第31話 ホ〇バの新作ですか?
「ありがとうございますー、ねっ! 今、頭おかしい安価をいただきましたけどね。こんなん、なんぼあってもいいですからね(泣)」
:ミ〇クボーイで草
:定期的に登場するミル〇ボーイににっこりしちゃう
:1つも欲しくなさそう
:50階建てマンション建設おめでとうございます
:安 価 は 絶 対
:↑に も ほ ど が あ る
くっ、ネット民として『安価は絶対』は守らなくてはいけないからやるけど!!
まずは建設予定地。
適当に作ると変な隙間ができたり、見栄えが悪くなったりするので、整然と並べたい。
二次元マップでいう西に『居住区』、東に『その他』。北には山がある。
「まずは最西端&最南端から北に向かって埋めて、縦はどのくらい建てれるか試してみるか」
:ありだな
:思ったより計画的でびっくり
:誰だよお前……っっっ!!!
:慎……重……っ!?
「バカニキじゃないんだぞ俺は」
:おい待てなんで俺が下げられた
:いや、まぁ……バカニキだし?
:バカニキだもんな
:……(肩に手を置き首を横に振る)
:それはいいとして、どうやって行くの?
:おい俺のこと「それはいいとして」で終わらせるなよっっっ!!
:バカニキ、黙って
:え、あ……ハイ…………
どうやって行くの、とは??
別に、普通に歩いていくが…………あっ。
「山梨半分縦断徒歩マジですか?」
先日、山と海を作った日。
ここから見える景色で「地球だな……」とかバカニキみたいな感想言ってたけど…………
えっ、俺今からあそこまで歩くの? 本気で言ってますか?
:栗原さんに電話したら?
:助けてもらおうぜ
:掛けてきたらまたスタ連するからな
:サボリニキ、スタ連してたんか……w
:草
……………………。
タプタプタプタプタプタプタプタプタプタプタプ………
「栗原ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」
:おっまwwwww
:マジでやんのかスレ主。漢だなw
:えマジで? ワイに電話きてないけど
:え?
『おいお前さ』
:スキルくんかよww
:頭の中で念じてたら発動できるんだろうけど、栗原呼びでも出てきてくれんの優しいな
困ったときはスキルくん。偉い人も言ってた。たぶん。
「なんかさ、管理者権限でテレポートとかできたりしないんか?」
『お前俺の扱い雑になってきてんな?』
いやまぁ……スキルだしいっかなって。
『まぁいいや。マップ開いてみ』
「マップ?」
なんかあったっけ?と思いつつも、言われた通りにしてみる。
しかし、やはり何の変哲もないただの二次元マップであった。触れそうなタブも特に無い。
『んで、行きたい場所触って』
ポチッ
──────────
座標(〇〇,✕✕,△△)
草原
→詳細
──────────
「知らない画面だ」
とりあえず適当に触る精神は今も持ってるけど、何もない場所触っても反応するとは思わんやん……。
『そこで詳細を開く』
ポチッ
──────────
座標(〇〇,✕✕,△△)
草原
↓詳細
特殊効果は無い
テレポート【YES / NO】
──────────
「あっ………………」
『また困ったら遠慮なく呼び出せよな。あ、普通に呼び出せよ?』
そう言ってスキルくんは消えていった。
とりあえず……【YES】に触れてみる。
キュイイィィィィィン!!! という音とともに光に包まれる──と。
ザブーン……ザブーン……
「テレポート、しちゃったよ……」
:どこのホ〇バですか?
:新作はVRMMORPGなのかぁ……(すっとぼけ)




