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ヒーロー☆スター  作者: 健兎
二章 魔女と翼
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二十三話 彼女曰く眼鏡っ娘と幼女

わー…、定期考査前に何やってるんだか




一人の少女が町を駆ける。ビルとビルとを脚力のみで渡り、ビルの屋上から飛び降りる。下にあるゴミ袋をクッションにし、路地裏を逃走。


(無理! 勝てない!)


実際彼と闘ったのは一瞬。狙いを定めて放った一撃を、避けた。わずか数mの距離で。そして感じた、


殺気。


背後に気配と小さな音。恐らく彼、杉護判治と名乗った者がビルから飛び降りた音だろう。


(……ちっ!)


彼女はマレフィキウムと呼ばれる少女。闇や裏で生きる者、といえたら多少は格好が良いかもしれないが、実際はただ殺し合いをしているだけの人だ。その過程で一般人に触れたくないから関わりを持っていないだけで、先程壊した廃ビルや銃声、おそらくもう死体と化した男の後処理は全て他の人がやる。そうやって殺し合いに専念し、それを一部の人がエンターテイメントとして楽しむ。


別にこの状況を誰に見られようが構わない、とマレフィキウムは思う。


……生きていれば必ず会える。



富士県。


「さむーい」


11月にして既に気温は10℃。そんな場所は先程から木が倒れたり、地面が抉られたり、と激しい戦闘が起こっている。


「なぁなあー。かえったらあったかいぎゅうにゅうがのみたいのー


その中心にいるのは場違いにも程がある、小さな少女だった。年齢はなんと4つ。いわゆる年端のいかない子、だ。放つ言葉も幼い。


「別にいいよ。ただこれが終わったら一旦皆の所に戻るけど」


後ろに立っているのも場に合わない華奢な女だった。大学生位だろうか。親、というには若い。


「え? ほんとー!? じゃあじゃあ、『うぁるぷる』や『まれふぃ』とかもくるの?」


「……、多分ねー。でもその前に…、悪者をやっつけちゃおう」


慣れたように優しく声を掛ける。保護者のように。


そして彼女らの前には武装した三人の男が立っている。主に携えているのは強力な重火器。


対して彼女らがとった行動は単純、しかし不可思議。


「お願い!」


「まかせて!」


大学生のような女が後ろに下がる。丸渕のメガネが光る。


小さな幼児が無邪気に前に出る。長く伸ばした髪が揺れ、


「くまちー、うさちー!」


ふたつの名前を呼ぶ。それに反応するように足下にあるふたつのぬいぐるみが光り、動き出す。どちらも布でできていて、目はボタン、所々に縫い痕が残っている。そして、うさぎとくまを模したそのぬいぐるみは、大きさがどちらも1m以上ある巨大な物だった。それらが光り、浮き、首をうなだれているような形で幼児の前に立つ。


「……おねがい!!」


両手を揃えて前に突き出す。それを合図にふたつのぬいぐるみが動き出す。男達に向かって。


一瞬驚いた表情をするも、その程度は想定内だったのか重火器を構える。


しかし狙いが定まらない。ぬいぐるみの動きが直線ではない。地面すれすれを浮遊しながら、人間の様な不規則に動く。


「っ!」


とりあえず正面に向けて一発放つ。うさぎの方に直撃した。立ち籠める煙と硝煙のニオイ。そして、


「!? んなっ…!」


ゆらり、と煙の中で何かが揺れ、ぬいぐるみがでてくる。無傷。そのまま男達のうちの一人の前にきて、


「いけいけー!」


人間のように腕を振るう。中身は綿なのかそうでないのか。男は後ろに吹き飛ぶ。


「ないすうさちー!」


男を吹き飛ばしたにも関わらず元気に飛び跳ねる。


「お、おい!?」


男の一人が後ろに下がる。先程の男の介抱に向かったのかもしれないが、男一人で相手ができる気がしない。


「……、ちっ!」


諦めて銃口をぬいぐるみ、の先にある少女に向ける。


(あいつさえ殺せればーーー。………)


そこで気がつく。


(あっちのメガネはどこに行った?)


そのとき、くまのぬいぐるみの背中が裂けた。どうやら縫い痕の一つがチャックになっており、中に人が入れたらしい。メガネの少女が襲いかかる。


「くっ!」


慌てて銃口を向けるが女の手が先に方に触れる。そのまま倒れ込む。


「…ぐ…」


女は先に立ち上がり、メガネの先にある瞳から男を見下している。


「…ーお!」


短刀を取り出し斬りかかる。しかし、


「ーあ?」


片膝を付き、勢い良く立ち上がろうとしたところで、力が抜けたように倒れる。


「? ?」


(筋力の低下? いや、これは…、体力そのものが………)


考えるより先に女の足が動く。大きく振りかぶった足が狙う先は、倒れた男のーーーーー、




全男性の最大の急所だった。




登場人物紹介変更


NO.000

人物名

フリガナ

性別

(能力)

(所属)

身長

好きな色々

嫌いな色々

説明



NO.011

富士 仁美

フジヒロミ

手中返還

タイルス活動課

167

20

手芸、ダーツ

自他ともに認める明るい大学生。戦闘力が高めなことから重宝される。


NO.012

星野 結

ホシノユイ

????

タイルス活動課

165

22

未来

思い出、記憶

希少な能力を持つヒーローであるため秘かに知名度が高い。弘星に対してのみ寡黙。



能力辞典


3 感情波動


怒りや憎しみ、喜びなどの感情を光の様なエネルギーに具現化できる。基本的にグレーで、体の周囲にまとわりつくのみだが、強い感情の場合、レーザーのように射出したり応用ができる。


所持者、横濱弘星


4 手中返還


自分を中心として半径約5m内にある物を手元に持ってくることができる。生物は不可。


所持者、富士仁美




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