三十五話 目的 上
「……………」
人工的な眩しい光が差し込む。白くて、見知らぬ天井。
重い瞼を上げて、寝ているらしい体を起こそうとする。
「……」
うまくいかず、上半身のみが持ち上がる。
「?」
正面には、見知った顔が二つ。
「! おはよう」
「調子はどう?」
中原と渡辺。
「………ここは?」
異様なまでの白い壁やカーテンの隙間から漏れる光。なんとなく、想像はついた。だが自分がここにいる理由がわからない。
「病室だよ。しかも個室」
「…覚えてない? まああれから4日も寝続けてたし…」
「……あ。ああ」
頭が痛むが別に思い出せないわけではなかった。謎の迷路のような空間での出来事。
謎の人物、敗北、そして……
「……ん? ……4日?」
確か渡辺は4日眠ってたと言っていた。そしてあの日から4日って、、
「まさか今日って………」
「んー? 文化祭の日だけど」
「なぁぁぁあああぁあ!!?」
☆
「よーっす、元気かーい?」
「見舞い来たっすよー」
「………」
「まあそう怒るな。私のコネのお陰で貴重な個室まで取れたんだぞ」
「なんでこんな一般の所に……しかもタイルス本部の付属病院とか、もろ敵陣じゃない! ウィッカ、いくらなんでもっつ痛…」
「まあまあ。いいじゃないっすか。ここが今は一番良いと判断したまで。たまにはこういう所でのーんびりして下さい。こんな機会もうないっすよー。マレフィ……平沢歩夢さーん……これ本名っすか?」
「どうでもいいでしょ。それよりヴァルプルギス、そうやって鬘とメイクでどうにかなるならそうしてた方が普通に通りも歩けるしいいんじゃない?」
「いやいやー、これがなかなか面倒くさいし意外とすぐ剥がれちゃうしそもそも美人が損なわれるしーであんまりしないのよー。まあそこまでして会いたかったんだよマレフィキウムーー! ってことで☆ いや今は歩夢ちゃん、かな?」
「えぇい鬱陶しい!! というか今日テンション高いな!」
「……はぁー」
☆☆
「そ、ん……な………」
「…まあまあ。落ち込むな。ほれ、お土産の屋台の焼きそばとかフランクフルトとか。看護師の許可は降りてるから腹が減ってるなら」
「うぅう…」
時刻は午後2時。文化祭もピークだろう。それを思うとなんとも言えなくなってしまう。しかし4日間飲まず食わずで流石に空腹度が半端じゃない。しかもそこを意識してしまうと余計に。
複雑な気持ちでプラスチックのケースを取り出し、割り箸を割る。
(……この冷えた感じが余計に虚しくなる………)
「…そういえばあの事件の事はどうなったんだ?」
「そうか、横濱はなんだかんだ全然知らないのか。…どこから説明しようか…」
☆☆☆
「……というわけで、私達が来るのが若干遅かったわ。そこはごめん」
「でも一応間一髪ではあったんすよー」
「うん…そこはいいや。力不足が第一だし。それで、話しは何?」
「「?」」
「ただのお見舞いでわざわざ来るわけないでしょ。さらにヴァルプルギスが来る理由も」
「………」
「…やっぱ隠し事とか無理ゲーっすね」
「…今動けるか?」
「多少なら」
「こっちの隠れ家、三つが一気に潰された。少し遠くに離れる」
「誰がやったかはわかっているの?」
「……『狼』」
尺と時間の都合で病院での出来事を二分します。でわまた




