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第1章-3

 良く晴れた朝の7時になる10分前。

 街は朝早いせいか人はほとんどいない。そんな静かな街には小鳥の囀りのみが聞こえる。

 ユウは小学校か中学校の教えに習い、10分前行動をしたのだが、目の前にいる謎の剣士に驚いた。

 まさか自分よりも早くいるとは思わなかったからだ。

 時間も場所も自分が勝手に決めたのにもかかわらず、遅れた自分に少し情けなく思いったユウは深呼吸をして。

「あ、のっ……」

 ユウが声を掛けようとしたが、目の前の剣士の姿に引き締まった頬が緩んだ。

 それはNPCキャラである野良猫に向かって。

「にゃーにゃー」

(うぅ〜、な、なんだろうこの感じ。萌えるってこういう気持ちのことを言うのかな?)

 と少女は剣士の恥ずかしい姿を「あともうちょっとだけ、あともうちょっと、あと……」と3、4分見ていたのはユウだけの秘密だった。


***


「あ、あのぉ〜?」

 と声を掛けられた瞬間、俺はびくりと体を震わせたがなんでもないように立ち上がる。

「お、おっ、どうも」

 平常を装う。平常だ咲也。平常。

「えーっと、そこで何をしてたんですか?」

 何故だが少女が意地悪っぽい笑みを浮かべてる気がしたが、気にせず俺は誤魔化す。

「あの、あれだよ。ちょっとアイテムでも落ちてないかなーってはっはは」

 平常じゃないぞ俺。街中でアイテムなんか落ちてるわけないだろ。

ごくたまにあるようだが。

「と、ともかく。名前を言ってなかったよね、俺はサクヤ。好きに呼んで」

 ここでは苗字を名乗るのは暗黙の了解で禁止されている。だから、ほとんどのプレイヤーは本当に心を許した者にしかフルネームは教えない。

 中にはキャラネームを名乗る奴もいるぐらいだ。

「じゃ、じゃぁ、サクヤさんで……。私は、ユウです」

 興奮してたせいか、昨日と今日では様子がまるで違う。

「それよりも!」

 先に言葉を発したのはユウだった。

「私は4日以内に7000G(ゴールド)が必要なんです!!」

 7000か……。

「だからと言って、プレイヤーから盗るのは結構なリスクがあるよ」

 ユウは少し下を向いたが、すぐに顔を上げ俺を睨むように言った。

「じゃーどうすればいいんですか⁉︎私、4日以内に集めないと不味いんです!!」

 ユウの必死さと焦りがとても伝わる。

 だが、それでも俺は冷静に言った。

「だから俺はいい狩場を知ってる。そこでモンスターを倒して稼げばいい。4日もあれば十分だ」

「そ、そんないい狩場あるんですか⁉︎」

「まぁ、いいんだけど。一つ問題がある」

「もんだい?」

 ユウの首を傾げて俺を見上げる姿に俺のHPが削れた気がした。

 それ反則だよ。

「その前に」

「お、教えてくださいよっ!」

 だからその上目遣いやめてくれ。

「後でちゃんと教えるから。その前に、ユウの職業とメインウエポンを教えてくれないかな?」

 SRRではレベル、名前はフレンドになると見えるようになるが、職業やメインウエポンなどの情報は本人の口でしか聞くことができない。

「私の職業はレベル36のアタッカーで、槍を使ってます」

 う、嘘だろ。

 俺はあまりのショックに崩れ落ちそうになった。いや、片足はもう崩れている。

「…………」

「さ、サクヤさん?」

 帰ってすぐにフレンド登録をチェックするべきだった。

「えっと、サクヤさんは?」

「……俺もアタッカーだ。メインは片手剣か大剣を使う…………レベルは31だ」

 正直、俺の方が3、4上かなって思ってたんだ。

 だけど、自分が5レベ下だとは思わなかった。

「それじゃあ、ポーションがいっぱい必要になりますね」

 崩壊しかけてる俺とは別に話を続けるユウ。さてはもうフレンドリストで確認してたのか。

「それはそうと、もんだいっていったい何ですか!?」

 ユウの質問で我に返った俺は答えてあげた。

「……か、簡単なことだ。その狩場は洞窟の奥にあって、その奥に行くまでのモンスターが中々手強いんだ。対象レベル……35。狩場のモンスターは一体倒せば850Gは貯まる」

 せっかく気持ちを切り替えたのにまた負の感情が湧いてくる。

 アニメやラノベのソロは強くかっこいいが、現実のソロはいい狩場に行けないし、仲間がいないため自分が倒せる範囲で、できるだけ経験値がもらえる敵を何百回も繰り返さなければならない。

 そのため頑張ってもこのレベルだ。

「なるほど、わかりました!それでは買い物を終えたらすぐに行きましょうっ!」

 ユウに希望が見えたのか、会って一番の笑みを見せてくれた。

どうも白川みつきです。

読んでくださりありがとうございます。

今回は進展がさほどなかったですが、次回からは戦闘に入っていきます!

ユウよりもレベルが低いサクヤの役回りにも注目してくれるとうれしいです!

感想をお待ちしております!!!


ではでは。



追記

3/30:

次回の更新は3/31の予定です! 読んでくださると嬉しいです!!


それと、今日(3/30)に第1章-3の最初の部分の修正をします。追加される情報があるので、読んでくださると幸いです。


そして、読みづらくまだまだ未熟な私ですが、よろしくお願いします!

4/1:

用事により更新が4/2に変更しました。

誠に勝手ながらすいません!

そして、連絡遅れて大変申し訳ございません!

こんな私ですがこれからもよろしくお願いします!!

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