十七話 翌日
一応最後に戦闘をいれてはいますがだらりと読んでもらって構いません(読み飛ばしてとは言ってません)。書き方を変えたら凄くやりやすくなりました。何故今まで気がつかなかったんだ…。科学技術って凄い! (←機械音痴)
「横濱!」
背後から声をかけられた。
「神崎!」
後ろから来たのは、神崎義人だった。
「もう大丈夫なのか?」
確か昨日解放されたばかりだったはず。
「まあ親にも休めとは言われたけど早くもとの生活に戻りたかったし…、あそれより本当ありがとうな! お前のお陰で出られたようなもんだし」
結局あの後、香さんたちと合流し、俺は病院、中原は事情聴取の為タイルスに戻り、そこで神崎にも会った。疲れが溜まっていたようだったが、今朝の調子を見る限り少しは回復したようだった。神崎は部署を異動、上司は解雇で一応は片付いた。そして倒したあの男が多分今事情聴取中だろう。
「まあそっちのことはあんま気にしないでくれ。あまり思い出したくないしな」
「あ、ああ、悪い…」
「それより! そろそろ文化祭の準備だな!」
場を保つため神崎が言う。
「え?」
特に意味の無い会話だったのだが、思わず反応してしまった。
☆
「文化祭? …勿論あるけど。あと一ヶ月後位に」
「もしかして、前いた学校は夏あたりだった?」
「ま、まあ…」
確かに前いた学校や中学校は夏前には文化祭は終わっていた。
「ついこの間クラスの出し物について投票をしたんだけど…」
「あ、それ明日発表」
「まじ!?」
中原と渡辺がそのまま何になるか、という話題になる。中原も昨日は色々あって、念のため病院で検査を受けたらしい。家族にも謝罪していたりして、本人の意志で学校への報告は最低限で収まっていて、渡辺達はその事を知らない。
「横濱君は何かやりたいのある?」
「え? …そうだな……、うーん……」
「あ、まあそんな無理して答えることじゃないから、大丈夫だいじょうぶ」
「それより横濱く、……、横濱、ちょっと…」
☆☆
トイレに行くという名目のもと、廊下に出る。
「どうしたんだ?」
「昨日…、本当にありがとうございました!!」
勢いよく頭を下げる。
「ああ、その話…、もういいって…。昨日も言ったけど」
「いや、やっぱりちゃんと言えてなかったし…、その怪我だって…」
視線の先にあるのは弘星の包帯が巻かれた手である。
「別に大丈夫だって。思ったより深いキズでも無かったみたいだし」
「ん…」
いまいち納得のいかなさそうな表情だったが、それ以上この話をする事は無かった。
「それより神崎ってどこのクラスか知ってる?」
「神崎? …ああ! あっちで会ったのか」
昨日の騒動もあって現在弘星が普通とは違う特殊な存在である事を知ってるのは神崎と中原のみである。
(ばれて面倒臭い事になりたくないし…。神崎にはまだその事言ってないし…)
「神崎なら隣のクラスだよ。多分朝から騒がしいのも神崎の事でだと思うし」
言いながら隣の教室に向かう。
「神崎ー?」
「中原、横濱! 助かった!」
「「へ?」」
群がっている集団から外れ、二人を連れて廊下に出る。
☆☆☆
「…助かった」
「…というと? だいたい察しはつくけど」
「ま、さっき見たとおり久々の登校だったから騒がれてて…。まあ教師の言い訳に合わせて、長期的な仕事だって言ったけど」
ふー、と息を吐きながら話す。
「あれ? 皆には言ってないの?」
「当たり前だろ。言えるかよ…」
呆れた視線を向けられる。
「でも、中原は知ってたし…」
「こいつには俺が昨日話した」
「あ、そう。仲いいの?」
「まあ、中学一緒だったし…」
「まあねー」
「そういや神崎は自分の事皆に言ったの? 言い訳に仕事って…」
「え? まあ…。……言ってないの?」
「あ、その事なんだけど…」
☆☆☆☆
「まあ、いいけど…。あんまり考えなかったな…そういう事。そもそも生まれつきだし」
「生まれつきだったの?」
「まあ。腹の中にいるときからあるとは言われていたらしいし…。まともに出始めた生後六ヶ月頃からは超大変だったって…」
力の発生、能力なんかは全て人それぞれで、生まれつきもいれば死ぬ間際の人もいる。能力も基本的に自分にあったものになるとかならないとか…。
(50年経った今でもよくわかって無いんだよな…)
体内に得体のしれない物があるというのはなんとも落ち着かない。
「でも…、なにか人より優れてるならそれだけでいいよね…」
「「え?」」
中原が唐突に呟く。
「いや……、なんでもない」
1人先に教室に戻っていく。その雰囲気は、ただ見ているしか無かった。
★
旧横須賀地区ー
いつもは静かな昼時も、今日は騒がしかった。しかし聞こえてくるのは人の声だけではない。何かが壊れる音。それは港に停泊していた大型の漁船からだった。
「ーーー! もうしつこい!」
甲板を走り回るその姿は漁師などではない。漁師はおろか大人でもない華奢な少女だった。クリーム色の髪に白い肌、金色の瞳はいまどき超珍しい外国人の姿だった。しかし訛りの全くない流暢な日本語から日本人である事はみてとれた。
彼女を追い続けているのは黒い服を纏った大人だった。右手には拳銃を持ち、彼女目掛け発砲を続けている。そして、それを『避けるのではなく防いでいる』彼女も彼女である。
「いい加減に…、」
先程から持っていた武器を正面、相手に向ける。
それは護身用の小型スタンガン。一般流通している物ではないが、出せる電力はごく微量である。そもそも相手の体に当てて使う武器であるため、今の状況では木の棒よりも役に立たない。
はずだった。
「しろっっ!!!」
スタンガンを軸に、四方に電撃が広がる。
そう、あれは彼女が普通の少女であればの話。しかし彼女は、『ヒーロー』であった。
「……ふぅ」
安堵の息を吐き、倒れた相手を見下す。完全に伸びている。
「ヴァルプルギス!」
「マレフィキウム!」
舟の物陰からもう一人少女が出てくる。
「そっちは大丈夫だった?」
「こっちも向こうに放置して来た。恐らく…、」
「『翼』の奴らの差し金だろうね」
NO.003
日光 香
ニッコウ カオル
♀
範囲攻撃
タイルス活動課
170
28
C
B
D
C
C
家族
書類
弘星の保護者でありタイルス活動課のリーダー。基本的にはしっかりしている。
NO.004
中原 健
ナカハラ ケン
♂
152
52
E
E
E
E
E
読書
機械類
低身長&丸っこい。超巻き込まれ体質。いじられ体質。いろいろ足引っ張る。




