十八話 歴史
遅くなりました。グダグダに世界観を説明する回です。付録程度に受け取ってください。設定は考えて作ったわけではありますが……。深く突っ込まないでいただけると幸いです。あとこれ以上遅らせたくなかったので『ヒーロー』については今後の後書きで書いて行きます。長くなりましたが、次回からはストーリーも進みますので、『能力バトル』物としてこれからもよろしくお願いします。
「…というと?」
「つまりですね…。怒りだとか悲しみだとか…、そういった感情が大きければ大きいほど強い力が出せるんですよ。さっき見せてもらったあの灰色の光も感情が具現化したと考えればわかりやすいと思うけど。感情の大きさや意志の強さなどがそのまま力に直結するし、それによってどれ位自由に操れるかも関わってくる。本気を出せばビームはおろか大砲位出せるかもねー」
「はぁ…」
医者から告げられる淡々とした能力の説明を香さんと二人で聞く。
「まあ、さしずめ……、『感情波動』といったところかな」
☆
「能力の名前はあの人がつけるんですか?」
「ああ、後藤さんの事?」
さっきまで会っていた医者を思い出す。60代という年齢にしては若く見えた。
「そういったときもあるけど…、まあだいたいはそうかな。あとは、まあ…、色々と」
「次はどこへ?」
「一旦部屋に戻って色々ここについて説明でもしよう」
☆☆
「まず、大元である『ヒーロー』についてだが…、小学校で習ったかもしれないレベルから改めて復習するぞ」
活動課の広くはない部屋のテーブル前に座る。香さんはというと伊達かどうかわからないメガネを掛け、手には指揮棒を持ちホワイトボード前に立っている。
(教師かよ……)
「まず起源についてから。発生は約50年前。原因は現在も不明。当初は日本限定で百万人に一人程度の割合だった。能力なんかは当時とあまり変わらず。しかしながら…」
「…格別の二人が…、争って?」
「そう。今でも破壊神などと言われている二人。川合博と神楽依人。彼らはもともと様々な分野で争いあっていた犬猿の仲の権力者、実力者。そんな彼らはそれぞれ桁外れの力を手に入れた。それが『無限災害"破"』と『無限災害"滅"』。二つ合わせて『破滅』。…名付けた輩のセンスを疑うが…、まあおいといて…。戦闘自体はおよそ一日で終結した。勝者は…、神楽の方。そして彼等の戦いの結果…………、地球は壊れかけた。…衝撃波や能力の影響を受けた異常気象等が主な原因だが、戦闘のあった静岡県と山梨県………、『富士山』に巨大なクレーターができたのは当然、衝撃波は日本全国、その他衝撃波による津波などの影響で被害は世界中に拡大。世界人口の三分の一が死亡、日本も人口の六割が死亡した。核爆弾とかの比じゃない被害により日本は鎖国を強制。そして50年経った今でもその爪痕はハッキリと残ってる。あちらこちらにある廃墟や放置地区なんかだな」
小さく溜息をつき、説明を続ける。
「今のところまでは義務教育レベルだからいいとして…、こっから少し現代を語ると…、まず30年前。追いやられた警察はついに限界、解散。好き勝手な世の中をまとめようと新しく作られた組織が『神楽組合』。現在の『オレンジ』のもとだ。創設者はあの時の対戦で勝利していた神楽依人。それから10年程は彼等ヒーローによる独占支配。そして10年前、設立したのがここ『タイルス』。設立者は君の御両親。その他に小さな組織がいくつか生まれては消えて、今に至る」
………
「ざっと50年のヒーローについておさらいしたが…、大丈夫?」
「ええ…まあ…」
「よし、じゃあちょっと休憩して次はヒーローについてだ」
(はぁー………)
廊下に出て少し歩くと休憩場所に着く。昨日の帰りに見つけた場所だ。金を入れて自動販売機で飲み物を買う。
(こういった金とか技術とかは変わってないらしいんだよなー…)
突如発生した『ヒーロー』とその『能力』についての解析が優先されたため、科学技術の発達は一部では相当進んでいるが、一般には停止している。貨幣価値も然り。
(…それで50年間成果無しって…。よっぽど謎なんだな…)
「!?」
後ろを振り返ると人が歩いている。見た目は自分とあまり変わらない。
(全然気がつかなかった…。気配というか………)
生気を感じなかった。
むこうはこちらには気がつかずそのまま去って行った。
「…………」




