第33話 エッホエッホ
「栗原ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」
『だからうるせぇんだよてめえ!』
:これででてきてくれるスキルくん優しいな
:スレ主ちょっとハマってて草
:いい加減なにかしらの著作権に引っか【謎の力によりこのコメントは削除されました】
:なんかめっちゃ久しぶりな気がす【謎の力によりこのコメントは削除されました】
:ヒエッ…………
:なんのことだか分からんが自重しないとヤバそうやな……なんのことだか分からんが
とりあえずスキルくんを呼び出した。
理由はもちろん、縦クソ長マンションについてのご相談である。
「なぁ、この設計だと完成までどんくらい時間かかるんだ?」
『お前は俺が何でも分かるとでも思ってんのか?』
「分からんかったら問題だろ」
:スレ主ってスキルくんといるときだけ真面目よな
:ちゃう。スキルくん『も』ヤバすぎてまともに見えてるだけや
:たしかに
:お前天才か?
:言われてみればそうだな
「は? 俺はいつでもまともだが?」
:嘘つきはスレ主の始まりだぞ
:は?
:おっそうだな
俺の事実が周知されていないだと……!?
誠に遺憾であるぞ!!
『いや、マジで俺は分からんぞ? そりゃスキルのことなら全部分かるが、時間のことなんぞ知らんわ』
「使えねー」
『やっばこいつ。までも、最速にするくらいならできるぞ』
「使えるー」
『きっしょこいつ』
さすがはスキルくんだぜ。
最初期の煽り性能がだんだんと解除されてきて、『煽り野郎』から『バカ友達』くらいにはなってきてるぞ。
……え、『バカ友達』くらいになってきてんじゃんやば。成長しすぎだろ。
『……ふむ。ここまで解放されてるのな。なら全然余裕ではあるが……』
時折、スキルくんがポツリポツリと呟くのを草原に寝転がりながら聞いている──と。
『────6だな』
「あ?」
『なんでキレ気味なんだよ。そこは「え?」とかで聞き返す場所だろ』
「お前に普通に聞き返すの癪だろ」
:はよ話進めろよ
:テンポおせーな
:これがこいつらの悪いところでありだめなところ
:↑良いところ1つもなくて草
当たり強いってこいつら。
「で、6ってなんだよ」
『マンション1棟──で数え方あってんのか?──の完成までにかかる時間だ』
「……え、マジで?」
6ヶ月────よりは短いんだろうか。「全然余裕」とか言ってたし。
てことはやっぱ……6日ってことよな。
いや……え?
50階建て×90kmだぞ? 俺が言っちゃいけないだろうけど、バカみたいな設定のマンションなんだぞ?
「何をしたら6日で作れるんだよ……」
『は? 何言ってんだ。6日じゃなくて6時間な??』
「あー、6ってそっち…………」
たしかに勝手に6日って決めつけてたわあ……。
そっかぁ。6時間かぁ。
…………………………ンンッ?
えーっと……え?
ちょっと待って?? いやだいぶ待って????
えぇーーー…………………
「お前何いってんの?」
:深く考えた結果理解できなかった人がこちらです
:エッホエッホ【迷宮管理者】がバカだって伝えなきゃエッホエッホ
:驚かなくなってるスレ民が怖い……
:だって……おかしいんだもん
:それはほんとにそう




