしくない。
「でも、私にはサクヤさんは悪い人には見えません!だから、きっと何か理由があったですよね、って勝手に私は信じてみます!」
えへっと笑顔で言うユウの顔に思わずドキっとしてしまった。
だって、本当に可愛かったから仕方ないだろ。
こんな笑顔見せられたらさ。
4/5:
どうも白川みつきです。
いつも読んでくださり有難うございます!!!
今回はサクヤの過去を少しだけ晒しました。
今後もサクヤの謎を少しずつ晒していくのでお楽しみに。
次回の更新も不定期ですが、来週中(4/6〜4/11)には更新する予定なのでよろしくお願いします!
それとブックマーク2件ありがとうございます!執筆のはげみになります!
これからもよろしくお願いします!!!
追記
5/5
活動報告を更新しました。できれば見てください。休んでた理由と言う名の言い訳を記載しました。
大変申し訳ありません‼︎