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第2章-14

言われた通りに俺はナナにちょっかいをかけていた男子について行く。

長い廊下を歩き、階段を降り、中庭のような場所に着くと前を歩いてた男子生徒は俺の方へ向き直った。

コンクリートやガラスばかりのこの学園にこんな自然がある場所があるとは思わなかった俺は思わず辺りを見渡す。

って、そういえばこんな所に呼び出しておいて、いったい何の用なのだろうか……。

ま、まさか……こ、告白⁉︎

い、いやいや。それはないよな?

俺はちゃんと女が好きだから、もし告白されたらしっかり断ろう。

という決心をして俺よりも堅いがよく、身長も高い目の前の男子に目を向ける。

「あのさ〜」

俺はそいつの顔を見てすぐに嫌な予感がした。

「お前さ。よくナナちゃんと話してるけど、なんなん?」

いきなりの質問に俺は慌てて答える。

「え?そ、その〜た、ただのパートナーだけど……」

そう言うと相手の男子はより表情が暗くなった。

「パートナーってさあ?SRR内だけだよなあ?」

明らかに教室の時の態度とは全く違う目の前の男子にこくりと頷く。

「だったらさあ、リアルでなんで馴れ馴れしく話しかけてるのお?」

何も言わない俺に男子は勝手に続ける。

「お前さ、自分の立場わかってんのぉ?ぼっちのて・い・へ・んの!奴が軽々しく関わってんじゃねえよ!」

語尾を強め、俺を見下す。

「…………」

俺はこの眼に見覚えがある。この眼は……。

「釣り合わねってこともわかんねえの?これみんな思ってんぜ?」

男子生徒はニタリ口元を片方に引きつらせ、劣った者を見るような眼差しを向ける。

「オイ!聞いてんのか?オイッ!」

俺は思いっきり腹に蹴りを入れられ、その場で膝をつく。

「ぐえっ⁉︎」

痛い。

これが現実。

蹴られたところも痛いけど、それ以上に心臓と頭が……。

忘れようとしてた嫌な記憶が出てきそうになっている。

「あ、言ってなかったけ?ここ防犯カメラの死角になってるらしいぜ」

なんて最悪な情報だ。こいつにこの情報を漏らした奴を心底恨むよ。

「お前じゃ、釣り合わねえんだよッ!」

横たわる俺にもうひと蹴り加わる。

「うがっ⁉︎」

彼の顔には怒りと何かが満たされるような表情になっていく。

俺を蹴ることによって、ストレス発散してるように。

「なんでナナちゃんはお前なんかと話すんだろうなッ!くそッ!くそッ!」

「うがっ!」

「底辺如きがうぜえんだよッ!キメえんだよッ!オラッ!」

「うぶぁっ!ぶえっ!」

横たわって縮こまる俺を何度も蹴る。蹴って、蹴って、蹴り続け、俺は吐きそうにお腹を押さえた。

「く……」

それにこいつの卑怯さはワザと見えずらい服の下。腹や腕を狙って蹴ってくることだ。

「はぁ……はぁ……うぅ」

ゲームでは痛みはない。現実の体を使うSRRでさえ痛みはほとんどない。

だげど今は痛い。痛い。

これは何のゲームなんだ?

「これでわかっただろ?これが調子に乗った罰なあんだよお!!」

「…………」

やっぱりこいつ、いじめ慣れてやがる。

昔も同じことをしてたんだろう。いじめられ慣れている俺にはわかる。

「次、また調子に乗ったことしたら、今度はもっと大人数で遊んでやるよお〜?」

ふ、ふっ、ふひひひひへへへへ!

まるで地面にいるゴキブリでも見るような眼で俺のボロボロで涙目になる哀れな姿を笑い続けた。

今にも殴り返して、ボコボコにしてやりたい。見返したい。泣かしてやりたい。悔しがらせたい。

「じゃあ〜ね〜〜」

ある程度笑うと手をヒラヒラとさせ、俺の目の前から立ち去った。

「…………」

くそッ!くそッ!クソォオオオオオオオオ!

叫ぶことさえ、反撃することさえできない自分を憎み悔しんだ。

そして……。

「うぐっ⁉︎」

またもさっきの頭痛と心臓に強い痛みが俺を襲った。

いじめの嫌な記憶であり、思い出したくもない最低な記憶。

『キモいんだよ!』『あっち行けよ!』『このぼっち!』『こっち来んな』『帰れ!帰れ!帰れ!』…………。

止めてくれ。もう止めてくれ。俺が俺が、何をしたっていうんだよ!

『キモいんだよ!』

ううぅ。

『お前じゃ釣り合わねえんだよ』

うがあ。

『底辺が!」

うわあああぁぁぁああああああああ!!


何で、何で、何でーーーーーー。

『何で俺ばっかり!!』


「!?……はぁ、はぁ〜」

目の前はまだ太陽も登ってない時間帯なのか部屋は真っ暗で何も見えなかった。

「ゆ、夢か……」

息が切れている俺は上半身だけ起き上がる。

どうやら、ずっとうなされていたようだ。

体中が汗でべたべたとして、気持ちが悪い。

「うっ!」

昨日の放課後、蹴られたところがまだ痛む。少し動くだけでも全身を痺れさせる。

「……いってえな」

ぽつりと呟き、小さなベッドから起き上がり俺はシャワーを浴びに行った。

ふらふらとした不安定な足取りで……。

暗闇の中を。


お久しぶりです!白川みつきです!


更新大変遅れまして申し訳ありません。


これからはハイペースで更新していくんで、よろしくお願いします!


『勇者になれなかった俺は・・・』

もよろしくお願いします!!


ではでは!


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