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麒麟の世界にとりっぷ!  作者: Tm
16/18

後書

・麒麟の世界にとりっぷ!を書いた切欠は

 なにやら○○にとりっぷ!というタイトル群を見かけるようになり、一作読んでみたら

『うを、うを、ウヲーーーーッッッ』

 ともふもふに興奮させられ、もふもふ帝国建国プロジェクトに見えてきてしまいものすごーく羨ましくなったため、自分も国民になろうかと挑戦してみました。

 最初はつい出来心で、短編を書こうかなーっと思っていました。となるとはて動物はどうなるか……と考えたところで、『麒麟にすれば良くね?』と何が良いのかも解ってないくせにさも名案とばかりに取り掛かりました。

 今思うとやっぱり『麒麟てwwちょwwおまwww』って感じですね。セコイっていうかそんなんありかっていうか。書き逃げというやつです。それ逃げろーいっ。


 ――が、しかし。

 便乗しようが雛形があろうがTmはTmだった。悲しいかな、獣とのいちゃらぶ戯れに憧れて書き始めたというのにどんどん、どんどん、離れていく未来予想図。それどころかおんどろどろしてきてしかも修正しようにも既にTmの脳みそに付随したへっぽこOSはカリカリと泥沼模様を算出しだす始末。そしてあれよあれよという間にあんなことになってしまい、結果むちゃくちゃKYな作品が出来上がりました。

 Tmには癒しの作品は作れないのか……orz

 と愕然とし、癒しの作品群の中で異臭を放つ納豆のようなネバネバドロドロした作品を投下することに些か抵抗を覚えたのも事実。

 が、それはそれ、これはこれということでもありまして、書き終えた後はやっぱりすごい爽快感でした。頭の中のものドバーっと出し切った感じがして、満足感だけはありました。


 そういうわけで愛着だけはあるんですがしかし読んでて癒しの欠片もないしと揺れ動きましたが結果、せっかく書いたし投稿しようと。怒られたら下げようと。そう思った次第であります。

 Tmの作品を読んで期待外れにがっかりしたり不快感を抱いてしまった方には申し訳ありません。それでも一度は目に通してくださったのなら書いた甲斐があります。

 自己満足だけはフル充填でございました。



 以下ネタバレにつき閲覧注意です。

 そしてあくまで本編には出なかったボツネタ扱いでお願いします。好き勝手言っておりますが、Tmの妄想の産物であり、適用はしていません。

 なので『こんな妄想だったとさ』という扱いでお願いします。



・麒麟

 ググったりwikiったりしてどうにか俄か知識をかき集めました。なんせ情報がないもんですから。伝説上の動物なんでそこまで情報があってたまるかという話ですが。

 まあそれでも結構色々あるんですが話すと長くなりそうなんで当作品に適用している設定について触れていきます。


 まず麒麟の容貌について。作中にも触れていますが、身体は鹿、足は馬、尻尾は牛、五色の燐光を発しており、その鳴き声は音階に達する。その辺りは史実通り。

 ただその身体は絵にも銅像にも鱗でびっしりと覆われており、毛は鬣くらいしかありません。そこを本作では毛に変えちゃいました。何故なら裏設定により『麒麟は夏毛と冬毛があり、夏毛はさらっとした触り心地だけど、冬毛は若干ふもっという感じで夏毛より毛が多く密集している』という設定があるからです。

 もふっとまではいかなくても、ふもっという感触くらいはあるよ(冬限定)と、示したかったのでした。結局出すところがなくて本編には出ない設定でしたが。

 あと一本角か二本角か迷ったんですがやっぱり一本角はユニコーンの印象が強いので、先が二股に分かれた双角という設定にしました。二本あって、その先がまた二股ってことですね。


 麒麟の食べ物について。

 この辺はほぼオリジナルです。

 元祖(元ネタ)だと枯れ草を食べるという記述があったようですが、そうとは知らないTm、それを調べる前に先走って『清らかな生き物だから水と霞しか食べないよ!』とどや顔で演出。

 事実を知ったときには愕然としましたが、まあその設定が後に色々生かせることになったので結果オーライとなりました。

 夜露や花びらを入れたりしたのはなんか美味しそうだったから。それそのものの味というより、神秘的な効果によりそうなった、という解釈でお願いします。


 麒麟の性質について。

 これは十二国記をある程度して取られる方ならば、『あっ』と思ったはず。そうです。血が毒なのはパク、インスパイアです。インスパイアです。そこから派生して死臭を放つ生き物にも近寄らない極端に潔癖な生き物となりました。

 角が肉に覆われているという記述は、史実に基づいています。けれど罪人を罰するという事実はオリジナルです。

 穢れや死を厭うのに矛盾していると言われそうですが、その矛盾を貫くことこそ麒麟の誇りなのです(どや顔)。

 あと足が早いっていうのも十二国記の(以下略)。でも史実も黒麒麟は足が速いですし根本的な元ネタは史実です。

 ファンの皆様怒らないでください。馬鹿者の浅慮と一笑に付して許してやってください><


 あとは、麒麟の認識について。

 一般的に麒麟は幻の動物で、他の一族との交流も殆どありません。それはまあ過去に色々あったこともありますが、元々麒麟という生き物は(作中設定で)そうそう多種族に懐く生き物ではありませんでした。

 それというのも麒麟は認識上神の遣いであり代理人なので、色んな意味でそうそう仲良くしたり肩をもったりということができないので麒麟の本能にも警戒心として組み込まれ、またそういう決まりもありました。

 神の遣いがえこひいきとは何事か、とか俺達に加護をくれーとか、そういう輩が後を絶えなかったのです。という設定ですが本作には以下略。そういうわけで多種族間の麒麟の認識については『ああ、いるんじゃね? 俺のばーちゃん見たって言ってたし』『それぜってー鹿と勘違いしてんべ』みたいなそんな感じ。

 コネクション持てたらいいけどそれはそれであの麒麟だしおっかないから近寄らないよーっていう人たちも多くいるようです。触らぬ神に祟りなしというやつですね。


 裏設定について。

 引きこもってたんじゃ生計立てらんねーでないの。

 とつっこまれそうですがそこはご安心あれ。麒麟は秘泉だけでなく多くの秘境魔境のエキスパートっつーかもぐりが過ぎてそっちの開発に勤しんじゃったタイプなので、鉱石がじゃんじゃんとれる鉱山とか金山とかそういったところを知り尽くしているため、時々転化しては身分を詐称してそれを売り歩き金銭やら生活必需品やらを獲得しています。

 ただ麒麟の本能が潔癖なのでそういうところにも遺憾なく発揮され、麒麟の掟は清貧潔白であれ、という厳しい一項があり、頭の固い麒麟はそれに疑問を抱くことなくむしろ『喜んでー』とばかりに従っています。

 そういうわけで必要以上の金銭は持たないし、必要最低限のものしか購入しない。そういうシンプルでストイックな自分カコイイ(・∀・)!とか思ってる連中なので、決して贅沢はしません。

 だから麒麟の一族は金欠じゃない割に質素。すんごく質素。皆頭の中は『欲なんて消えてしまえ!』とか訳のわからんことを思っています。うぜえ。


 また、孤立無援の麒麟は転化すると揃いも揃って美形揃い。

 眩いばかりのその容貌に男でも女でも道を踏み外すほどの美貌をもっています。けれどそういう美貌だけに寄ってくる輩こそを嫌悪していて、意外なことに麒麟は美醜には頓着しません。

 身の内に光るなにかこそ求め、もしそれを見つけたならいかに多種族であろうとも認識を覆し、自身が認めたものの傍に添い遂げます。

 しかもそれは自分が気に入れば男女関係なく侍り、普段は嫌がる騎乗もその相手にだけは許してしまいます。

 かと言って油断も禁物で、少しでもその認めたはずの心に曇りが見えれば麒麟は一瞬にして見限ります。そういうわけでもしも麒麟に騎乗している人がいればそれはそれほどの傑物と認められ、大いに尊敬されることとなります。

 ただ麒麟はこの通り頭が固く矜持も気位も高いため、己のよしとしないことがあるとすぐ主に口を出します。

 とにかく口うるさい。鬱陶しい。そういうのを我慢したりうまくいなしたり許したりできる人こそ、真に仕えるべき傑物であり、麒麟が一生を添い遂げる人物であったりするのです。


 という裏設定が山ほど山ほど。生かせていないのは、もうお分かりですね?


 他にも、麒麟は認めたものの用意したものしか口にしない、貰わない等。

 麒麟は自身で摂取するものを調達できるけれど、それ以外で他人に水を用意されても何かプレゼントを差し出されても『わあ☆ありがとう』なんて安易に貰いません。

 その人物が信用するに足る存在なのか、また麒麟がそれを受け入れる価値のある人間なのか、それを見極めてから貰うかどうか決めます。逐一大げさで偉そうで何様一族です。

 作中で千歳が水汲みを始めたのも実は三ヶ月経った頃から。つまり、そういうことです。


 また一応心優しい一族なので困っている人を見ると見返りを求めず素性を明かさず助けたりします。

 けれどまたそれもそれに値する人物かどうか見極めるので、千差万別なくというわけではありません。素直に人に感謝できなかったりされることを当然と思っている輩には手を差し伸べません。

 あれ、でも千歳のときは……おや誰か来たようだ。


 多種族に対しての認識は意外と普通。

 というか多種族を見下すと言うより自分達が高貴、みたいな俺様至上主義の奴らなので、基本多種族がなんだろうがどうであろうが興味なーし、という感じです。うざい。


 ちなみに麒麟の一族は皆殆ど転化できます。できるけど、麒麟の姿が本来の姿という認識があり且つその姿に誇りを見出しているので、人型でいるより麒麟の姿でいるほうが多いのです。人型になるときは大体便宜上必要なときだけっていうかんじ。

 主様が千歳の前で人型でいるのが多いのは、一応理由がありますがあんまりいい理由でもないので個々の解釈におまかせします(笑)


・豊島千歳

 性格設定決めずに流れるままに書いていたんですが、書き終わってみるとものすごーく単純な人に仕上がりました。

 多分彼女はその性格で今まで散々騙されてきた口で、でも性懲りもなく同じ人に騙されたりしていたんだろうと思います。もう誰も信用しない!と憤慨しつつ出会い頭で心を許しちゃったりする、単純な人です。

 そういう人なので麒麟にあんな扱いうけたのに最終的には全部許しちゃうどころか謝ってその上勢いに乗って『お仕えします』宣言したりともうお前馬鹿だろ、と言いたくなるほどの単純さ。

 その癖報われないとすぐ憤慨するし人の言うことも真に受けるし流されやすいし一回主様が井戸のことで嵌めたにも拘らず鳥族の移籍の話云々は真に受けちゃうし、見てて苛々したことでしょう(特に主様が)。

 でもそういう彼女だったからこそ麒麟は苛立ちながらもどうも憎めないものを感じて傍に置いていたのでしょう。打てば響くような子ですし、退屈もしません。

 取り立てて性格がいいってわけでもないんですが、単純だから自分の非はすぐに認めるしこうと決めたらすぐにそうする。ある意味で麒麟とは対極にいる、まさに『人間』という存在だった、ような気がします。麒麟にとってはとても異質な存在だったことでしょう。

 あとはちょーっと28歳設定きつかったかな、とも思ったり。素直が過ぎましたね、後半。

 いきなり罹った病についてですが、三年間無事だったのにいきなり罹る? 感じですが、一応理由はあります。井戸の話をキッコさんに聞いたとき、手や頬を葉で切ったり、あちこっち転んだり血だらけ泥だらけで山を駆け上った千歳さん。その時何らかの菌を貰っちゃったんじゃあなかろうか、っていう後付設定。やっぱり無理があるのでそこはもうご都合で割り切ってしまうしかありません。謎の菌空気読んだ!

 ちなみに名前につきまして、狙ったわけじゃあないんですが、オチを体現しております。何の因果か……。

 容姿についての描写がないのはいちいちそんなこと振り返る余裕もなかったのと比較対象もなかったから。寂しい子だったんです……かね?(笑)まあ大体日本人の描写なんて似たようなもんさ(放棄)。


・主様(炎駒)

 こちらも大して性格設定決めずに書いたお人。というか全登場人物流れで書いてましたが、スルーで。

 このお方は後から後から性格が出来上がっていったタイプです。井戸の話の時だって最初は事情なんて考えてませんでしたし、その時点では普通に素で嫌な人でした。そこからあれよあれよと事情が付随していって、なんだか最終的にはそんなに悪い人じゃない、感じ、にも。

 どういうつもりでこの人を書いていたかが自分でも終始謎でした。書き終えてやっと人となりが解ったという感じです。考えて書いたというよりも、なるべくしてこうなったような感じでした。

 色々誤解を受けたりしている人ですが、言葉が少ないというより自分でその誤解を後押しするようなことばかりやっていたので、本人割と苦労しているのかもしれません。自業自得な気もしますが。

 口が悪くて性格も悪いとあらすじには記載してありますが、確かにその通りなんだけど主様は言葉のボキャブラリーがものっそい貧困、であります。

 元々麒麟は仕草や佇まいなどそういったものにも高潔であれという意識なので、基本皆言葉遣いが居丈高な割りに丁寧。常に敬語を話していたり謙譲語を使ったり、偉そうなんだか下手なんだかわからない奴らです。しかも会話する相手が殆ど同じ一族の者相手だけなのでなおさら。

 なので結果的に悪口とか罵り言葉とかあまり綺麗じゃないものも使わないし使う相手もいないので、そういう語彙を蓄える機会がないのです。

 だから主様はいちいちやることなすこと文句言うくせに出てくる言葉は「うつけ」「戯け」「鈍間」ばっかり。千歳は相当聞き飽きていました。

 最後に千歳が主様に言ったことに対して、主様はその答えを言明してはいないように見えますが、そうとれる描写があります。もしお暇でしたら、探してみてください^^

 あと最初は白金色の髪の毛でした。でもちょっと白系の髪のお方比率がシリーズ内で若干高いかもと思ったのでかぶらないよう、ご自身の性格にも合わせて燃えるような紅に変更しましました。

 ちなみに名前の由来は、もちろん史実の方から。紅い麒麟は『炎駒』と呼ぶのだそうです。


・キッコさん

 あんたが大将。

 最初名前も出ないと思っていたはずが二話目から獲得、それからあれよあれよと各要所で登場し、最終的にトリを努めちゃいました、鳥だけに(だれうま)。

 真の主役はこの人かもしれない!という活躍っぷりです。むしろ読者様のなかでは麒麟より鳥の方の株が上がったんじゃあなかろうか。それくらい重要で、しかも万能なナイスフォロワーでした。この人がいなければ万事うまくはいかなかったと思います、マジで。キッコさんの繁殖期は一体どう豹変するのかものすごく見てみたい。

 ちなみにキッコさんはもしも千歳が移籍するなら自分のところに来ればいいのになあ、という願望がありました。恋愛云々抜きに、耐える千歳を見つめ続けてなにやらお兄ちゃん愛が芽生えたようです。

 養女でもいいな、とか考えていた、らしい。歳は裏設定で35歳。こう見えて可愛い奥さんと二匹の雛が巣で待っております。

 そしてTmの作品に良く見られる準レギュラーの悲しい宿命……名前が変。どうしてかこうなっちゃいました。しかも変だとわかっているのに変更したくなかった。多分きっとどこかしらを崩したかったんだと思います。何も名前でなくても……。

 鳥一族の作者様、勝手にキャラ作った挙句色々いじくってスミマセンでした。でもファンです。ファンなんです。


・幼獣の皆さん

 悲しいことに『ちいさきものたち』の単語が出てこなかった。それもこれも主様のせい。都合の悪いことは大体主様のせい。

 しっかり描写はしていませんでしたが、実を言うと屋敷の麒麟の誰より彼らが一番早く千歳に警戒心を解きました。最初は怖かったんですが、やっぱり主様のあれがあって、しかも千歳が何しても怒らないから調子に乗っちゃった子達。

 上から目線の物言いは良い悪いの判断の前に大人達の真似でやっていたことなので、悪気はありませんでした。千歳を自分達の子分と見ていた節があります。

 千歳が倒れたとき吃驚して怖くてどうしたらいいか解らなくて、二度目に眠る千歳を主様の部屋で遠くから見たときにその死臭と瀕死の状態にわんわん泣き喚きました。

 その後千歳が主様の薬を飲み回復した後にお許しが出て傍に寄り泣き疲れて就寝。いつも虐めていた千歳の暖かさと脆さを感じ、子供なりに何か感じ取ったようです。

 最後は前よりも距離を詰めて、千歳を見つめることとなりました。


・屋敷内のその他の麒麟

 本当言うとこの人たちが一番千歳を恐れ、避け、侮蔑していました。

 乱獲の当時を生きた麒麟はいなかったけれどその遺恨は強く、親から子へしっかり語り継がれ、その思いをインプットさせられていました。

 だから千歳には必要以上に近寄らなかったし、最初は心のそこから嫌悪していました。子らが彼女に懐くことも嫌で一時は主様に詰め寄ったこともありました。

 その後三年苦行に耐える千歳を見つめ、彼女が病に倒れ子らが泣き喚くのを見てから、その時漸く少しだけ心を改めたようです。

 落人は憎いけれど、千歳はそれよりほんの少しだけマシなのかもしれない。これから千歳と過ごしていくうちに、そう思うようになるでしょう。



(この辺りは超妄想設定です)


・秘泉

 参照無し、オリジナル設定オンリー。源泉は門外不出。

 その掟が作られたのも昔は昔、大昔のあの頃だったという。一体なにがあったのかーっ、とそういうエピソードは微塵も掠らなかったところ。

 秘泉の水脈はおかしな構造になっていて、この世のあちこちを点々としていたりします。移動する水脈。でも屋敷の井戸とあの源泉にはしっかり繋がっているという不思議設定でもあります。

 旅人が一口飲んで病を治し、次に仲間を連れてきたら忽然と消えていたとかいう不思議話もあり。手に入れようと思って手に入るものじゃないからこそ、これを巡って争いや諍いが起こったりしました。

 麒麟は秘泉の水に不自由したことはありません。何故ならその匂いが判るため、どこにあろうが見つけ出すことができるのです。

 ところで門外不出にも関わらず主様千歳に許可しちゃってんじゃんという話ですが、結末を読んでいたということと、この世の流れを読むために主様はあえて試しました。

 世が乱世ならばそれだけ混乱するし、平静であればその価値も下がります。

 そういったやり方で世情を読み取った主さまではありますが、そんなに頻繁にはやってはいけないためまた二三百年経つまでどこの誰とも取引はしないと、取引の前に鳥族の長にも言明しました。


・麒麟達の住む山と霧

 麒麟達の住む山は一個の独立した世界で、その世界のどこかにあるとは言われていますがどことは特定されていません。

 その山に入ろうとすると一定のところで元の場所に戻ってきてしまい、邪な考えを抱くものや悪意ある者が入ろうとすると迷った挙句に底なし沼とか陥没した穴に転落とか崖のそこにまっさかさまとか、そういう目にあいます。

 入り込んだ者の心そのものを示す恐ろしい霧です。そこは麒麟たち特有の縄張りで所謂霊山という奴で、迷うのはその霊力のためといわれています。

 距離感も狂わせるため、千歳が霧の中をせっせと歩いているのも本当の距離は短かったり長かったりする時があるので、千歳は気付いていませんが時々霧に弄ばれていました。

 ちなみに麒麟はその霊力を感じることができるので、一切迷ったりはしません。

 千歳が弄ばれても帰ってこれるのは、主様が呼んでいるため、千歳は無意識にそこへ足が向くようになっていました。でもそんなことは死んでも言わない主様。


・天(采)の認識

 これは謎です。とにかく謎。

 あるのかないのかはっきりしないし、場所によってはあらゆる形に代わり崇拝されてもいるようですが、とにかく謎。

 天采などと普通に皆受け入れちゃっていますが、ものすごい信じちゃってるとかいう話ではなく、お天道様ーとかお月様ーとかそういうのと同列な認識です。

 ちなみに天采は天才の方じゃなくて天災とかけました。最初天勅にしてたんですがなんか聞いたことあると思ってググったらあちゃーでした。これは流石に無理だわと。はい。

 麒麟たちが天采をどう察知するかですが、このお話の百年後とかその辺りには『麒麟が聞いているのは天の声ではなくものの波動ではないのか?』という説が浮上してきます(という妄想だった)。

 麒麟は秘泉の水脈を感じ取れますし、霧の中でも迷うことはない。死臭にも敏感で、生き物の声も言葉の音ではなく別の音で察知したり感じたり、または送ることができる。また稀に気に入ったものに侍ったりする。その場合美醜や地位名誉など全く関係ない。

 そういうところの根幹が、波動を感じることから来ているのではないかと考えられるようになっていきます。

 天采もその一種で、ある種の波動を感じた麒麟が本能に呼びかけられそういった行動に移ってしまうのではないか等、彼らの根幹は生のエネルギーを敏感に察知していることから起因するのではないかと。

 ただ、どうしてそれを察知できるかとかは解らず麒麟もまさか調べさせてくれるわけでもないので、結局真相は謎のまま。

 麒麟自体は『俺らがマジすげー。その事実だけでいんじゃね?』っていう認識なので、特に原因を究明する気にはならないようです。麒麟の謎はどこまでも続く……。



 と、まあこんな感じで色々妄想しておりました。

 参加に至り色々と色んなところにご迷惑をおかけしてもう恐縮仕切りなのですが、海より深い懐の大きさにて免除されております。

 というか半ば無理やり押し通しています。苦情はTmまで! どんとこーい!


 最後に。

 元祖・動物の世界にとりっぷ!の『猫の世界にとりっぷ!』を書かれた夕花様。

 もふもふを題材にする前衛的なお話は、とてつもないぱわーでなろうを駆け巡りました。

 Tmもその余波に乗っかり色々と多大なご迷惑をおかけしましたが、受け入れてくださり、というか寛容に許してくださりありがとう御座いました。夕花様の陰の努力を僅かながら拝見したTmは、本当に尊敬しました。

 Tmだったら即投げ出していました、きっと。というか多分それ以前の問題ですが。


 この流れを機に沢山の作品に出会えたことが嬉しいです。

 他の参加者の皆様も、素敵なお話を公開してくださりありがとうございました。

 みんなもふもふツルツルふわふわしてて文字なのに感触がありやがる! と目を剥いたものです。さすがです。夕花様を始め、参加者の皆様には陰ながら応援しております。


 また、相当毛色の違う癒しの欠片もないこの話に目を留めてくれた貴方様、最後まで読んでくださった貴方様。本当にありがとうございます。

 Tmの作品を読んで何かしらのものを感じてくださったならば、こんなに嬉しいことは御座いません。

 というかそれ以前に無駄に長かったので、最後まで読まれたお方は特に『よくぞがんばったどくしゃよ』と10000G謙譲したいくらいです。代わりにTmの熱いベーゼで我慢してください。拷問ですかね。


 正直勢いと調子ぶっこきで書き上げたものなので今恥ずかしさ全開ですが、諸々全てをひっくるめてやっぱりこの言葉でしめます。



 読了お疲れ様です。ありがとうございました!


 では、またどこか別の作品で、お会いしませう。



Tm

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